※この作品はR-18です。

貞操逆転世界で異能と体質で差別され男性の精液を定期注入されないと動けなくなる ”眠り戦姫” たちを性欲にまかせた婚約セックスで救いまくる話   作:ぽぶきち

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第三十九話 病院と襲撃①

 なんとかなった。

 

 初めての3Pだったので一時期は保つか不安だったが、メトリの異能と快楽耐性のなさと、呉井さんの発情状態が相まって乗り越えることが出来た。

 

 息を切らしてベッドに倒れる二人は無論全裸だ。

 

 疲れ果てたのか、二人とも寝息をたてて眠った。

 

 僕は、側に夏用のスーツとともに置かれていた指輪を取る。

 メトリのものだ。

 それを、眠っているメトリの薬指に嵌める。

 

 正直僕も眠い。

 緊張したのだ。

 告白するのは。

 

 これをあと何回か繰り返さないといけないが、僕の心は持つのだろうか。

 

 寝転ぶ。

 僕はメトリと呉井さんの二人に両側から挟まれるようにして仰向けになっていた。

 

 いつもなら、寝顔を見ながら横寝するのだが、今回はどちらに向けば良いのかわからない。

 

 とりあえず二人の手元にそれぞれ手を伸ばすと、瞬時に絡め取られてしまった。

 

 眠っている呉井さんに人差し指を吸われながら、

 眠っているメトリに手の甲にキスをされながら、

 

 僕は睡魔に意識を預けた。

 

 

 ---

 

 

 どうやら、僕は久しぶりに長時間眠ってしまったらしい。

 

 僕が起きたとき、目の前にはメトリの顔があった。

 

 メトリが起きた際に、薬指に嵌っている婚約指輪を見て発情してしまったらしい。

 

 ゆさゆさと揺れるメトリの女体に数発搾り取られる。

 

 絶頂の余韻に浸ったメトリが、倒れ込んだ。

 抱きとめると、肩に腕を回される。

 

「ふ、ふへ……♡♡」

 

 メトリが僕の肩越しに、自分の左手の指輪を眺めていた。

 

 猫のように僕の首元に頬ずりするのは、いつもは見れない姿だ。

 

 その後、

 シャワーを浴びて、

 部屋で朝食を摂ることになった。

 簡単に栄養を摂取できる携帯食料だ。

 

 時刻を見ると朝の10時。

 既に他のみんなは察して朝食を終えたようだ。

 

「皆にコレを渡すのはまだやめたほうが良いでしょう」

 

 呉井さんが、手元の指輪を部屋の灯りに煌めかせる。

 

「私たちのように理性的に収まる可能性は低いです」

「……理性的?」

「はい」

「そっか」

 

 どうやら昨日の乱入3Pは理性的な行為に分類されるらしい。

 あんな呉井さんを見るのは久しぶりだった。

 

「一人につき三日は時間を取られてもおかしくありません。特に学生は勉学などに支障が出るかと」

「確かに」

「夏休みを待つのが良いでしょう」

 

 メトリも頷いていた。

 どこか、別の感情が見える。

 もしかしてより長く優越感に浸りたいとか考えているのだろうか。

 

「それまでは我々も指輪をつけません。ですよね、桐一葉」

「……ああ、もちろん」

「桐一葉」

「……ちくしょぅ、わかったよ。我慢する」

 

 僕はメトリの左手をとって、いつか委員長にしたように、薬指を指の輪で包むように握った。

 

「じゃあ、これで思い出せるようにしよう。僕と呉井さんとメトリだけに伝わる、婚約指輪を渡したっていう証明の暗号」

 

 学校でこういう風に指を絡めて、互いだけに伝わる意図をかわす。

 どうだろうか。

 

「なぁ、呉井マナ」

「ダメです」

「ユウキ様と、もう一時間だけ」

「ダメです。今日は予定があります」

「だってこれもう誘ってるだろ!」

 

 叫ぶメトリを、呉井さんが取り押さえる。

 その口に携帯食料を詰めて黙らせていた。

 

 この携帯食料は美味しい。

 男性向けに作られたもので、それなりに高級だからだ。

 

 昔は僕だけが食べていて、呉井さんは自分用に何等か落とした携帯食料を持っていた。

 しかし、行為のあと、僕が自分だけ良いものを食べるのに我慢できず分け合おうとしたのだ。

 それでも固辞されたから、呉井さんに口移しで与えた。レイアにしたように。

 

 学校に行かなくてもいい生活。

 水と携帯食料を口移しで分け合って、

 お風呂に一緒に入って、

 一緒に寝て。

 

 そんなだったからエッチなことをする永久機関が出来てしまい、中学時代、僕と呉井さんのタガは外れたのだ。

 

 一時期は、服を着ていない時間が長すぎて呉井さんがネクタイの結び方を忘れてしまっていたので、僕が結んでいた。

 

 部屋の洗面台から、歯ブラシと歯磨き粉を取り出す。

 

 そして呉井さんの頭を膝に乗せた。

 

「ユウキ様、呉井マナに……何しているんですか?」

「ああ、これ、歯磨き」

「歯磨き……?」

 

 完全に全身から力が抜けた呉井さんの、その歯を、歯ブラシでしゃこしゃこと丁寧に磨いていく。

 呉井さんの歯の形は自分のものよりも知っているから、難なくこなせるし、むしろ自分の歯を磨くよりもやりやすい。

 

「呉井マナ、お前、自分が……自分がどれだけ贅沢なことをしているか…………わかっているのか……?」

「んふんふぅ……」

「喋っちゃだめだよマナ」

 

 担当日の朝は毎日こうしている。

 思えば、これを誰かに見せるのは初めてだ。

 

 あんまり見られたくないかもしれないと思ったが、いまの呉井さんは特段気にした様子もない。

 

「私たちは……こんな腑抜け女を目指して……訓練を…………」

 

 何やらどんよりとした顔でメトリが静かにうずくまった。

 お腹が痛いのだろうか。

 携帯食料が合わなかったのかも知れない。

 

 

 ---

 

 

 車窓が、懐かしい景色を伝える。

 

 今日は、クタシに会う日だ。

 

「笠屋舟クタシは、警護官にする予定なのですか?」

「まだわからないんだ。きっと本人は断ると思う」

 

 運転席の呉井さんの問いに答える。

 

 車に乗っているのは、僕、呉井さん、メグ、アジサだ。

 少し遠いから、他の婚約者たちはいない。

 ミコは入学したときの遅れを取り戻すために勉強しているし、委員長はそれにつきあっている。

 メトリはレイアを鍛えている。ライカは……たぶんそれを応援しているのではないだろうか。

 

「クタシの火傷が治りそうで良かった」

「移った病院では、じきに治癒系の眠り戦姫(ソメイユ)が治療に来るそうです」

 

 週に一度クタシに会っていた。

 しかし今回、経過が良好ということもあって、本格的に傷を完治させるため、ヒノモト最先端の病院に移動となった。

 

 国立府中医療研究センター。

 

 僕が学園に来る前に間接源液提供を行っていた場所だ。

 

 クタシは僕が払う入院費や治療費などを考えて転院はやめてくれと言ってきたが、いつものように襲って"説得"したら受け入れてくれた。

 でもその日は行為が終わった後も2時間くらい離してくれなかった。

 

「治癒系の眠り戦姫(ソメイユ)、確かメグが言ってたよね」

「あ、はい! ライカの治療をしてくれた人と、たぶん同じです!」

「そっか。いつかお礼を言えるといいな」

 

 アジサが驚いた顔をする。

 どうやら、治癒力の高いライカが治療を必要とする事態に陥っていたことが不思議なようだった。

 

 そういうのは僕からは話せないから、とりあえず手を握っておく。

 

 アジサも病院に用がある。

 病院は研究層と医療層に分かれており、医療層は地下であればあるほど高機能な設備が使えるようになる。

 逆を言えば表層はかなり一般市民にも門戸を開いているのだ。

 エントランスにて、アジサは母と会う約束をしているらしい。

 

 定期的に顔を見せたほうがアジサの母も安心するだろう。

 

 少なくとも、出会った当初のような不安そうな顔はしなくなっているようだ。

 

 今回こそミコは来ていないが、母子関係が悪いというわけではないらしい。

 成績が落ち着いたらきっと会える。

 

「それにしても、スゴイね。異能による治療もするような病院なんだ」

「ヒノモトでも最先端の場所ですから」

 

 異能は使いようによっては戦争以外にも利用できる。治癒系はその筆頭だ。

 

 いくら被差別的な扱いを受けていたとしても、そういった異能の持ち主はある程度は優遇されているのだろう。

 

 

 ---

 

 

 清潔感のある医院の一階。

 

 アジサが母を見つけて駆け寄る。

 よく似た桃色の髪をしたアジサの母は、少し優しげに目を細めながらも、

 

「こら、男子様に失礼でしょ」

 

 と走ってくるアジサを叱っていた。

 

「いいんです。お義母さん。ご無沙汰してます」

「本当に、娘たちが、お世話になって……。なにかご迷惑をおかけしてはいませんか……?」

「いえ、二人とも、最高の婚約者です」

 

 こういうとき、「僕にはもったいない」という表現をして一度「必要ない」という意味で捉えられてしまったことがあったので、誤解を与えないように直截に告げた。

 

「ユウキは他の男子とは違うのよ。ほら」

 

 アジサが僕の唇に軽くキスをする。

 驚いたが、どうやらアジサも少し恥ずかしく頬を染めていた。

 

 もしかしたら、母をちゃんと安心させたいのかも知れない。

 

 離れたアジサの唇を追って、僕の方からもキスをする。

 

 そのまま、二人で見つめ合った。

 

「まぁ…………」

 

 アジサの母は、真っ赤な顔で僕たちを見ていた。

 だが、ネガティブな反応ではないようなので、これでよかったのだろう。

 

「ありがと……」

 

 礼を言われるとまるで僕が頼まれてやったように聞こえる。

 そうではないことを示すために、アジサの頬に手を添えて、頭を撫でて軽く抱きしめた。

 

 視線が集まっているのを感じる。

 

 見渡すと、大勢が僕たちの方を見ていた。

 少し羽目を外しすぎたかも知れない。

 

 そのなかで、なんとなく見知った顔を見つける。

 

 エスカレーターの上を見上げると、知っている人物がいた。

 

「…………」

 

 その人物は、府中学園の制服の女子とともに僕たちを見下ろしている。

 

 亜欧堂(あおうどう)ノゾムだ。

 

 なんで彼がここにいるのだろう。

 

 

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