※この作品はR-18です。

強化人間がSEEDの世界で活躍します   作:ナラティブ

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10話

逃亡の果てに辿り着いた、中立国スカンジナビア王国。

アークエンジェルの艦内は、張り詰めた緊張感と、先行き不透明な未来への不安で満たされていた。マリュー・ラミアスたちは作戦会議を重ねるが、情勢は混迷を極めている。

プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルへの疑念。ラクスの暗殺未遂事件。環境の激変と、公の場に現れる偽りのラクス――ミーア・キャンベルの存在。何が真実で、何が謀略なのか。その渦中で、カガリ・ユラ・アスハは膝を抱え、ただ一人、プラントへ渡ったまま消息を絶ったアスラン・ザラの身を案じていた。

「アスラン……あなたは何を考えているの? 無事でいて……」

そんな重苦しい雰囲気の艦内で、リン・ベルナルは一人、整備用ハッチの傍で愛機ナラティブガンダムの最終チェックを終えていた。有線式ドラグーンの接続は良好。熱還流システムの稼働も完璧だ。

彼女はマリューやキラ、そしてアスランを心配するカガリの待つブリッジへ向かい、自身の次の行動を告げるため**【挨拶をした】**。

「みんな、いろいろと考え込むことも多いと思うけれど……私は、今最も不穏な動きを見せているザフトの重要拠点、**【ディオキアに向かう】**わ。あそこにはデュランダル議長や、シンたちの乗るミネルバも向かっているはず。そこで一体何が起きているのか、この目で直接確かめてくる」

「リン、ディオキアへ……? ザフトの最前線だよ、危険すぎる」

キラが不安げに引き止めるが、リンは頼もしく笑ってみせた。

「大丈夫よ。ロンド・ベルの指揮官としてではなく、あんたたちの『親友』として動くって決めたんだから。カガリ、アスランのことも調べておくから、あんたは少し休んでおきなさい」

リンはみんなに背を向けると、毅然とした足取りでカタパルトデッキへと向かった。

鋼鉄のレールが起動音を響かせ、ナラティブガンダムB装備が青白い炎を噴射する。

『リン・ベルナル、ナラティブガンダム、発進するわ!』

激しい衝撃と共に、【カタパルトから発進し】、深紅の機体は一気に大空へと**【向かい】、凄まじい加速でディオキアへ向けて【出発する】**。

背部にマウントされた有線式ドラグーンが、彼女の鋭い意志に呼応するように微かに駆動音を響かせる。

組織を離れ、ただ一人の「親友」として世界の真実を暴くために動くリン・ベルナルは、混迷を極める情勢の渦中へと、ナラティブガンダムB装備と共に激動の空を突き進んでいく――。ザフトの重要拠点である黒海沿岸の都市、ディオキア。

【シンは一人バイクで遠出していた。己の欲望のため、戦争を望む者もいる…昨夜デュランダルが語った言葉が、彼の胸にはしこりとなって残っていたのだ。】 割り切れない思いを抱えたまま、彼はバイクを止め、【ぼんやりと海岸線を歩いていた】。

【解釈ミスや状況設定をより自然に変更して同時刻、リンはディオキアを観察しながら見ていた】。ナラティブガンダムB装備を秘匿し、単身この街の様子やザフト軍の動向、そして世界の行く末を見つめていたのだ。

その時、二人の視線の先で事件が起きる。海岸線にそびえ立つ高い崖の上、ふらふらと危なっかしい足取りで歩いていた**【一人の少女が、バランスを崩して崖から海へと落ちた】**。

「しまっ……!」

「危ない……っ!」

シンとリンはほぼ同時に声を上げ、【慌てて海へ飛び込んだ】。冷たい波が逆巻く中、二人は息を合わせて泳ぎ、【シンと一緒に、必死にその少女を救けた】。浜辺へと這い上がり、ぐったりとした少女を白い砂浜へと横たわらせる。

「おい、しっかりしろ! 大丈夫か!?」

シンが必死に声をかける。少女が苦しげに水を吐き出し、ゆっくりと大きな瞳を開いた。その瞬間、シンとリンはお互いの顔を見て、目を丸くした。

「……あ! あんたは、あの時の……!」

「シン……!? どうしてあんたがここに……!」

驚く二人だったが、今は目の前の少女が最優先だった。助けられた少女は、ずぶ濡れのまま、怯えたように周囲を見回している。シンは少女を安心させようと、咄嗟に声をかけた。

「よかった……。これだけ高い崖から落ちたら、普通は『死』んでてもおかしくないところだぞ……」

だが、その言葉が引き金となってしまった。

**【シンが口にした「死」というキーワードに反応し、激しく怯える】**少女。

「シ、シニたくない……! シヌの、こわい……っ! おかあさん、たすけて、シニたくないぃっ!!」

頭を抱え、狂乱したように叫び、激しくパニックを起こす少女。そのあまりの怯え方に、シンとリンは衝撃を受ける。

「あ、いや……ごめん! 悪かった、そんなつもりじゃ……!」

シンが慌てて取り乱す中、リンは少女の傍らに膝をつき、その震える小さな肩を優しく、しかし力強く抱きしめた。

「大丈夫、大丈夫よ。もう怖いものは何もないから、落ち着いて……」

リンが優しく声をかけ、シンもまた、必死に少女の目を見つめて、真っ直ぐに**【優しく語り掛けた】**。

「大丈夫だ、死なない! 死なせない! 【俺が君を守るから】……絶対に守るから!」

シンの必死で温かい言葉と、リンの包み込むような抱擁に、少女は次第に呼吸を落ち着かせ、やがて安心したように二人の腕の中で小さな吐息を漏らし始めた。

少女が完全に落ち着いたのを見届けた後、シンとリンは少し離れた砂浜に腰を下ろし、静かに**【話し合い】**を始めた。

「……本当に驚いたわ。オーブで『また絶対に会おう』って別れてから、こんなに早く、しかもこんな形で**【シンとまた会った】**なんてね」

リンは濡れた髪をかき上げながら、少しだけ苦笑い混じりに微笑んだ。

「ああ、俺もびっくりした。リン、あんたこそ何でこんなところにいるんだよ?」

「ちょっとね。それよりシン、あの**【少女のことについても話す】**必要があるわね」

リンとシンは、少し離れた砂浜で貝殻をいじり始めた少女に視線を向け、静かに言葉を交わす。

「さっきの『死』っていう言葉への怯え方……あれはちょっと、ただ事じゃないわ。何かすごく怖い目に遭ったトラウマがあるのかもしれない……。理由も何も分からないけど、放っておけないわね」

「……ああ。あんなに必死に怯えるなんて、あいつ、今までどんなに怖い思いをしてきたんだよ……」

シンは、あどけない表情で砂浜に座り込む少女を見つめ、胸を痛めるように拳を握りしめた。

「でも、あんたが『俺が君を守る』って真っ直ぐ言ってくれたから、あの子も落ち着いてくれたのよ。シン、優しいのね」

「そんなんじゃ……。でも、目の前であんな風に泣いてるやつがいたら、誰だって放っておけるわけないだろ」

少し照れくさそうに頭をかくシンを見て、リンは「そうね」と優しく微笑んだ。

まだ少女の名前が『ステラ』であることを誰も知らないこのディオキアの海岸で、一人の少女を巡り、シンとリンの運命が再び交錯し始めていた――。

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