※この作品はR-18です。

強化人間がSEEDの世界で活躍します   作:ナラティブ

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14話オリジナル編

中立コロニーのドックにゲタを滑り込ませ、私は人目を忍ぶようにストライカーエウレカを駐機させた。

空気の浄化と環境保護を目的としたこのコロニー内は、宇宙空間とは思えないほど豊かな緑と澄んだ空気に満ちていた。私は息をつく暇もなく、パイロットスーツ姿のまま、カガリから送られた座標の場所へとひたすら走った。

木々に囲まれた静かな区画。そこに、ひっそりと佇む一軒の家があった。

ここだ。私が玄関の扉に手を伸ばそうとした、その瞬間――。

「そこから動くな。両手を上げろ」

背後から低く鋭い声が響き、同時に後頭部に冷たい銃口が突きつけられた。

私は息を呑み、言われた通りにゆっくりと両手を上げる。そして、頭を覆っていたヘルメットのロックを外し、静かに脱いで顔を晒した。

私の顔を見た瞬間、背後の人物が小さく息を吐いた。

「……リン、か!」

銃を下ろしたのは、かつて「砂漠の虎」と呼ばれた男、アンドリュー・バルトフェルドだった。彼は少し呆れたように片目を細め、私を真っ直ぐに見据えた。モユラン島に降り立った私たちは、すぐさまシンやアスランたちと合流した。

格納庫へ向かいながら、私はキラにテラグレシアで起きている惨状と、デナン・ゾンという未知の量産機の脅威について、現在までの状況をすべて語った。

静かに、しかし真剣な面持ちで話を聞き終えたキラは、乗ってきたフリーダムの整備をハインラインさんに託すと、今後の反攻作戦の打ち合わせのためにペントコスト司令の元へと向かっていった。

キラを見送った後、ハインラインさんが手元のタブレットを確認しながら私に声をかけてきた。

「リン、良い知らせだ。キラ殿が事前に手配してくれていた新型の無人モビルスーツ『グレイズ』の部隊だが、明日の夕方にはこのモユランに到着するそうだ」

「本当ですか!? やったーっ!!」

私は思わずガッツポーズをした。無人機のグレイズが来てくれれば、圧倒的な数で迫るデナン・ゾンに対抗するための大きな戦力になる。

やがて、ペントコスト司令との話し合いを終えたキラが格納庫へと戻ってきた。私は彼の手を引き、モユランの軍港ドックの最深部――厳重なロックの奥に保管されている大型ハンガーへと案内した。

「ねえキラ、せっかくモユランに来たんだから、ここに保管されてる自慢のモビルスーツたちを見ていってよ!」

照明が点灯し、巨大なドックに鎮座する機体群が暗闇から姿を現す。もともとこのオーブの軍港ドック・モユランに配備され、大切に保管されていた特別なモビルスーツたちだ。

「紹介するわ! まず、あの中央の重装甲機が**タイタン・イェーガー**! 圧倒的なパワーと装甲で敵の陣形を粉砕するの。その隣が中距離支援と火力を兼ね備えた**マローダー・ゼウス**。そして、あのスマートな機体が高機動型の**ヴァラー・オメガ**よ!」

私は誇らしげに胸を張り、次々と巨大な機体を指差しながらキラに解説した。

「さらに、奥にあるのが索敵と電子戦の要になる**マーダー・ウォッチ**、そして高速での一撃離脱を誇る**セイバー・アンテナ**! どう? モユランにこんなすごい機体たちが眠ってたなんて知らなかったでしょ?」

「すごいね……これだけの規格外の機体が、ずっとこのドックに保管されていたなんて」

キラはそれぞれの機体の洗練されたフォルムや、装甲の隙間から見える駆動系を見上げながら、純粋な感嘆の声を漏らした。

「ふふん、すごいでしょ! この子たちの整備状況は完璧よ。明日の夕方に来るグレイズの部隊と、このモユランの戦力を連携させれば、デナン・ゾンの群れだって絶対に押し返せるわ!」

私はキラに向けて、これ以上ないほど自信満々に自慢した。見上げる新型機たちは、迫り来るテラグレシアでの決戦に向けて、静かに、しかし力も強く出撃の時を待っていた。

 

「こんな辺境の、しかも極秘の隠れ家に……一体何の用だ?」

「キラに会いに来ました」

私は迷いなくバルトフェルドさんの目を見つめ返した。

「キラを、もう一度戦場に連れて行くために」

その言葉に、バルトフェルドさんの表情から険が消え、代わりに深い思案の色が浮かんだ。私の切羽詰まった表情と、汗と油にまみれたパイロットスーツを見て、彼は短く呟く。

「……外の世界で、何かとんでもないことが起きたようだな」

「バルトフェルドさん? お客さんですか?」

その時、家の奥から穏やかな声が聞こえ、外出から帰ってきたばかりのキラとラクスが姿を現した。二人は、息を切らして立っている私の姿を見て、驚きに目を見開いた。

「リン……!? どうしてここに……」

私は二人に促されるままリビングへと入り、今、外の宇宙で何が起きているのかを全て打ち明けた。

謎の組織ユーリカの襲撃。正体不明の新型機デナン・ゾン。守備隊とジェガン隊の壊滅。そして今この瞬間にも、テラグレシアで無抵抗な民間人が虐殺されていること――。

「そんな……テラグレシアの人々が……」

ラクスが痛ましそうに胸に手を当て、キラはギリッと唇を噛み締めて俯いた。

「お願い、キラ! 今の私たちの戦力じゃ、テラグレシアを救えない! あなたの力が必要なの!」

私の悲痛な叫びに、キラの拳が強く握りしめられる。「みんなを、救いたい……」と絞り出すような声が漏れた。しかし、キラはハッとして隣に座るラクスを見た。

やっと手に入れた、この穏やかな日々。再び剣を取れば、ラクスの平和な生活をまた壊してしまう。その葛藤が、キラを強く引き止めているのが分かった。

「キラ……」

キラが苦悩の声を上げようとした時、ラクスがそっと、キラの震える手を両手で包み込んだ。

「私は大丈夫ですわ、キラ」

ラクスは慈愛に満ちた、しかし決して揺らぐことのない強い微笑みをキラに向けた。

「あなたが守りたいと思うものを、守ってください。あなたの心のままに……あなたがしたいように、してください」

「……ラクス」

キラの瞳から迷いが消え、代わりに、かつて幾度も世界を救ってきたあの強い決意の光が宿った。

「ありがとう。……行こう、リン。僕も出る」

立ち上がったキラは、私を促して家を出た。向かった先は、コロニーの地下に隠された秘密のハンガー。

重いゲートが開き、暗闇の中からその姿を現したのは、白と青の装甲を纏った希望の象徴――『フリーダム』だった。

「フリーダム……! カガリの奴、こんな所に隠してたのね」

「うん。でも、またこれに乗る日が来るとは思わなかったよ」

キラはフリーダムの機体を見上げ、静かにコックピットへと向かって飛んだ。

私も急いでストライカーエウレカへと戻り、ゲタを再起動する。

「キラ・ヤマト、フリーダム、行きます!」

中立コロニーの秘密ハッチから、青い炎を引いてフリーダムが宇宙へと飛び出す。私とキラは、アスランたちが待つモユラン島へ向けて、全速力でスラスターを吹かした。

 

大気圏を突破した機体は、燃え盛る炎を背にモユランの空を切り裂き、地上へと降下していきます。キラとリンは降下ポッドからモビルスーツ降下地点へと向かい、静かな緊張感の中で大気圏内でのダイブを成功させました。

地上の降下地点では、シンとアスランがすでに到着して彼らを待ち構えていました。再会を果たし、短い挨拶を交わす二人。キラは戦況を左右する重要なモビルスーツの構造や特性について、冷静かつ詳細に説明を始めます。

そして、今回の核心である新型機がお披露目されると、その洗練されたフォルムと未知のパワーを感じさせる装甲に、シンとアスランの視線が釘付けになります。

「見てよ、これが新しい翼。私が調整を担当したのよ!」

リンは新型機の機体を見上げながら、自信に満ちた表情で胸を張ります。その手際の良さや性能の高さを、まるで自分のことのように、あるいはそれ以上に誇らしげに自慢し始めました。現場には、新たな戦力への期待と、少しばかりの賑やかな空気が流れていました。

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