貞操逆転世界で異能と体質で差別され男性の精液を定期注入されないと動けなくなる ”眠り戦姫” たちを性欲にまかせた婚約セックスで救いまくる話 作:ぽぶきち
「兼高様。直々にお越しいただけるとは、誠に恐悦至極で……」
女性が揉み手をしながら謝辞を述べている。
現在、僕は宝石店を訪れていた。
婚約指輪の取り寄せを依頼したお店だ。
以前は婚約者たちにバレないようにリモートで取引を行っていたが、今回は実際にお店の本部へと訪れていた。
都心の背の高いビルを一つ丸々借りたその本店は、だというのにそれらすべてを僕のもてなしのために通常業務状態から歓待用へと変えている。
病院を訪れたときにも思ったが、このような大掛かりな歓迎をされるとむずがゆくなってしまう。
そのむずがゆさが、僕は昨日ライカを抱きしめてなんとか我慢した性欲が爆発するのを抑えていた。
今日、僕の警護についているのは、メトリだ。
婚約指輪を渡したのは、呉井さん、メトリ、クタシ。作っているのを知っている人物で言えばここにさらに委員長が加わる。
「して、今回はどのような要件で」
じり、と雰囲気が変わるのがわかった。
なんというか、どこか警戒されている感じがする。
男性がわざわざ来たということは、とんでもない要求をされるのではないだろか。
そういった不安があるのかもしれない。
聞くところによると、男性は情報制限の影響もあってか、世間知らずがそれなりに多い。
だからできることとできないことの判別がつかず、できないことに憤慨して小さな会社一つを潰すなんてこともあるらしい。
そんなこと絶対にしないのだが、彼女たちにとって僕はまだ男性の一人でしかないのだから、この警戒もやむなしといえるだろう。
「えっと、僕の分の指輪を作ってもらいたいんです」
「……兼高様の指輪を?」
若干意味を測りかねたような顔をする女性。
僕は自分の手を掲げる。
「婚約者たちに作ったものと同じものを僕もつけようと思っていて」
みな同じタイプの指輪で揃えるのなら、僕も指輪をつけて婚約関係を強く示したほうがいいと思ったのだ。
この世界では、男性が婚約指輪をつけたとしても、それが女性関係に影響することはほとんどない。
男性一人につき100人の婚約者というとんでもない一夫多妻制が義務として発生しているので、指輪をつけたとしても「既婚者」という意味は強まらないのだ。
「わかりました。早急に用意します」
「8月に間に合えば問題ありませんよ?」
「なるほど。ですが兼高様専用の特別対策部門を設立したので、直ぐにでもご用意が可能だと思います」
僕専用の、特別対策部門?
怖い。
いったい何を対価にさせられるのか。
一応、僕が指輪をつくってもらったということは、全員に婚約指輪を渡してから周知する予定だが、そのためにそこまでするのだろうか。
やり手の女性といった風の目の前のビジネスウーマンが、ふっ、と微笑んだ。
だがその目は僕の首とか胸元とか股間とかにちらちらと向けられている。
メトリが若干警戒していた。
この世界には前世基準での美人ばかりだから、例え初対面であってもそういう目線を向けられるのは少しドキドキしてしまう。
僕がこの世界における普通の男性だったなら嫌悪していたかも知れないが、あいにく禁欲一日目の繁殖適齢期な男子高校生の僕には興奮材料にしかならなかった。
「あと、もう一つ、指輪を」
「なんでしょう?」
「他の婚約者と同じオプションで、
銘は────」
僕は、ポケットから、メモしてきた紙を取り出した。
スペルが書かれていることを確認した。
「ルティエ、カネタカで。」
---
呉井マナは、兼高ユウキと別れ、
こういった専門の店は、少ない。
だが、戦というのはやはり金が動くものだ。
探せば、そういった商いを行うものも存在する。
「ご要望は?」
「こちらを」
呉井マナは、武器商人の目の前に、ゴトリと布に包まれた重い金属のようなものを置いた。
「見ても?」
「ええ」
武器商人が、布を脱がして、その
それは刀だ。
鞘に収められた刀を、目配せで許可を得た後にすらりと半ばまで引き抜く。
錆の一つない、刃。
「こりゃぁ……驚きやした」
女の武器商人は、目を丸くしていた。
「12の最上大業物の一つ、三本杉の孫六。
ですが、後代ですな?」
「そのようです」
カウンターのライトに波紋を反射させ、ついた傷を確かめる。
「一瞬、ほんの一瞬だけ、顕現させるタイプの異能の産物かと思いやした。が、ちゃんとこの刀には営みがある」
刀には、歴戦の傷が残っていた。
だが、そのほとんどが物語るのは勝利までのいきさつ。
この刀の持ち主の推測される腕前に、武器商人は鳥肌の立つ感覚を覚えた。
刀身すべてを、引き抜く。
鞘の木材の擦れる音のあとに、カォン、と抜き身の刃が外気に鳴った。
「長らくの間、異能を込めて使われ続けてきた……。
使い込まれて持ち手が異様にすり減っている。
だというのに芯の歪みは一切無し。
前の持ち主は、右利きであり、左利きでもあった……」
武器商人は、恐れまでも抱いていた。
「いぶし銀の菊透かしの鍔。同じく銀の柄尻、巾木。木目の残る赤鞘。
きっとこれは元はどこかに展示されていた見世物だった。
それを強引に連れて、戦地へと赴いた……。
なんと、冥加な……」
振りたい、と思ってしまった。
武器商人が、その刀の柄を、初めて両手で握る。
そのとき、わかった。
足りない。
自分の力量では、この刀を握り込めない。
ふっ、と息をついて武器商人は笑う。
「どこで手に入れたとは聞きませんが、
こいつの研ぎをすりゃぁいいんですかい?」
「はい。それと、拵えも一新してください。
私の手の大きさに合うように。スーツに合うようすべて黒で。鞘は漆ではなく反射を少なくした艶消し。また、帯刀のためのベルトも用意してください」
武器商人は、顎に手を当てた。
そして、ビジネススマイルを浮かべて問う。
「それに応えられるかは、つまるところ銭によりけりってところなんですが」
「問題ありません」
呉井マナは、バッグから札束を取り出した。
予想の数十倍もの金銭を出され、武器商人は目を白黒させる。
収入の殆どは傾眠性の解消に当てられる。
そのため、厚みが出るほどの札束を持っていること自体がおかしいのだ。
「なっ、なんですかい、こいつは」
「私の主から、自由に使っていいと言われています。これ全額分だけの依頼ということで、どうでしょう」
「…………言っちゃ悪いですが、
何か、自分を騙そうとしているのではないか。
武器商人はそう考えた。
もし偽札などで仕事をしたとなれば、自分の信頼が地に落ちる。
この業界でもっとも重要なのは、腕ではなく信頼であることを、武器商人は若い頃に散々思い知っていた。
「これは私が……」
「…………」
「私が……愛されているから、だと、
思い、
……うん。思います……」
武器商人は、顎関節に痛みを覚えた。
顎が外れそうなほど口を開いて、驚愕していた。
さきほどまで歴戦の勇士だとおもっていた
呉井マナが思いを馳せているその誰かに、武器商人は少しだけ想像を巡らせ、
ちょっとだけ濡れた。
「愛されているなら、かくあれかし、ですね」
「ええ……」
「ですが全額はさすがに多すぎやす。そこまでの成果を保証できるほど傲ってはいません。全力はつくしやすが、それとこれとは別です。なのでアフターサービスやメンテナンス代まで含めて、半分。」
少しばかりの羨望を抱えながら、武器商人は、刀を鞘に丁寧に戻した。
「仕事は、護衛で?」
「はい」
「であるなら、邪魔にならないように帯刀ベルトは佩環を利用して縦と横に佩刀方法を切り替えられるものが良いでしょう」
自分が頼れる伝手から入手経路を逆算しながら、武器商人は注文内容を固めていく。
それに呉井マナは少しだけ修正を挟んだ。
「帯刀ベルトは、外れにくく、そして脱ぎやすくしてください」
「なぜです……?」
「脱ぎやすくするためです」
「ですから、それはなぜです……?」
「………………。」
「え、私、なんかまずいこと聞きやしたか?」