※この作品はR-18です。

強化人間がSEEDの世界で活躍します   作:ナラティブ

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11話

「全艦、アークエンジェルを死守せよ! 地球(テラ)へ、彼らを届けるのだ!」

ハルバートン提督の悲壮な号令と共に、メネラオスをはじめとする第8艦隊の艦艇が、迫りくるクルーゼ隊の前に立ちはだかります。熱圏の入り口で、宇宙は摩擦熱と爆炎によって真っ赤に染まっていました。

キラ・ヤマトのストライクは、本編同様、アスランのイージスと抜き差しならない死闘を繰り広げていました。

「アスラン、どいてくれ! このままじゃ二人とも燃え尽きてしまう!」

キラの叫びも、友情と任務の狭間で苦しむアスランには届きません。二機のガンダムは互いの四肢を絡ませるようにして、重力の底へと引きずり込まれていきます。

【アークエンジェル死守:リン vs ブリッツ・ジン小隊】

一方、アークエンジェルの後方。エンジンの排熱を狙って肉薄するザフトのジン小隊、そしてミラージュコロイドによって姿を消したニコルのブリッツに対し、リン・ベルナルはたった一機で防衛線を張っていました。

彼女のストライカーブラストは、第8艦隊の手によってサードアイが完全に修復されていました。不気味なモノアイではなく、本来の「第3の眼」が、リンの研ぎ澄まされた感応波を視覚化するように紅く静かに燃えています。

「(……来る。後ろ、下……いや、ブリッツはそこだ!!)」

リンの脳裏に、強化人間としての「未来視」が閃光のように走ります。彼女は過呼吸で震える指を操縦桿に食い込ませ、回避運動と同時に、何もない空間へ向けて左腕のバルカンを掃射しました。

「なっ……なぜ僕の動きが!? ミラージュコロイドが破られたのか!」

弾丸が直撃した箇所からブリッツのステルス装甲が火花を散らし、ニコルの機体が姿を現します。しかし、リンに追撃の暇はありません。横から迫るジン2機が、重突撃機銃でアークエンジェルのエンジンノズルを執拗に狙います。

「やめさせて……! これ以上、誰も死なせないで!!」

リンは短時間式ビームサーベルを抜き放ち、ジンの放った弾丸の軌道を「視て」回避。一気に加速して懐に飛び込むと、ジンの胴体をアーマーシュナイダーで一突きにし、爆発に巻き込まれる前にその機体をもう一機へと蹴り飛ばしました。

「化け物か、あの機体は! 動きが速すぎる!」

ジンのパイロットが驚愕する中、リンのサードアイは、アークエンジェルを狙うすべての火線と未来の軌跡を捉え続けていました。彼女の精神は、実験室で植え付けられた「兵器」としての本能を全開にし、迫りくる敵を次々と排除していきます。

【落日の艦隊、悲しみの降下】

「アークエンジェル、降下軌道への進入を確認! 提督、我々の役目は……」

ハルバートン提督の乗るメネラオスが、クルーゼ隊の猛攻により火を噴きます。リンはその未来を鮮明に「視て」しまい、絶叫しました。

「提督……!! ダメ、逃げて!!」

しかし、その声は爆音にかき消されます。アークエンジェルを守る盾となった第8艦隊が、光の粒子となって宇宙へ散っていく。その光景を、リンは震える瞳で見届けるしかありませんでした。

「リンさん! 早く戻るんだ、大気圏に焼かれる!!」

アークエンジェルが降下軌道に入り、船体が真っ赤な摩擦熱に包まれようとしていたその時。背後から迫るクルーゼ隊の追撃は、重力の引き込みを無視するかのように激しさを増しましたら

「(……熱い。空気が、機体が焼けていく……っ!)」

リン・ベルナルのストライカーブラストは、アークエンジェルの後方、最も無防備なエンジンブロック付近で防衛線を張っていました。修復されたサードアイが、赤く染まった視界の中で激しく明滅し、迫りくるジンの重突撃機銃の弾道を「未来」として描き出します。

「そこを……退きなさい!!」

リンは短時間式ビームサーベルを抜き放ちますが、高熱の大気の影響か、その光刃は安定しません。それでも彼女は、ジンの放った弾丸を紙一重で回避。しかし、回避しきれなかった一連の弾丸が、ストライカーブラストの左肩装甲を粉砕し、内部のフレームが剥き出しになります。

「リンさん! もう限界だ、艦に戻れ!!」

キラのストライクがアスランのイージスと絡み合いながら、激しい火花を散らして警告を送ります。本編同様、キラもまた重力に引かれながら必死の抵抗を続けていました。

「まだ……っ! まだ、アークエンジェルが狙われてる!」

リンの感覚が、死角から迫る三機のジンの同時攻撃を捉えました。彼女は回避を捨て、右手のライフルを放盾。しかし、その瞬間、ジンの放ったミサイルがライフルの銃身を直撃し、ストライカーブラストの主兵装が爆散しました。

「ああっ……!!」

爆風で機体が大きく揺らぎます。さらに別のジンのヒートホークが迫り、リンは咄嗟に右腕でそれを受け止めました。鋭い刃が装甲を裂き、機体各部から警告のアラートが鳴り響きます。

「(腕が……足が、動かなくなっても……っ!)」

リンは過呼吸で意識が遠のきそうになる中、残った左手のアーマーシュナイダーを逆手に持ち、肉薄したジンのコックピット付近へ突き立てました。

「落ちろぉぉ!!」

機体の加速Gを利用した一撃が敵を沈めますが、その代償としてストライカーブラストのシールドも熱と衝撃でひしゃげ、使い物にならなくなりました。

アークエンジェルの船体からは、大気突入を告げるオレンジ色のプラズマが噴き出し始めています。もはやセンサーは役に立たず、リンはただ強化人間としての感応波だけを頼りに、ボロボロになった機体を動かし続けました。

武装のほとんどを破壊され、装甲は焼け焦げ、左脚のスラスターも火を噴いている。それでも、リンのサードアイは消えていません。

「(……視える。次に来る攻撃……絶対に、艦には当てさせない)」

リンは盾を失った左腕を、今まさにアークエンジェルを狙おうとしていたジンの射線上に突き出しました。火花が飛び、機体が震えます。

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