※この作品はR-18です。

強化人間がSEEDの世界で活躍します   作:ナラティブ

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10話オリジナル編

「遅れて、本当に申し訳ありませんっ……!!」

息を切らしながらモユラン島の大会議室の扉を開けた瞬間、部屋中の視線が一斉に私へと突き刺さった。

中でも、プラント側代表として最前列に座っていたイザークの鋭い眼光は、背後に『ゴゴゴゴ……!』と幻の擬音が見えるほどの凄まじい威圧感を放っていた。

「……貴様、他国との合同会議という重要な場に遅刻するとは、どういう神経をしている? コンパスの規律はどうなっているんだ!」

イザークの怒号が飛ぶ中、上座に座るペントコスト司令が、呆れたような、しかしどこか同情するような目で私を見た。

「リン、なぜ遅刻した。理由を述べよ」

「は、はい! 昨日、司令から三日間の特別休暇をいただいたことで完全に気を抜いてしまい、昨晩は泥のように爆睡してしまいました! 呼び出しに気づいたのが先ほどで、慌てて飛び起きてきました!!」

私が嘘偽りなく馬鹿正直に答えると、部屋の空気が一瞬ピタッと止まった。

「ぶっ……くくっ、お前、正直すぎるだろ……!」

真っ先に吹き出したのは、昨日の居酒屋での私の様子を知っているムウさんだった。隣に座るアグネスが「はぁ? 信じられない。こんな重要な会議に寝坊で遅刻だなんて」と呆れ顔でため息をつき、シンとルナマリアも「リンらしいというか、なんというか……」と苦笑いしている。

ペントコスト司令は軽く咳払いを一つした。

「……まあ、昨日の今日で急な呼び出しをかけたこちらにも非はある。以後気をつけろ。席に着け」

「はいっ、失礼します!」

私は小さくなりながら、マリュー艦長とアスランの間の空いている席へと滑り込んだ。

シン・アスカ、アスラン、ルナマリア、マリュー艦長、ムウ、アグネスが揃い、会議が本格的に始まった。

「本題に入るぞ」

イザークが手元の端末を操作し、プラント周辺宙域のホログラムマップを投影する。特定の暗礁宙域のポイントが赤く点滅している。

「単刀直入に言う。ここ最近、プラントの周辺宙域にて、パトロール任務に出ていたザフトの偵察機が立て続けに3機、消息を絶った」

「消息を絶った、ですか……?」

マリュー艦長が険しい表情で問うと、ディアッカが補足した。

「ああ。最初は単なる事故かと思われたが、現場を捜索した結果、機体の残骸は見つかっている。……無惨にも引き裂かれた腕部や、カメラアイが潰された頭部、そして燃料漏れを起こした背部ユニットなど、どれも決定的な破壊の跡が残っていた」

「腕部や頭部に、背部ユニットまで……」

シンが眉をひそめる。

「ああ。しかも、脱出ポッドの反応は一切なしだ。これは事故じゃない。意図的に、それも極めて短時間で解体されたんだ」

アスランが鋭い視線をホログラムに投げる。

「ザフトの機体をそこまで無力化できる組織力……ファンデーションの残党だけではありえないな」

イザークがホログラムに一つの名称を投影した。

「裏のルートから、一つ厄介な情報が入っている。『ユーリカ』という謎の新組織が暗躍し始めている。過激派やブルーコスモスの残党を取り込み、プラント宙域で不穏な動きを見せている連中だ」

「ユーリカ……」

私がその名前を口の中で反芻すると、どこか冷たい響きが背筋を撫でた。

「思想も目的も、まだハッキリとは分かっていない。だが、資源衛星を経由した物資の横流しや、今回の襲撃事件……すべて、このユーリカが糸を引いている可能性が高いと我々は見ている」

イザークの言葉に、コンパスのメンバーたちは互いに顔を見合わせた。

「つまり、コンパスとザフトで共同戦線を張り、そのユーリカの尻尾を掴め、ということですね」

アスランが冷静に状況をまとめると、マリュー艦長が深く頷いた。

「ええ。オーブ側としても、この動きを看過するわけにはいきません。ミレニアムを旗艦とし、直ちに調査部隊を編成して該当宙域へ向かいましょう」

先ほどまでの寝不足の頭は、すっかりクリアになっていた。新しい義足の感触を確かめるように床を軽く踏みしめ、私はテストパイロット兼メカニックとして、これからの作戦会議の行方に真剣に耳を傾け始めた。ペントコスト司令は、重苦しい空気が漂う会議室を見渡し、すぐにザフト側の二人に視線を向けた。

「イザーク、ディアッカ。その『ユーリカ』なる組織について、いつから存在を把握していた? 経緯を報告しろ」

イザークは険しい表情を崩さず、手元のタブレットを操作してデータを表示させた。

「……確認できたのは6か月前だ。プラント本国へ直接的な襲撃を仕掛けてきたモビルスーツ部隊、あれが『ユーリカ』の初期部隊であると特定した。襲撃時、敵モビルスーツは13機。それに対し、我々ザフト守備隊は32機で迎撃したが、その内19機が戦闘不能に追い込まれた。敵の練度と機体性能は、想定を遥かに超えていた」

「32機中、19機もの損失……守備隊の半数以上を落とされたというの!?」

ルナマリアが驚愕の声を上げ、シンも「ザフトの守備隊がそこまで一方的に……」と目を見開く。

ディアッカが腕を組みながら、イザークの言葉を引き継いだ。

「ああ。そこで我々は密偵を潜入させ、そのユーリカが保有する機体構成を割り出させた。報告書によると、敵の主力は地球連合軍の『105ダガー』や『ウィンダム』だ。だが、混在している正体不明の特殊機が極めて厄介でな……。密偵からの報告をそのまま読み上げるぞ」

ディアッカがモニターに、密偵が命懸けで送ってきたという敵の機体リストを投影する。

「1機目、可変機構を持つモビルスーツ『メッサーラ』。3機目『ハイザック』。4機目『ポルサリーノサマーン』。5機目『バイアラン』……残りは先ほど言ったダガーとウィンダムだ」

そのリストを見たアスランが、険しい表情でモニターを凝視した。

「メッサーラ、ハイザック……? 105ダガーやウィンダムはともかく、そんな名前のモビルスーツ、ザフトのデータベースにも連合の記録にも存在しない。一体どこの組織が開発した機体なんだ……?」

「ああ、俺たちにとっても全く聞いたこともない型式だ。外見の画像データもノイズが酷くてな。だが、守備隊を圧倒した戦闘力を持っていることだけは確かだ」

ディアッカが首を振る。

ペントコスト司令が「その報告をした密偵の現在は?」と短く問うと、イザークが苦々しく顔を歪めた。

「……その報告データを送ってきた直後、密偵との通信は途絶した。周囲の状況から見て、既に消されているだろう」

会議室に、冷たい沈黙が流れる。敵は未知の機体を擁し、情報管理も徹底している。

ペントコスト司令は腕を組み、鋭い視線を私へと向けた。

「未知の敵を相手にする以上、こちらの戦力に万全を期さねばならん。――リン!」

「は、はいっ!」

いきなり名前を呼ばれ、私は背筋をピンと伸ばした。

「いつまでも寝ぼけている時間はないぞ。ザフトの守備隊をそれほどまでに圧倒する敵だ。コンパスの各モビルスーツの調整、および無人機グレイズのAI調整を急げ。いつユーリカとの戦闘が始まってもいいよう、直ちに全機を出撃可能状態にするんだ」

「了解しました! すぐにモユランのファクトリーに戻って、シンたちの新型機も含めてコンパス全機の最終調整に入ります!」

私は力強く頷き、新しい義足の感触を確かめるように床を一歩踏みしめた。未知のモビルスーツ部隊が相手なら、こちらの機体は120%の性能を発揮できるように仕上げてみせる。迫り来る新たな戦いに向けて、私の心は整備士としての闘志で引き締まっていた。「急いで、急いで! あっちの予備バッテリーもミレニアムに回して!」

私はモユラン島のファクトリー中を駆け回り、整備員たちに声を枯らして指示を出していた。ペントコスト司令から課せられたコンパス全機の最終調整は、時間との戦いそのものだった。

ザフトの守備隊を壊滅させた謎の機体群――メッサーラやバイアラン、ハイザックにポルサリーノサマーン。正体不明の強敵を迎え撃つために、一秒の遅れも許されない。

「リン! イモータルジャスティス弐式、システムオールグリーンだ! ハンガーへの移送を始めるぞ!」

「こっちのインパルスガンダムSpecIIも終わったわ! リン、お疲れ様!」

シンとルナマリアがコクピットハッチから顔を覗かせ、親指を立てる。

大急ぎで調整を施したイモータルジャスティス弐式とインパルスSpecIIが、滑り込みでようやくミレニアムのMSハンガーへと運び込まれていく。

そして、そのすぐ隣のドックでは、私自身の愛機が静かに駆動音を響かせていた。

「よし……『ストライカーエウレカ』、OSアップデートおよび義足連動思考フレームの調整、これにて完全終了!」

私専用のカスタムモビルスーツ、ストライカーエウレカのコックピットから飛び降り、私は大きく汗を拭った。寝坊した時の私服のまま作業を続けていたけれど、そんな羞恥心はもうどこかへ吹き飛んでいる。自分の機体も、みんなの機体も、これで120%の力を発揮できるはずだ。

「全機、ミレニアムへの艦載完了! 急いで発進準備に入って!」

ファクトリーの警報が鳴り響く中、私たちは急ぎ足でミレニアムへと乗り込んだ。

ミレニアムのブリッジでは、すでに張り詰めた空気が漂っていた。

艦長席に座るコノエ艦長が、凛とした声でテキパキと各セクションへ指示を飛ばしていく。

「全システム始動! 錨を上げろ。ミレニアム、発進する!」

巨大な船体がゆっくりとモユラン島のドックを離れ、オーブの青い海を蹴立てて大空へと、そして宇宙(そら)へと向かって上昇を始める。

「マリュー・ラミアス大佐。大変恐縮ですが、今回も本艦の砲雷撃戦の指揮を執っていただけますか? あなたの経験が必要です」

コノエ艦長が隣の席のマリュー艦長に視線を送ると、マリュー艦長は深く頷き、力強い笑みを浮かべた。

「ええ、喜んで。コノエ艦長、いつでもいけます。火器管制システム、オンライン。ミレニアムの矛、いつでも叩き込めます!」

「頼もしい限りです。……各機、プラント周辺宙域へ向かう。警戒を怠るな」

ブリッジのやり取りを背中で聞きながら、私はシンたちと共に下層のMSデッキへと向かった。

ガタガタと小刻みに揺れるカタパルトデッキ。そこには、シンやルナマリア、アスランやアグネスといったコンパスの精鋭たちが、いつでも出撃できるようスーツに身を包んで待機している。

そしてその奥には、かつて私と共に幾多の戦場を潜り抜けてきた、元ロンド・ベルの頼もしいパイロットたちの姿もあった。彼らは緑色の装甲を鈍く光らせる『ジェガン』の足元に集まり、静かに、しかし確かな闘志を宿した目で、出撃の瞬間を待っている。

「リン、機体の調子は最高だ。ありがとな!」

シンがヘルメットを抱えながら、私に笑いかけてくる。

「うん! みんな、絶対に無事で帰ってきてね。ユーリカがどんな相手だろうと、私たちのモビルスーツ隊なら絶対に負けない!」

ストライカーエウレカ、イモータルジャスティス弐式、インパルス、そしてロンド・ベルのジェガン隊。

新旧の強力な戦力を腹に抱え、ミレニアムは謎の新組織ユーリカが潜む、暗雲立ち込める宇宙へと向かって一気に加速していった。




ストライカーエウレカ
核融合機で第三世代型
バイザーがデカく新型であり、PS装甲を併用して製作されている
バッテリーもつけられており、背部ユニット、レーダーを吸収しており、敵からは見えない状態になり、スラスターの数も30こと、高機動仕様である、
武装一覧
胸部6連装電磁ミサイル
肩部内蔵式3連装ミサイル
腰部レールガン
サイドアーマービームサーベル
背部ビームサーベル
脚部3連装煙幕ミサイル
腕部ビームシールド
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