貞操逆転世界で異能と体質で差別され男性の精液を定期注入されないと動けなくなる ”眠り戦姫” たちを性欲にまかせた婚約セックスで救いまくる話 作:ぽぶきち
この学園は
だから、戦闘訓練のようなものも当然存在している。
「これより、1-12と1-10合同の模擬戦闘訓練を行う。各自、木刀は持ったか?」
叩かれたら痛そうな木刀を携えた、女子40人が運動場に集合していた。
1-10との合同だ。高柳君は1-11だからクラスは異なる。
前々から運動場が広いことは知っていたが、いざ来てみるとその規模感に圧倒される。
とにかく、広いのだ。
大型ハブ空港並みの広さがある。
「ま、こんなもの基本的に武器にはならん。我々は戦闘の際の武具を総じて『サブウェポン』と呼ぶが、それは自らのもつ異能こそがメインウェポンだからだ。よく心得ておけ」
1-10の男子は来ていない。
やはりこういった授業を受ける男子は少数派なのだろうか。
もちろん僕も参加は許されていないので見学である。
ベンチに座る僕の両脇に呉井さんとメグの二人が仁王のように立って周囲を威圧しているので、なんだか物々しい。
阿形像と吽形像みたいだ。
「それぞれ二人一組をつくって、好きに模擬戦闘を始めろ。異能はそれぞれで最適な使い方が違うから、一方的に全員を指南することはできん。ほら、さっさとやれ」
体育教師が手元にもった竹刀をばちんと叩くと、全員が少し迷いながら組み始めた。
いきなり異能を使って戦えと言われても抵抗があるだろう。
委員長を見ると、すでに声をかけられて向かい合っていた。
彼女の周りに砂嵐が舞う。
砂の能力?
いや、グラウンドから砂を巻き上げているだけで、本質は風を操る異能だろうか。
委員長もかなりの武闘派なのかもしれない。
体育教師が、生徒の1人と組んでいるのが見える。
異能は使っていないが、その生徒を圧倒している。
あれ?
40人なのになんで生徒が余ってるんだ。
探して、僕は、自分以外にもベンチに座っている女子がいるのを見つけた。
すっと立ち上がって、彼女に近づく。
黒服二人を引き連れた僕に、少しだけ彼女がぎょっとしたので申し訳なく思う。
「ごめんね、ちょっと寂しくて。隣いいかな?」
「別に、い、いいわよ……です」
「敬語はいらないよ。君は1-10の子だよね?」
「……そうね。」
会話が終わった。
ちょっとだけ気まずい。
一人が好きなタイプだったのだろうか。
少し物憂げに見えたから話しかけたが、余計なお世話だったのかもしれない。
「あなたは……何が目的で、この授業に参加してるの?」
唐突に質問を投げかけられる。
目的、といわれても、そこまで考えているわけではない。
「生徒だから、授業に参加するのは普通じゃない?」
「でも、別に、例えば向こうからでも見学はできるわ」
そういって彼女は校舎を指差す。
ふと見ると、誰かが向こうからこちらを見ている。
目が悪いからよく見えないが、男子か?
「でも、やっぱり近くで見たほうが、なんとなく良い気がして」
「……そう。…………私、山田アジサ」
「よろしく山田さん。僕は兼高ユウキ」
なんだか、探られているかのような感覚を覚える。
というより、疑われている?
「……聞かないの?」
「何を?」
「私が、見学してる理由……」
ぎゅっと膝のうえで手を握って、彼女は吐き出すように言った。
女子が体育を見学している理由を真正面から尋ねられる男子がいたら、相当な朴念仁か、ノンデリマンであると思われる。
「なにか、特別な理由があるの?」
「私、
「ああ、なるほど」
ほとんどの
その後、契約を結んでこの学園、もしくは他の
「じゃあ──」
「あなたは、ゲームは好き?」
遮るように聞かれた。
話の流れが読めない。
が、何か意図があるのだろうと思う。
「うーん。ゲームってビデオゲームとか?」
「賭け事はしないの?」
「付き合いでしたことはあるかも」
「……どういう付き合いよ、それ」
もじもじと膝の上に視線をさまよわせたあと、彼女、山田アジサはゆらりと立ち上がった。
「兼高ユウキ、私と、賭けをしない?」
賭け?
違法賭博とか、そういう?
「合法なら」
「そういうのじゃなくて、私とそこの警護官を戦わせて、私が勝ったら……源液提供の権利をちょうだい」
僕をかばうように、メグが前に出る。
「勝てないですよ。それに、ユウキ様に失礼です」
「やってみないとわからないでしょ」
僕に、そっと呉井さんが近づき、そっと耳元で囁いた。
「私が相手をするのがもっとも得策かと。こういうタイプはしつこいですから」
「勝てるってこと、だよね」
「ご心配なさらず」
「でも、先生が許さないんじゃない? いま授業中だし」
「あの教師は私の力に興味があるようなので、止めはしないと思われます」
みると、体育教師は、遠くからじっとこちらを見ていた。
口パクで「いいですか?」と問うと、なぜか少し赤面したあとに、軽く頷いた。
生徒を片手で吹き飛ばしながらである。
彼女と僕の会話を聞いていたわけではないだろうから事の経緯を知っているのか疑問だが、もしかすると聴力が強化される特性とかを持っているのかもしれないと一人納得した。
「じゃあ、お願いしてもいい?」
「承りました」
「呉井さんが勝ったら、呉井さんの言うことをなんでも一つ聞くね」
「……………………屠殺してまいります」
メグの肩をひいて、呉井さんが山田さんに向き直る。
二人は一言二言話して、グラウンドの隅の開けた場所に向かった。
僕も近くに行きたいが、メグに制止される。
「呉井さんってどれくらい強いの?」
「少なくとも、私よりは強いです」
「僕はメグと呉井さんしか知らないから、基準がわからないや」
「なら────」
メグが山田さんを見て言った。
「せめて、彼女に失望しないであげてください」
温度が下がった。
山田さんが、常人には出せない速度で呉井さんに接近────────しようとして、止まった。
彼女の首元に、鋭利な氷が、差し向けられていた。
地表から突き出たそれは、地面の氷結を辿れば、呉井さんの足元に行き着く。
「終わりですね」
呉井さんがそう言ったのが、口の動きでわかった。
だが、山田さんは降参しなかった。
恐怖を抑え、意を決して踏み込む。
首元に氷の刃が食い込み、そして、崩れた。
彼女の肌に触れた氷が、溶ける。
そのまま、呉井さんに掴みかかろうとするが、呉井さんは手元に氷の剣を顕現させ、彼女を横合いに、斬った。
驚いた。
呉井さんがここまでやるとは思っていなかった。
少なからず手加減すると思っていたからだ。
いや、もしかしたら手加減はしているのかもしれない。
斬られた彼女が腹部をおさえる。
だが、その隙を呉井さんはつかない。
手元の氷の剣が、でろりと溶け始めていた。
山田さんに出血した様子はない。
服は切られているが、肌が受けたダメージは打撲程度のようだった。
「私と同じ、熱操作系の異能? いやでも……」
メグが顎に手を当てて考えている。
確かに溶けたように見えるから、氷を炎で溶かしたのかもしれない。
が、だとしたら服も燃えているはずだ。
彼女の衣服の損傷は、呉井さんに斬られた部分だけ。
山田さんが、再度掴みかからんとする。
迫る氷結を踏み抜き、溶かして、進む。
呉井さんは一度だけ目を閉じ、そしてもう一度、手元に剣を作り出す。
でもそれはさきほどの氷の剣とは違った。
紫色の氷、といえばいいだろうか。
日光に閃くアメジストのような色合いの剣を出す。
そして、そのまま呉井さんは突進する彼女を避けた。
避けた、と思っていた。
振り返った山田さんの袖が切れる。
ズボンが切れ、腹部も切れた。
「決まったみたいですね」
メグが、もういいでしょうと僕の手を取る。
グラウンドに近づくと、山田さんはまだ動こうとしていた。
だが、体に力が入らないようで、立ち上がろうとしてはそのまま脱力して地に伏せるというのを繰り返している。
「警護官を倒せば、警護官に成り代われると思いましたか?
ユウキ様が、強さで
呉井さんが、淡々と山田さんに告げた。
その手元の剣は、いまだに健在だ。
「う、ぅぅ……」
山田さんが、這いずるように呉井さんに近づく。
さすがに、かわいそうだ。
「もういいんだよ」
僕は、止めようとするメグをいなして、彼女に近づいた。
裂傷はないようだ。
衝撃が残っていて、立ち上がれないということだろうか。
やはり呉井さんは手加減してくれていたのだ。
だが、少々彼女の格好が目に毒だった。
衣服が切られているため、その白い肌が露わになっている。
ジャージを脱いで、彼女にかけた。
意外と外は寒い。
だから、ジッパーを襟元まであげて、防寒できるようにきちっと着せた。
山田さんは、僕の体操服の首元から胸部をガン見していた。
意外とむっつりさんなのかもしれない。
だが僕が反対の立場だったら絶対にやる上に、女性からそういう目で見られて悪い気はしないので、気付かないふりをしておく。
「さぁーて山田、授業内での課程にない戦闘。こりゃ補習だな?」
いつのまにか近づいてきていた体育教師が、彼女の襟を掴んだ。
それは僕のジャージの襟だ。伸びてしまう。
山田さんがジャージを奪われたくないかのように服の前をかき掴んでいた。
どこか愉快そうな体育教師が、呉井さんに目を向ける。
「憲兵隊の呉井マナだな。会えて光栄だ」
「元、です。いまは警護官です」
「噂では無言無表情の冷血漢ときいていたが、そうは見えないな」
「……」
「貴方の与えた恐怖は、貴方がいなくなっても最前線に残っていた。隊律に逆らえば
呉井さんは、ひらりと翻った。
「ユウキ様、戻りましょう」
「ああ……うん、そうだね」
手元から氷の剣を消失させて、呉井さんはいつものように僕の側についた。
どこか浮かない顔をしている。
やはり、過去を探られるのは嫌なのだろうか。
憲兵隊。
よくわからないが、徴兵制度における隊の一つであることはなんとなく察せる。
メグが特別遊撃隊?というのに所属していたらしいから、それと並列的な組織なのかもしれない。
「斬れませんでした」
「……?」
呉井さんのぽつりと呟いた言葉に、僕とメグが首を傾げた。
「最後、重傷を承知で斬ったつもりでした。異能を強く込めた剣を使って。ですが、結局衝撃で内臓を揺らしての勝利。剣は溶けていませんでしたが、刃が、潰れていました」
もしかして、山田さんって相当強いのか?
強い人と強い人に囲まれてそれに勝負を挑む強い人という構図だから、パワーバランスが判然としない。
「私は、弱くなっているのでしょうか」
「呉井さん」
「はい……」
「ご褒美なにがいい?」
ピン、と彼女の背筋が伸びる。
若干動揺しているのが伝わってきた。
「その、言えないです、ここでは……」
「え……」
「あの、その、ベッドの上で……」
その期待する眼差しをみて、今日は呉井さんと過ごす日だったなと思い出した。