元公爵令嬢のTS聖女ちゃんがひたすら犯されたり辱められたり狂気に染め上げられていくだけのお話。 作:東口ゆゆ
翌朝。
ファルバレル公爵家の朝食の風景は、以前とは全く異なる空気を纏っていた。
上座には、魂の抜けたような顔をした新公爵、ガレオス。
その右隣には、満面の笑みを浮かべる「加虐の魔女」リリア。
そして左隣には、どこか憑き物が落ちたような、穏やかで虚ろな微笑みを浮かべる「被虐の聖女」レイラ。
食卓には豪華な料理が並んでいるが、ガレオスは一口も手をつけていなかった。
「あら、召し上がらないんですか? ガレオス様」
リリアがナイフで肉を切り分けながら、楽しげに声をかける。
「精をつけていただかないと困りますわ。……これからは、わたくしたち二人分を愛していただかなくてはならないのですから」
その言葉に含まれた意味を理解し、ガレオスは肩を震わせた。
昨晩、レイラとの情事の後、リリアは部屋に入ってきた。怒るどころか、レイラを抱きしめ、よくできましたと褒め称えたのだ。
そして三人で――正確には、姉妹がガレオスを挟み込む形で、朝まで眠った。
「……ガレオス様」
左側から、柔らかな声がする。
レイラだ。
昨晩、あんなに乱れ、自ら腰を振っていた女とは到底思えない、慈愛に満ちた聖女の顔。
「無理はいけません。……でも、リリアの言う通りです。貴方様はこの家の主なのですから」
レイラは甲斐甲斐しく、ガレオスの皿に肉を取り分けた。
その手首には、リリアがつけた鮮やかなキスマークが、まるで手錠のように巻き付いている。
「レイラ……きみは……君は、本当にこれでいいのか……?」
ガレオスは縋るように問いかけた。
まだ、彼女の中に被害者としての心が残っているのではないかと期待して。
しかし、レイラは困ったように眉を下げ、そしてリリアを見て――二人で同時に、クスクスと笑った。
「ふふっ。まだそんなことを仰っているのですね」
レイラがガレオスの頬に手を添える。
「私は幸せですよ。……だって、可愛い妹が笑っていて、愛するガレオス様がそばにいて。私が少し我慢すれば、みんなが幸せになれるんですもの」
被虐の聖女。
彼女は、傷つくことを。
傷つけられることを愛だと定義し直してしまった。
妹の罪を被り、汚され、痛めつけられることこそが、自分の存在意義なのだと。その自己犠牲の陶酔こそが、彼女を支える狂気だった。
「そうですよ、ガレオス様。お姉様は可哀想な自分が大好きなの。だから、わたくしが痛めつけてあげないと、お姉様は輝けないんです」
加虐の魔女。
リリアはフォークに刺した肉を、ガレオスの口元ではなく、レイラの口元に運んだ。
「ほら、お姉様。あーん♡」
「あーん……んっ、おいしい。ありがとう、リリア」
リリアは、姉を痛めつけることでしか愛情を表現できない。
レイラは、妹に痛めつけられることでしか愛情を感じられない。
凸と凹。鍵と鍵穴。
あまりにも完璧に噛み合ってしまった、最悪で狂気のパズル。
(あぁ……僕は、間違っていたんだ)
ガレオスは悟った。
リリアが悪で、レイラが善だと思っていた。
リリアを排除すれば、レイラを救えると思っていた。
だが、違った。
この姉妹は、二人で一つの生き物なのだ。
リリアという頭脳と、レイラという心臓。
暴虐と忍従。
その二つが揃って初めて機能する、美しい怪物。
自分は、その怪物を生かすための養分でしかない。
「さぁ、食べてください、ガレオス様」
リリアとレイラが、左右からガレオスの腕に絡みつく。
甘い香りと、腐った果実のような背徳の匂いが、彼を包み込む。
「「私(わたくし)たちのために、一生、働いてくださいね? 愛しの旦那様♡」」
二人の声が重なった。
それは完璧なハモリだった。
ガレオスは、虚ろな目でフォークを握りしめた。
逃げ場はない。
この屋敷は、加虐の魔女と被虐の聖女が支配する、永遠の檻となったのだ。
彼は機械のように肉を口に運び、咀嚼した。
その味は、砂のように味気なく、そしてどこまでも絶望的だった。
★
その夜、ファルバレル公爵家の主寝室は、人間の住む場所ではなくなっていた。
そこは、発情した獣たちの巣穴であり、あらゆる体液が混ざり合って腐敗する、甘く重苦しい沼地だった。
天蓋付きのキングサイズベッド。
最高級のシルクのシーツは、もはや元の色が判別できないほどに濡れそぼっている。
精液の白、愛液の透明、そして汗の塩気。
部屋中に充満するのは、むせ返るような栗の花の臭いと、酸味を帯びた強烈な雌のフェロモン臭だ。
「はぁ……っ、はぁ……っ、まだ……まだ勃ってる……♡」
「うふふ、すごい生命力。……ガレオス様、わたくしたちのオモチャになるために生まれてきたような体ですね」
僕は、その汚れたベッドの中央で、磔にされた罪人のように大の字になっていた。
視界が明滅する。手足の感覚はない。
ただ、酷使され続けた股間の肉棒だけが、薬物と快楽の過剰摂取によって、どす黒く鬱血し、痛々しいほどに屹立していた。
その僕を見下ろす、二人の捕食者。
その肉体のコントラストが、絶望的なまでに美しく、そして猥雑だった。
一人は、加虐の魔女リリア。
彼女の肢体は、あくまで細く、華奢で、少女性を残している。
透き通るような白い肌は、汗で濡れて陶器のような光沢を放ち、小ぶりだが形の良い乳房は、興奮で桜色に染まっている。
尖ったピンク色の乳首。くびれた腰。そして、うっすらと産毛に覆われただけの、幼くも淫らな秘裂。
その可憐な容姿とは裏腹に、そこから立ち上る匂いは、脳を溶かすほどに濃厚で刺激的だった。
もう一人は、被虐の聖女レイラ。
リリアとは対照的に、彼女の肉体は暴力的なまでの質量と母性を誇っていた。
牛のように重たく垂れ下がった巨乳は、荒い呼吸をするたびにブルンブルンと波打ち、汗と脂でテラテラと光っている。
ほどよくむっちりとした、脇腹の贅肉。安産型の巨大な骨盤と、それを覆う柔らかな脂肪。そして、太く逞しい太ももの間に隠された、度重なる性交にも関わらず新品同様の淫靡さと綺麗さを持った割れ目。
その全身から発せられるのは、むわっとするようなミルクと汗、そして家畜のような獣臭さだ。
「さぁ……仕上げよ、お姉様。ガレオス様をわたくしたちの中に閉じ込めましょう」
「はい、リリア……。ガレオス様、ごめんなさい……私、もう我慢できないの……」
リリアが妖艶な笑みを浮かべ、俺の顔の上に跨る。
そしてレイラは、俺の股間に這い寄り、その圧倒的な臀部を突き出した。
僕という一本の杭を軸に、二人の怪物が重なり合う、究極の捕食体勢。
「あぁっ……お姉様のお尻、目の前で見ると迫力満点ですね。……おマンコ、あんなに開いてますよ?」
「見ないでっ、恥ずかしいっ……でも、ガレオス様の棒が欲しいのっ……!」
僕の視界の下半分は、レイラの巨大な尻肉と、パックリと口を開けた秘裂で埋め尽くされた。
糸を引く愛液。ヒダの一枚一枚までが見えるほどに充血した粘膜。
そして、視界の上半分は、リリアの華奢な股間が覆い隠す。
ツンと鼻を突くアンモニア臭。
リリアの秘部は、俺の鼻先に触れんばかりの距離で、クリトリスを勃起させ、愛液をポタポタと滴らせている。
「いただきます……♡」
「いれてっ……いれさせてぇっ……♡」
ズチュンッ……!!
ぬちゃり……!!
同時に、侵入された。
下では、僕の限界まで膨張した亀頭が、レイラの熱くねっとりとした肉壺に飲み込まれた。
上では、リリアの濡れそぼった秘部が、僕の鼻と口を完全に密閉した。
「んグッ!? んぐぅぅぅぅッッ!!」
呼吸ができない。
吸い込めるのは空気ではない。リリアの中から溢れ出る、鉄錆のような生理的な体液と、尿道口から漂うツンとした刺激臭だけだ。
下半身は、レイラの高温の膣肉によって、万力のように締め上げられる。
レイラの中は、度重なる中出しでドロドロになっているはずなのに、その吸着力は衰えるどころか、俺の精液を潤滑油にして、さらに強く、深く、僕を捕らえて離さない。
「んっ、ふぅっ♡ ガレオス様の鼻、クリトリスに当たって気持ちいいっ♡」
「あぁっ、すごいっ、太いっ! ガレオス様のモノが、私の子宮を押し上げてるぅっ……♡」
グチュッ、グチュグチュッ、ズリュリュリュッ……♡
部屋に響くのは、あまりにも下品な水音のシンフォニー。
レイラが腰を落とすたびに、結合部からは白い泡が吹き出し、まるで泥沼を歩くような湿った音が鳴り響く。
リリアは僕の顔面を椅子代わりにし、グリグリと腰を回す。
僕の唇に、リリアのビラビラとした小陰唇が押し付けられ、無理やりこじ開けられた口内へと、愛液がだらだらと流れ込んでくる。
(僕は……ただの肉の管だ……)
人間としての尊厳など、とっくに溶けて消えた。
俺は、姉妹の快楽を循環させるためのパイプ。
上からリリアの汚れを飲み込み、下からレイラに種を注ぐだけの装置。
「ねぇ、お姉様。……手を」
「えぇ、リリア……っ、繋いで……っ」
僕の身体を挟んで、上下の姉妹が手を伸ばした。
リリアの細く白い腕と、レイラの肉付きの良い腕が、俺の胸の上で交差する。
そして、指と指がしっかりと絡み合い、恋人繋ぎをする。
僕という礎の上で、二人の怪物が完全に一体化した。
「あはっ♡ 見てください、わたくしたち、トーテムポールみたい♡」
「ふふっ、三位一体ね……。ガレオス様が真ん中で、ピクピクしてる……かわいい」
二人は俺のことなど見ていない。
互いの顔を見つめ合い、互いの瞳に映る狂気だけを確認し合っている。
「ガレオス様っ、もっとっ、もっと腰を使って! わたくしたちの愛の振動になってッ!!」
「突いてっ! 私の子宮を、リリアのために突き壊してぇッ!!」
レイラが、僕の胸に手をつき、乗馬のように激しく上下動を始めた。
ドスンッ、ドスンッ、パンッ!
巨大な乳房が、重力に逆らって跳ね回り、バチンバチンと音を立てて僕の腹や胸を打つ。
汗と愛液でヌルヌルになった太ももが、僕の腰を締め付け、擦れ合うたびに淫らな摩擦音を奏でる。
リリアは、僕の舌を自分の膣穴に見立て、顔面騎乗の速度を上げる。
ズボッ、ズボッ、ジュルルッ!
僕は窒息寸前になりながら、本能的に突き出される舌で、リリアの中を必死に舐め上げるしかなかった。
「あ゛っ、あ゛ぁっ! いいっ、ガレオス様の舌、ザラザラして、イきそうッ!」
「私もっ! 奥っ、すごいっ、ガレオス様の精液、かき出されてるぅっ!!」
限界が来た。
僕の意思ではない。姉妹の作り出す快楽の嵐に巻き込まれ、俺の身体が強制的に暴発へと向かう。
「んーッ! んーッ! んグォォォォォッッ!!!」
ドピュッ! ドピュゥゥゥッ!! ジョボボボボッ!!!
レイラの胎内最深部、子宮口にカチリと嵌まり込んだ亀頭から、俺の命の液体が勢いよく発射された。
熱い精液が、レイラの子宮を直接叩く。
同時に、リリアの秘部を舐め上げていた口の中でも、唾液と愛液が溢れ出し、僕はむせ返りながらそれを飲み込んだ。
上から下から、僕は完全に搾り取られた。
「イグッ! イッ、イッ、イィィィィィッッ!!♡♡♡」
「あはぁっ♡ でるっ、わたくしもっ、でちゃうぅぅぅッッ!!♡♡♡」
ビクンッ!! プシャァァァァッ……!!
二重の潮吹き。
リリアの秘部から噴き出した透明な愛液が、僕の顔面を洗い流すように降り注ぐ。
レイラの秘部から溢れ出した白濁した液体が、僕の股間を泥濘に変える。
僕の精液と、彼女たちの潮が混ざり合い、シーツの上には文字通り「肉と蜜の泥沼」が出来上がった。
★
「はぁ……はぁ……っ、んちゅっ……♡」
「んっ……ちゅぷっ、レロォ……♡」
事後の静寂などない。
僕は白目を剥き、口から泡とリリアの愛液を垂らして痙攣している。
その俺の上で、まだ重なったままのリリアとレイラは、僕を無視して熱烈なディープキスを繰り返していた。
僕の視界には、リリアの白い背中と、レイラの肉感的な胸の谷間だけが映っている。
僕の身体は、完全に二人のためのクッションであり、ベッドの一部と化していた。
僕の腹の上、そして顔の上には、ドロドロの液体溜まりができている。
それは、この屋敷の縮図だった。
倫理も、道徳も、秩序も、すべてが快楽という熱で溶かされ、一つに混ざり合った混沌。
リリアがゆっくりと唇を離し、恍惚とした表情で俺を見下ろした。
その顔は、愛液と汗でぐしゃぐしゃだが、悪魔的に美しかった。
「ごちそうさまでした、ガレオス様。……いい味でしたよ?」
レイラも、僕の胸に頬を擦り付け、牛のように穏やかで、しかし虚ろな瞳を向けた。
「明日も、明後日も、死ぬまで……私たちのご飯でいてくださいね? 愛しの旦那様♡」
二人の怪物が、僕の耳元で囁く。
僕は答える力も残っていない。
ただ、薄れゆく意識の中で、自分の未来が永遠にこの「肉と蜜の泥沼」に沈み続けることを悟った。
この閉じた世界に、出口はない。
あるのは、加虐と被虐、聖女と魔女、そしてその間ですり潰される「道具」としての、永遠の快楽だけだった。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
東口ゆゆと申します。
今作は番外編をあと三話ほど掲載して完結となりますので、もう少しだけお付き合いください。