※この作品はR-18です。

強化人間がSEEDの世界で活躍します   作:ナラティブ

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16話

ヨーロッパの主要都市が、地球軍の新型モビルスーツによって次々と壊滅……!? 何よこれ、街が丸ごと消えてるじゃない……っ!」

 

アークエンジェルのブリッジで、メインモニターに映し出された凄惨な衛星画像に、リンは息を呑んだ。画面の向こうでは、ただ一機の巨大な影が、まるで神の怒りのように街を業火で焼き尽くしている。地球軍の最終兵器、デストロイガンダム。その侵攻の報を受け、ミネルバ、そしてアークエンジェルも直ちに現地ベルリンへと向けて行動を開始した。

 

だが、現地の惨状は想像を絶していた。

 

「あんなの……モビルスーツじゃない、ただの大量虐殺兵器だ……ッ!」

 

ベルリンの燃え盛る空へと突入したキラのフリーダム、そしてリンのナラティブガンダムB装備の前に、その巨体が立ち塞がる。デストロイの全身から放たれる無数のビームの豪雨が、一瞬にして周囲のビル群を融解させ、爆炎の渦へと変えていく。

 

「くっそ、有線式ドラグーンじゃ装甲の厚さに刃が立たない! ……これ、どういう出力してんのよ!?」

 

リンはナラティブのコンソールを叩き、激しい衝撃に耐えながら叫んだ。サイコフレームの追従性をもってしても、デストロイの圧倒的な火力と全方位への防御スクリーンを突破することができない。

 

さらに、彼らの行く手を阻むのはデストロイだけではなかった。

 

「ハハハッ! 逃げ惑えよ、お前ら! 隊長の邪魔はさせねえよ!」

 

新型のデストロイを駆るスティング・オークレーのカオス、そしてネオ・ロアノークのウィンダムが、まるでデストロイの牙を研ぐように鋭い連携でキラとリンへと襲い掛かる。

 

「リン、危ないっ!」

 

キラのフリーダムが間一髪でネオのビームを遮るが、デストロイの主砲が再びエネルギーを充填し始めるのが見えた。ただでさえ化け物じみた巨体に、随伴機の完璧な援護。さすがのキラとリンの二人だけでは、じわじわと防戦一方に追い込まれ、太刀打ちできないほどの窮地に立たされていた。

 

その時、引き裂かれた煙の向こうから、一際鮮烈な深紅の機体が舞い降りた。

 

「そこまでだ、地球軍ーーッ!!」

 

ストライクルージュを駆るカガリ・ユラ・アスハ。その背後には、アマギ一尉率いるオーブの猛者たち、ムラサメ部隊が美しい編隊を組んで空を駆けてくる。

 

「カガリ……っ!? 来ちゃダメ、ここはあんたたちの手に負える戦場じゃないわ!」

 

通信ウィンドウで叫ぶリンに対し、カガリはルージュのビームライフルをネオのウィンダムへと叩きつけながら、激しく吠えた。

 

「黙れ、リン! 目の前でこんな大虐殺が行われているんだぞ! オーブの理念を、トダカの遺志を継いだ私たちが、ここで怯んで何が代表か! アマギ、いくぞ! キラとリンを、これ以上孤立させるな!」

 

『了解ッ! ムラサメ隊、展開! フリーダムとロンド・ベルの援護に回る! あの巨大モビルスーツの死角を突け!』

 

アマギたちの駆るムラサメが次々と戦闘形態へと変形し、デストロイの猛火の隙間を縫うようにしてスティングのカオスへと突撃していく。

 

「カガリ……、みんな……っ!」

 

キラの瞳に、再び強い光が宿る。

 

「ありがとう、カガリ! リン、オーブの部隊が道を切り開いてくれる! 僕たちで、あの巨大な機体を止めるんだ!」

 

「……もう、本当に無茶苦茶な奴らばっかりね……っ! でも、最高に頼もしいわ!」

 

リンはナラティブのツインアイを鋭く発光させ、有線式ドラグーンを再び四方に射出した。

 

燃え盛るベルリンの空の下。フリーダム、ナラティブ、そしてカガリ率いるオーブの猛者たちが、世界を焼き尽くさんとする巨大な「破滅(デストロイ)」を止めるため、持てる全ての力を懸けて今、決死の反撃へと打って出る――!「――なっ、効かない……!? ライフルも、ドラグーンも全部弾かれるって、どういうことよ!?」

ナラティブのコンソールに表示される「零効果」の警告文字に、リンは目を見開いた。

オーブ軍のムラサメ部隊が死角を突き、キラのフリーダムが放った一斉射撃と、リンの有線式ドラグーンの集中砲火が同時にデストロイの巨体を捉えたはずだった。しかし、そのすべてはデストロイの周囲に展開された光の壁――陽電子リフレクターによって、まるで嘲笑うかのように歪められ、虚しく霧散していく。

「あいつ、ただの重装甲じゃない……! 全方位にビームを無効化するシールドを張ってるんだ!」

キラのフリーダムがリフレクターの反発光に目を細めながら、鋭く警告を飛ばす。

「だったら、これでどうだッ!」

カガリのストライクルージュが隙を突いて突撃し、実体弾のバルカンを浴びせる。だが、デストロイの圧倒的な質量と重装甲の前には、それすらもかすり傷一つ負わせることはできなかった。

「ハハハハッ! 無駄無駄! そんな豆鉄砲で、このデストロイが止まるわけねえだろ!」

巨大な円盤型のバックパックを震わせながら、コックピットのスティングが狂ったように笑う。

「お前たち……こわい奴ら……! ステラを……ネオをいじめる奴らは……みんな、いなくなっちゃええええッ!!」

虚ろな叫びと共に、ステラのデストロイが再びその凶暴な牙を剥いた。リフレクターで攻撃を完全に遮断した直後、全身の砲門から放たれる高出力ビームの嵐が、今度は援護に入ったムラサメ部隊へと襲い掛かる。

「しまっ……! みんな、回避してッ!!」

カガリの悲鳴のような絶叫が通信圏内に響き渡る。圧倒的な絶対防御と、すべてを焼き尽くす絶対的な火力。その絶望的な二重の壁の前に、キラも、リンも、そしてカガリたちも、突破口を見出せず再び激しい爆炎の渦へと押し戻されていく――。




オリジナル編登場機体
デナンゾン
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