※この作品はR-18です。

強化人間がSEEDの世界で活躍します   作:ナラティブ

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33話

「撃てぇっ!」

マリュー艦長の凛とした号令が響き、再び対峙したアークエンジェルとミネルバが、宇宙空間で激しくすれ違う。

その刹那、アークエンジェルの全砲門から放たれた一斉射撃が、ミネルバの装甲を正確に穿った。

『ミネルバ、もうやめてくれッ!』

さらにその直後、戦場を駆け抜けたアスランのジャスティスが、ミネルバのメインスラスターを的確に撃ち抜いた。

致命的な推進力を失い、ミネルバは完全に沈黙する。アスランはそのままアークエンジェルの加勢へと回り、ミネルバを無力化した。

そして、私は再び戦場に立っていた。

手にあるのは、ビームサーベルただ一本のみ。それでも、私の心にもう迷いはなかった。

「シン……!」

覚悟を決め、私はスラスターを全開にしてデスティニーへと一直線に突っ込んだ。今の私には、近接戦闘で決着をつけるしかない。

対するシンは、明らかに様子がおかしかった。

『なんで……なんでなんだよッ! あんたも、アスランも……! 俺は、俺はただ……っ!』

シンの悲痛な叫びが通信越しに響く。

彼の太刀筋には、先ほどまでの鋭い殺気がない。迷い、ただひたすらに迷い続けている。

その隙を、私が逃すはずはなかった。

「はあああッ!」

ピンク色の光刃が一閃する。私はデスティニーの左腕を斬り落とし、そのまま反転して右足を両断。さらに背後に回り込み、巨大な光の羽根の一部を根元から斬り裂いた。

『うわぁぁぁっ!?』

体勢を崩したデスティニーの顔面を掠めるように、サーベルの切っ先を振るう。灼熱の刃が、デスティニーのメインカメラの右側を無惨に焼き焦がした。

四肢をもがれ、半壊したデスティニー。私はそのコックピットに狙いを定め、トドメを刺そうと踏み込んだ。

――その瞬間。

ピキィィィンッ!

私の脳裏に、凄まじい悪寒とともに最悪のビジョンが閃いた。

(ネオジェネシス……!? 撃たれたら、みんな……!)

ニュータイプの直感が告げる破滅の光景。私はギリギリでサーベルの軌道を逸らし、デスティニーへのトドメを取りやめた。

シンを撃っている場合じゃない。あっちを止めなければ、すべてが終わる。

「……っ、行かなきゃ!」

私はデスティニーに背を向け、最大推力でネオジェネシスへと急行した。

力を失い、半壊したデスティニーは、月の引力に引かれるようにして月面へと力なく墜落していった。

荒涼とした大地に横たわる機体のコックピットの中で、シンはまだ迷いの中に囚われ、虚空を見つめていた。

『俺は……俺は、どうすれば……。ステラ……マユ……』

そこへ、赤い機体が静かに降り立つ。ルナマリアのインパルスだ。

インパルスは崩れ落ちたデスティニーに寄り添うように膝をつき、その半壊した機体を、痛みを分かち合うようにそっと抱きしめた。

『シン……もう、いいのよ……』

ルナマリアの涙声が響く。迷い続ける少年の心を包み込むように、彼女の温もりだけが、そこに静かに満ちていた。

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