貞操逆転世界で異能と体質で差別され男性の精液を定期注入されないと動けなくなる ”眠り戦姫” たちを性欲にまかせた婚約セックスで救いまくる話 作:ぽぶきち
学園に入って最初の間接源液提供。
以前国営病院で行っていたものだ。
「ふぅ……こんなものでいいのかな」
学園に付属している病院にて、僕は源液提供を終えた器具を職員に渡す。
源液提供器具はいわゆるオナホのようなものだが、保温機能や源液の性質保存機能など、性能は比べるべくもない。
特に源液の性質保存機能はそのまま人口を左右するものだから、とんでもないくらいの研究費と実費がかかっているらしい。
そのため、器具を借りるだけでも相当な金額を支払わなければならないのだとか。
以前メグが男性に騙されたときも器具を借りるのに相当な大金を支払っていたらしい。
少ししどろもどろな職員から事後説明を聞き、今回の提供の詳細に関する資料を受け取ってから病院を後にする。
そのままメグたちとともに車に乗り込み、校舎へと向かう。
今日は授業日だ。
男性の休日を奪うわけにはいかないとかいうホワイトな理由で、間接源液提供は平日に割り込みで行われる。
多くの男性はそのまま寝込んだりして翌日や翌々日まで動けなくなることもあるそうだが、僕の場合は無問題だ。
そういうことなので、今から授業に戻ろうと思っている。
僕は車内で資料を確認した。
いつものように、着床ランク、ここでは着床値と書かれているそれはA+とされている。
これはあくまで質の話で、僕の場合はどちらかというと量のほうがこの世界の男性とは違うようなので、それも加味するとどれくらい希少なのかと思案する。
公開されている中で着床値がA+ランクに属するのは日本で2人。僕を含めて3人。
世界では10人らしいから、そう考えると日本が30%を占めているのはかなりすごいといえる。
もっとも僕が知らないだけでもしかしたら隠れAランカーが20人も30人もいる可能性だってある。
「ん?」
他にも付与される社会貢献値や、暫定控除額などが資料に添えられている。
そのなかでふと、並んでいる項目の中に知らないものを見つけた。
「メグ、ここに書いてあるインパクトランクって知ってる?」
僕は『IR(Impact Rank):Fランク』と表記されている部分を見せる。
「知ってますよ。確か、婚約している
「婚約している
メグの説明に呉井さんが補足する。
「そうです!」とメグが呉井さんに敬礼するのを見ながら、僕は不思議に思った。
「Fランクって高い数値じゃないよね?」
「はい。もっとも低いスコアだと思います」
「呉井さんやメグ、ライカと婚約しているからもっと高くなりそうだけど」
「おそらく、警護官は勘定に入らないのではないでしょうか。外付けの武力とみなされているのだと」
「なるほど」
警護官と婚約していたとしても、例えばその警護官が他の人物の警護に当たれば、相対的に婚約している男性の武力は下がる。
あくまでその男性のもとでしか振るわれない武力という見方なのだろうか。
もっとも、僕がメグたちを誰か別の男の警護につけるなんてこの先ないだろうが。
「でも、男性って基本的に
「情報が制限されているからだと思います。武力的影響力が自由につながるというのは、一般的な男性の義務教育課程には含まれない情報ですから。知ろうとしなければ知れないものであり、運がよくなければ知ることができないものです」
呉井さんが滔々と答える。
彼女に教えられたことは多い。
僕は世間知らずだったから、彼女の言葉から世界を学んだ。
「さらにいえば……」
運転席のミラーでこちらの顔色をちらりとだけ見て、呉井さんが言い淀む。
「近年戦況が変わったため、前線の
「戦況? たしか……」
「はい。大陸戦への移行で、前線に向かう男性のリスクが上がったのです」
島国の防衛から大陸への侵略へと変わったヒノモトの戦争。
それを起こしたのは、目の前にいる呉井さんだ。
氷結の異能。海上戦略のワイルドカード。
時代が時代であればおびただしいほどの勲章を付けたはずの彼女は、少し口を引き結んでハンドルを切った。
校舎横の駐車場に到着し、車から降りる。
すると、昇降口近くで誰かを待っている体育教師を見つけた。
「えっと、おはようございます」
「ああ、おはよう。いやこんにちは、か?」
「どうかしたんですか? なんだかいつもと雰囲気が違います」
「ああ、まぁ、な……」
体育教師は、息をはいて、昇降口の階段に座り込んだ。
「お前、山田アジサのことをどう思う?」
「どう? 可愛い人だと思います」
「……………………。あいつがなぜ源液提供の相手を、警護官に喧嘩を売ってまで探しているか知ってるか?」
源液提供を求める理由。
彼女は自分の異能発現が早く、その分だけ傾眠性が溜まっているからだと言った。
傾眠性は異能の強さにだいたい比例するから、呉井さんの攻撃を無力化したあの異能を持っているのであれば、その話もおかしくないように思える。
実際、彼女はどこかダウナーというか、眠そうだった。
「補習で、あいつに言ってやった、焦る必要はない。薬を使えば、多少は傾眠性をやわらげられる。金銭的に難しいなら、私が少しなら貸してやれると」
「……」
「だが、あいつは納得しなかった。
…………妹が、いるらしい」
「……」
「
メグの体がびくりと震え、その手をライカがぎゅっと握った。
それは、年の近い妹のことを言っていたのかも知れない。
嘘と真実を混ぜたのか。
「彼女はいまどこに? 授業中ですよね?」
「…………」
「言わない、いえ、言えないんですか? あなたがそんな顔でここにいるということは、彼女に何かあったんじゃないかと思ってしまいます」
体育教師は俯いたまま沈黙している。
メグが彼女に近づいて、尋ねた。
「誰かといっしょにいるんじゃないですか?」
「……」
「男性といっしょにいるんですか?」
「……」
「あなたが心配するほどには素行が悪い男性と、いっしょにいるのですね?」
「……」
「沈黙は肯定ですよ。あなたは運動場で私たちの会話を遠くから聞く程度には耳が良かったです。生徒との戦いの波動からみるに、衝撃を増幅する異能なのではないですか? それで、いまここで彼女がどうなっているかを伝わってくる音響を増幅して"聞いている"」
半ば確信に近い問いだった。
「なぜ、そこまでわかる」
「私も似たような気持ちになったことがあるので」
僕は、身を翻した。
体育教師が本当に音を聞いて、この近くにいる山田さんの動向を把握しようとしているのだとしたら、おそらく校舎にはいない。
もし校舎のどこかにいるなら、この体育教師は昇降口ではなく、その部屋の真下にいるはず。
だがどこだ?
男性がいて、体育教師が近づけず、ここで待つしかできない場所。
「提供室……?」
結論に納得するよりも先に、その言葉が僕の口からこぼれていた。
「確かに、男性個人に与えられる提供室であれば納得できます。すでに源液提供の段階だといえるでしょう。ですが」
「妹さんに源液を与えるなら、直接源液を提供することになるだろうから、提供室を使うのはおかしいよね」
「はい」
僕は、体育教師に頭を下げた。
「すいません、誘導尋問のような真似をして。今から僕は山田さんを探しに行きます」
「探してどうする」
「必要なら手を貸します」
「……」
「そして手を貸したら、彼女に手を貸した責任を取ります」
最後の一言で、体育教師が一息つくのがわかった。
ほっとしたような顔だ。
汗を書いたのか、胸元を仰ぎながら、疲れたように笑う。
「私があと10年若ければ、君に求婚していた」
「今でも遅くないですよ」
動きをぴたりと止めた体育教師を一瞥し、僕は提供室のある別棟へと向かった。
♢
別棟は男子のために作られたもので、複数存在し、大きい。
1クラス20人の女子に1人の男子。
1学年20クラス。
1学年に20人の男子。
学園には60人程度の男子がいることになる。
60個の提供室が、まだ使われていないものなども含めるとそれ以上の数があるといえる。
提供室は、防音性や機密性はそこまで高くなかったはずだが────
『他の設備と違って男性生徒にある程度融通を効かせることができるので、多くの場合は婚約相手と放課後に交流する場所等として扱われています。』
いつかの青桐先生の言葉が脳内に反響する。
やろうと思えばそういったカスタマイズもできるのではないか。
どうやって探すか。
部屋は60以上。
別棟の数も多い。
見回って見つけられるものなのか?
何か効率的な方法がありそうな気がしている。
いや、そうやって近道を探せば見落とすかもしれない。
4人で別れて探す?
それで一人が見つけて、どうするというのだろう。
そもそも殆どの部屋は空なはずだ。
この時間帯に提供室を使うなんて普通はしない。
授業に出ない男子でも、自室のほうにいるはずだ。
なら、大きな音を立てて内部の振動から人の所在を確認するか?
あの体育教師ならできそうだ。
いやそもそも体育教師は場所も何もかも知っていて、職務とルールの関係から近づけなかったし言えなかった。
同じように、警護官と別れて探すのも、職務による縛りで警護官が何もできなくなる可能性が高い。
やはり僕が見つけないといけないのだ。
窓の灯りを探す?
いや、女子による覗き見防止のために遮光の二重窓がデフォルトになっているから、それも難しいはずだ。
思い出せ。
僕が提供室を使うとき、どんなふうだったか。
まだ一回だけ、メグとライカでいちゃついたことがあるだけだ。
あのときどうだった?
呉井さんはどうしていたっけ。
「そうだ」
僕は顔を上げる。
気付いたのだ。
「部屋の前に警護官が立っている可能性が高いよね」
「確かに……そうなることが多いですね」
「メグ、踊り場から、各階の廊下をみることはできそうかな?」
「可能です。まかせてください」
メグの周囲にぶわりと熱風が吹き荒れる。
長い髪が、温度に揺れ、あたりに蜃気楼が巻き起こる。
その上昇気流を利用して、メグが高く飛び上がった。
「A棟にはいません」
「よし、次だ」
B棟、C棟、D棟の廊下を確認する。
そしてE棟にたどりついたところで、
「そこまでにしませんか」
包帯を巻いた女性が、僕たちの前に現れた。