貞操逆転世界で異能と体質で差別され男性の精液を定期注入されないと動けなくなる ”眠り戦姫” たちを性欲にまかせた婚約セックスで救いまくる話 作:ぽぶきち
七歌レイアは、見るからに生きる気力をなくしている。
メトリ曰く「存在意義を完全に喪失している」らしい。
とにかく話しかけることが重要だと思ったから、寮に戻ってからは毎回話すようにしている。
できる限り拘束は緩めている。
無理を言って仮設トイレとかも用意してもらう予定だ。
今日も僕は地下室に入って、彼女に会う。
そのまま排泄するから、彼女には吸水下着、平たく言えば紙おむつをつけている。
今日の分をそれを脱がせ、片付ける。
彼女の体を、お湯につけた布で拭う。
危険な上に男子がすることではないと警護官たちから散々言われたが、これくらいはさせてほしい。
「今日はさ、数学の授業で、先生にあてられたんだよ」
「……」
「いつも他のクラスメイトと同じように接してほしいって言ってたんだけど、やっぱり特別扱いされてたからさ。やっとあててもらえて嬉しかったんだ」
「……」
「でも、その五倍くらい田中さんは答えさせられてたな。ほとんど正答してたけど。あの人はなんであんなにヘイトを買っているんだろう?」
「……」
毎日続けているから、少しは効果があるはずだ。
少なくとも、意識が僕の話に向いているのはどことなく感じている。
あらかた拭き終わると、服を着せ、僕は彼女の隣に座り込んだ。
彼女の前には食料がある。
少し体を伸ばせば届く位置に、保存のきく携帯食料が置いてある。
だが、一切減っていない。手を付けていない。
僕は、自分のバッグからタッパーを取り出した。
「本当は秘密なんだけどね。作ってきたんだ、おにぎり」
おかかおにぎりだ。個人的には梅しそとの二大巨頭だと考えている。
自力で作るおかかおにぎりは、とても美味しい。
それを彼女にも知ってほしかった。
「えっと、食べれる?」
「……」
口元に向けてみても、食べようとしない。
目はおにぎりを見ていると思う。ただ、食そうという意志がないように思える。
「……食べないと、死んじゃうよ」
「……」
「僕は君に死んでほしくないよ」
「……」
七歌レイアは、何も言わない。
ただ、つー、と一筋の涙をこぼした。
僕にはそれで十分だった。
おにぎりを噛む。
ある程度口の中で細かくしてから、
彼女にキスをした。
「……!」
驚いた目が、こちらを見る。
そのまま、口移しで送り込む。
彼女はこくりと喉を震わせて、飲んだ。
ただ、乾燥しているのか、うまく嚥下できていない。
同じように水を口に含んで、キスで送り込む。
「……ぅは」
「良かった。ちゃんと生きたいんだね」
そのまま、タッパーに詰めたおにぎりがすべて無くなるまで、
僕は口移しで彼女に供給しつづけた。
多分、彼女は死にたいわけじゃない。
でも、生きる方法がわからない。
生きてはならないと、教え込まれてきたんじゃないだろうか。
ぴろん、と携帯がなる。
見ると呉井さんからメッセージが来ていた。
『勘弁してくれ、と桐一葉が言っています』
七歌レイアの、彼女の感覚は、メトリに共有されている。
排泄などがあるからかなり辛いのではないかと本人に聞いたが、「まったく問題ありません」と返ってきた。
そのメトリが勘弁してほしいと言うなんて、どういうわけだろうか。
おかかが嫌いだったのだろうか。
「どうして」
『次は梅しそにするね』と打った携帯を置いて、彼女に向き直る。
「どうして、死なせて、くれないんですか」
うめくような声で、しかし確かにそう言った。
「本当に死にたいの?」
「だって、私は、」
「……」
「私は、死ぬことが役目で……」
彼女の身の回りの世話を僕がすると申し出た際、もっとも反対したのが呉井さんだった。
最初は呉井さんが心配しているのだと思っていた。
だがもしかしたら、呉井さんはこの子のことが苦手だと思ってしまっていたのではないだろうか。
呉井さんと同じようにこの子も幼少期から一つの役目が与えられていて、その共通項を呉井さんはどことなく見出したのではないだろうか。
呉井さんは幼少期、剣術道場を継ぐことのみを生まれた意義として教え込まれてきた。
目の前の少女もおそらく、男子のために死ぬこと、とかを生まれた意味だと言い聞かされてきたのではないだろうか。
そんなこと、あるはずないのに。
「君はどうしたいの?」
「……なにが、です」
「すべきことは聞いた。でも君がしたいことはまだ聞いていない」
僕は七歌家がどういう場所なのかは知らない。
気難しい男子からの信頼を得て警護官の名門として威を誇るのであれば、きっと僕では想像もつかないような過酷さがあるのではないだろうか。
七歌レイアの瞳が、一瞬だけどこかを見つめた。
「したいことも、ないです」
「本当?」
僕は彼女を見つめた。
彼女は目を逸らした。
それでも、見つめ続ける。
数秒、十数秒。
一分。三分。
「…………学校に」
「…………」
「学校に、通ってみたい」
むせぶように、語った。
「廊下じゃなくて、教室で、授業を受けてみたいです」
彼女は
学園には通わない。制服を着ていたのは万が一異能を突破されても怪しまれないため。
そんな簡単なことが、できなかったのか。
「……あと、教室で、男の人と、えっちしたいです」
「え」
「……図書室で、こっそりえっちとかも、したいです」
「うん?」
「……体育倉庫で、放課後に、二人だけでえっちしたいです」
流れが変わったかも知れない。
ぴろん、とまた携帯が鳴った。
『わからなくもない、と桐一葉が言っています』
そうなんだ。
意外と共通の欲求だったりするのだろうか。
思い切り願いをさらけ出した七歌レイアは、段々と自分の状況を把握したのか、顔を真っ赤にした。
そこにこれまでの鬱屈とした表情はない。
安心した。
「大丈夫。叶えるよ。僕で良ければ」
「…………え……ど、どれ……を……」
「全部。」
そう答えて、僕は再度彼女の唇を奪った。
手を回して、彼女の拘束を解く。
「ん、んはっ……ふぁ……♡」
「でも、条件が二つある」
「…………何、でしょう……」
「まず、僕と婚約すること」
「…………え?」
呆けたような表情をする彼女の頬を撫でながら続ける。
「婚約者にすると、ある程度融通が利かせられるんだ」
「……でも私、なんかが……」
「僕は君が好きだから、そこは問題ない」
「なっ……」
「君はどう? 僕のこと好き?」
手の前で指を突き合わせようとして、彼女は初めて拘束が解かれていることに気づいたようだった。
僕はその両手を、自らの両手で包む。
「どう?」
「好きじゃない、はずが……ないです」
「そっか、良かった」
条件は二つ。
メトリさん曰く、七歌を名乗って生きることは、七歌家からの刺客を呼び寄せることにつながるらしい。
「二つ目は、苗字を捨てること。君はこれから、婚約者である僕から暫定的にとって、兼高レイア、になる」
「なっ、なぁああ……」
「受け入れてくれる?」
レイアは、視線をあっちこっちに巡らせながら、あわあわと手を振った。
「そんな、いや、その、あの……
…………末永く、よろしく、お願いします」
「こちらこそ」
ぴろん、と三度、携帯が鳴った。
『それはズルいのでは、と兼高マナが言っています』