貞操逆転世界で異能と体質で差別され男性の精液を定期注入されないと動けなくなる ”眠り戦姫” たちを性欲にまかせた婚約セックスで救いまくる話 作:ぽぶきち
1-12クラスの女子たちは、変化を感じていた。
まずクラス移動。
1-11と1-13に挟まれる形だった1-12の教室は、その人数の変動から、1-20の隣に位置する大部屋へと変更になった。
兼高ユウキはクラスの女子たちに対し「登校しづらくなるかもしれない」と謝罪したが、むしろ学生玄関からは近いため、そう感じる者はいなかった。
むしろ、1-11の男子である雅楽川レオと交友の深い兼高ユウキが、この教室変更でその関係を希薄にするのではないかと心配する者の方が多かった。
そして、新しい転入生。
レイア、という名前の女子。
兼高ユウキの婚約者として転入してきた。
それは初めてではない。
山田アジサは元1-10の女子だったが決闘後の婚約を経て1-12に転入した。
山田ミコはそもそも病院で
問題は、名前だ。
「えっと、よろしくお願いします。兼高、レイアです……!」
レイアは自らを「兼高レイア」と名乗った。
兼高ユウキから、苗字をもらっていたのだ。
これは、
男子が、ともに過ごし、十分に心を許した伴侶に苗字を与え完全な家族となるもの。
男性と苗字と同じくする夫帯者達は、その団結が通常の何十倍にもなるとまで言われている。
多くの女性にとってどんな勲章を受けるよりも価値のあるものだ。
クラスメイトたちは、初め、兼高レイアを「兼高ユウキの妹なのではないか」と勘ぐった。
しかし、それでは同学年なのも、いま転入してきたことも、婚約していることも辻褄が合わない。
やはり、レイアは兼高ユウキから苗字を賜ったのだ。そう結論づけることになった。
──兼高ユウキは、婚約者に苗字を与える。
この事実が、クラス内の兼高ユウキに対する憧れをさらに上げた。
なかには、見初められるために異能訓練にこれまで以上に打ち込むものもいた。
だが多くのものは、兼高ユウキが異能や能力で婚約者を選んでいないことに気づきつつある。
女子たちは、常日頃から、兼高ユウキとその周囲の婚約者たちの睦まじい姿を目にしていた。
警護官の川良メグに膝枕したり、
山田ミコのほっぺをもちもちしたり、
最近であれば、正妻である山田アジサと授業中にアイコンタクトをとっているのを担当教師に見咎められていた。
少し前まで、「山田アジサに組み付かれて苦笑する兼高ユウキのチェキ」が1枚10万で取引されていたほどだ。
驚くべきことに、クラス外からの注文も多かった。
同学年の他クラスの者たちは、兼高ユウキについて伝聞でしか知らない。
しかし、部活や合同授業などでしきりに自慢してくる1-12の女子に興味を惹かれ、その日常を覗きたくなったようだ。
夏を前にして、クラスメイト達は変動する環境に目まぐるしいものを感じていた。
さらに、ここで朗報があがった。
クラスの委員長を務めている楠木ハナサトが、兼高ユウキと婚約を結んだのだ。
楠木ハナサト、いや委員長は、兼高ユウキと席が隣であるという幸運から、もっとも兼高ユウキの婚約者に近い先住クラスメイトだった。
まだ他の婚約者ほど遠慮なく兼高ユウキにスキンシップを図ることはないが、昼休み、こっそりと兼高ユウキの肩に頭を置いている姿が確認されている。
その際、委員長の頭部は兼高ユウキによってその膝下へと誘導され、いわゆる膝枕をされていた。
婚約者になれば、兼高ユウキの膝枕を受けることができる。
そんな合意がクラス間で共有された。
委員長を膝枕した兼高ユウキは、そのメガネを外すと、前髪を少し上げるように委員長の頭を撫でた。
その光景を激写したものが、「ピエタ:慈愛の男神」として学内チェキ注文人気ランキングのトップに躍り出ることになった。
だがそれは、その次の瞬間に撮影された、「ミ° -委員長のメガネをかける悪戯な笑みをした1-12男子殿下のご尊顔について-」によって一週間後その首位を奪われることになる。
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「ユウキ、それ禁止にするから」
アジサから、メガネをかけるのは禁止だと言われてしまった。
僕から
「その、でも、今夜はつけていいわよ。私の日だし……」
アジサは耳元でそう囁いてきた。
つけていいというよりは、つけてほしいという要望に聞こえる。
委員長のメガネを借りパクするわけにはいかないので、ご所望とあらば帰りにメガネ専門店に寄ろうかとも思う。
視力は落ちていないので、実用性でいえばほとんど掛ける意味はないが。
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放課後、レイアに学校を案内する。
廊下を歩いていると、見覚えのある人物を見つけた。
委員長だ。
まだ僕の寮に移動することにはなっていないから、帰路は別々。
その委員長に話しかけている誰かがいる。
知った顔。
亜欧堂ノゾムだ。
レイアの体が硬直するのがわかった。
「委員長、亜欧堂君と知り合い?」
声を掛けると、委員長は振り返って僕にすがりついた。
怯えている、というほどではないが、なんらかの畏怖のようなものを亜欧堂君に感じている。
「済まないな、とても好みの女性だったから婚約者にならないかと勧誘していた」
「……本当?」
「大嘘だ。誰が好き好んで
「君はそうだよね」
僕と亜欧堂君の視線がぶつかる。
剣呑な目線が、僕の首元をスライドして、レイアに移った。
「ずいぶんエコなんだな。リサイクルか?」
あてつけにそう言ってくる。
僕はレイアの頭を撫でながら、言葉を選んだ。
「紹介するよ。兼高レイア、僕の婚約者だ」
「ふむ、そうか」
亜欧堂君は、自らの隣にいる女子を突き飛ばすように押し出した。
「こちらも紹介しよう。この前婚約して、1-3に転入になった
女子の一人がこちらに頭を下げる。
僕は横目でレイアを見た。
たぶん、この女子とレイアは初対面じゃない。
「初めまして、ユウキ様、────そしてレイアさん」
「ッ……」
「小柄な方ですね。随分ご身体もお軽いことでしょう」
なんらかの皮肉をぶつけているのはわかった。
「よろしくマツリカさん。レイアについては
「…………えぇ、そうですね」
「あと、僕ともよろしくね」
「……もちろんです」
ゆうゆうと立ち去る亜欧堂君とマツリカさんを見送って、僕は委員長に声をかけた。
「なんて言われたの?」
「婚約者候補になれと言われました……ですが、既に私はユウキさんの婚約者なので……」
もしかして本当に委員長が好みだったのだろうか。
いや、亜欧堂君が
「たぶん、諜報です。私から、ユウキさんの情報を聞き出そうとしたのかも」
「ああ、そうか」
ならば言っておくべきだっただろうか。
僕の周囲の人間に望まない婚約を持ちかけたら、その人を賭けて問答無用で決闘を申し込むと。
やはり僕は戦闘狂のきらいがあるのだろうか?
そうなって実際に戦うのは僕ではなく婚約者たちなのだから、身の振り方はもっと慎重に考えないといけないかもしれない。
「委員長」
「はい」
僕は委員長を、名前で呼ばない。
本人が恥ずかしいらしい。
ハナサトと呼ぶのはえっちするときだけ。
メトリと目を合わせるときと同じ条件だ。
「婚約者ってやっぱり見分けられないものなのかな?」
「男性によっては、すぐに婚約を解消することもあるので……そういったものは今は聞きませんね」
「昔はあったの?」
「婚約指輪などが流行った時代もあったようです」
その言葉で思い至る。
僕はいまだ、婚約を結んでおきながら指輪を用意していない。
なぜ今まで思いつかなかったのだろう。
前世では、薄給だったから結婚指輪だけだったが、それでも一度でもそういう話を聞いていれば思いつきそうなものだ。
「なるほど、ちょっと考えてみるよ」
「考える……なにをですか?」
「婚約指輪。用意するね。サプライズにしたいから、他の人には内緒だよ」
僕は委員長の手を取って、その薬指をつまむように触れた。
あわあわとしている委員長に苦笑しつつ、覚えさせるようにその指に僕の人差し指を絡めた。
あまり学園での立ち回りなんて考えてはいなかったけど、僕の婚約者を奪われるのは、もうごめんだ。
悪い虫がつかないようにしなければならない。