※この作品はR-18です。

強化人間がSEEDの世界で活躍します   作:ナラティブ

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17話オリジナル編

シャッタードッグの上部、激しい振動にさらされる司令室のハッチが勢いよく開いた。

「司令! 大丈夫ですか!?」

額から流れる血を乱暴に拭いながら、ペントコスト司令がよろめきつつもコントロールデスクへと執念で辿り着く。爆風で頭を強く打っていたが、彼を突き動かしたのは狂気じみた危機感だった。

「私のことはいい! 状況を報告しろ!」

デスクの前に座る部下たちが、蒼白な顔で振り返る。メインモニターに映し出されていたのは、モユラン島だけの惨状ではなかった。世界全土の地図が、血のような赤色で明滅していた。

「――全グレイズです! 配備された、そして生産途中だった全てのグレイズが完全に暴走! 現在、大西洋連邦、ユーラシア連邦、そしてプラントの全主要都市から、同時に緊急救助要請が殺到しています!!」

部下の悲鳴のような報告が、司令室に響き渡る。モニターが次々と、世界各地の地獄絵図を映し出していった。

【世界各地の被害状況】

プラント(ザフト最高評議会首都)

首都防衛の要として配備されていた新型警備モビルスーツ**『エイジャックス』**の部隊が、暴走したグレイズの奇襲を受け、全機が跡形もなく大破・炎上。

ユーラシア連邦

主力機である**『ウィンダム』や『105ダガー』**が迎撃に出るも、フェムテク装甲とPS装甲を併せ持つグレイズの圧倒的な性能の前に次々と撃破され、都市部が壊滅状態。

大西洋連邦

前線に配備されていた**『ジェダ』および『ジェガン』**の防衛部隊が、無人機ならではの容赦のない猛攻によって一方的に蹂躙され、戦線が完全に崩壊。

「世界中で……同時にだと……!?」

ペントコスト司令は奥歯を噛み締めた。自分たちが「人的被害を出さないための希望」としてリンやキラ、ハインラインと共に作り上げた48機の無人機が、今や世界を滅ぼす最悪の凶器へと変わってしまったのだ。

「生き残っている全パイロットへ告ぐ……!」

司令は通信器を掴み、モユラン島内で今なお必死に戦い、逃げ延びようとしているキラやシン、そして地下にいるリンたちに向けて、血を吐くような声を絞り出した。

「全パイロットに告ぐ! 暴走しているのはここにいる機体だけではない! 現在、世界各地のプラント、ユーラシア、大西洋連邦のすべてのグレイズが暴走、各国の防衛線は壊滅しつつある! 敵は……世界そのものを狙っている!」

その直後、司令室のガラスを激しい光が照らした。迫り来る数機のグレイズが、この管制塔を直接見据えている。

「くそっ、自動防衛システム、起動! イーゲルシュテルン、撃てぇ!!」

司令の指示で、シャッタードッグの各所に配置された対空自動バルカン砲**『イーゲルシュテルン』**が一斉に火を噴いた。容赦のない実弾の雨がグレイズを襲う。

しかし、グレイズの堅牢な複合装甲は、イーゲルシュテルンの弾幕を正面から物ともせずに突き進んできた。

ズガガガガガッ!!!

次の瞬間、グレイズの腕部レールキャノンとビームライフルが正確に防衛砲座を狙い撃ち、自動砲台は一瞬にして跡形もなく吹き飛ばされた。火花と爆風が司令室のガラスを激しく揺らす。

「司令! 防衛システム、完全に沈黙!!」

「……ここまで、手際が良いというのか……!」

ペントコスト司令はすぐさま、キラとシン、そして合流を急ぐリンへの回線を開いた。

「キラ! シン! 命を繋げ! お前たちの乗るべきフリーダムもデスティニーも失われたが、決して死ぬな! 世界中でグレイズが暴走した今、お前たちだけが頼みの綱だ……!」

そして、司令は震える指でオーブ本国への極秘最優先回線を繋いだ。

「――オーブ軍司令部へ緊急通信! モユラン島、および世界各地で新型無人機グレイズが暴走! 我々の戦力は完全に分断され、壊滅の危機にある! カガリ代表に伝えろ、ただちに、ただちに全軍をもって応援を要請する!!」

夕日に染まるモユラン島は、世界崩壊のカウントダウンの始まりを告げる、激しい爆煙に包まれていった。「司令!!」

シンたちの絶叫が、激しい爆音にかき消された。

キラたちがシャッタードッグの通路を必死に駆け抜けているその頭上を、グレイズから放たれた数発のミサイルが、白煙の尾を引いて容赦なく突き抜けていった。

その視線の先――ペントコスト司令が世界へ向けて通信を発信し続けていたシャッタードッグ上部の司令室に、ミサイルが容赦なく突き刺さる。

一瞬の静寂の後、凄まじい大爆発が巻き起こった。頑強なコンクリートと鉄骨で造られていた管制塔が、内側から吹き飛ぶ炎によって粉々に砕け散り、跡形もなく完全に崩壊していく。崩落する瓦礫が雨のように地上へ降り注いだ。

「そんな……司令室が……ッ!」

キラが愕然と目を見開く。世界の危機を伝えてくれた司令の命が、一瞬にして奪われてしまった。

同時刻、モユラン島の地下最深部。

「司令室がやられた!? くそ、間に合え……!」

私は悔しさに唇を噛み締めながら、愛機**『ストライカーエウレカ』**のコックピットへ飛び乗った。

書類仕事のデータはすべて吹っ飛び、基地内の全システムがパニックを起こしている。だが、ハインラインさんが死守してくれたこの機体のシステムだけは、正常に緑色の光を放っていた。

「ストライカーエウレカ、システム起動! 出力正常、全リンク固定解除!」

ヘルメットを被り、操縦桿を強く握りしめる。

ガコンッ!という重々しい振動と共に、機体は地上へと続く大型リフトへと滑り込んだ。上昇を始めるリフト。頭上のハッチが開き、夕闇と爆煙に包まれた最悪の地上が、少しずつ目の前に広がっていく。

「キラ! シン! ルナマリア! みんな、今すぐ助けに行くから!!」

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