※この作品はR-18です。

強化人間がSEEDの世界で活躍します   作:ナラティブ

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オリジナル編1話

 

新たなる時代、C.E.77――モユラン島の邂逅

C.E.77。世界を巻き込んだファンデーションとの激戦から時が経ち、時代は新たな局面を迎えていた。

私は、かつて独自に運用していた部隊『ロンド・ベル』を正式にコンパスへと合流させた。そして現在、連合、ザフト、オーブの三国が共同で買い取った拠点――**「モユラン島」**にて、作業員兼モビルスーツのテストパイロットとして、次世代の新型機開発と整備に明け暮れる日々を送っている。

「……よし、ここのトルク調整はこんなもんかな」

格納庫で新型機の整備作業に汗を流していると、背後から懐かしい声が響いた。

「リンさーん! 差し入れ持ってきましたよ!」

「相変わらず油まみれね、リン」

振り返ると、そこには私服姿のシンとルナマリアが立っていた。

二人の姿に笑顔を向けたその時、私の視線はルナマリアの左手に釘付けになった。その薬指には、ささやかながらも確かな輝きを放つ『指輪』が嵌められていたのだ。

「あれっ……ルナマリア、その指輪!」

「えへへ……まあ、そういうことよ」

頬を赤くして照れくさそうに笑うルナマリアを見て、私も嬉しくなって思わず手を叩いた。

「わぁっ! ふふっ、本当におめでとう、二人とも!」

「ありがとうございます! ……あ、違うんですリンさん! 今日は遊びに来たわけじゃなくて!」

照れ隠しのように慌てて手を振るシンに、私は首に巻いたタオルで汗を拭いながらクスッと笑って尋ねた。

「分かってるわよ。で、シンはどうしてわざわざこんなモユランまで来たの?」

「俺の『デスティニー』と、『イモータルジャスティス弐式』の最終調整に来たんです。ここ、最新の設備が揃ってるって聞いたんで」

シンがそう答えると、ルナマリアが私の背後にある無数のハンガーを見上げて目を輝かせた。

「それよりリン、せっかくここまで来たんだし、ここに配備されてる『新型機』の紹介をしてくれない? 見たことない機体ばっかりですごく気になってたのよね」

「もう、仕方ないわね。ほら、ついてきて」

私は二人に手招きし、モユラン島に集められた次世代機たちの解説を始めた。

モユラン島 配備・試作モビルスーツ群

ヴァラーオメガ

「まずはこれ。災害救助と、テロリストから民間人を守ることを目的とした機体よ。PS装甲とフェムテク装甲のハイブリッドで、腕部に大型レールガンを2基搭載してる。生存率を上げるためにコックピットは『頭部』にあって、胸部には200人を収容可能な大型レスキューポッド、腰部には倒壊した建物をどかせる強力な作業用アームがあるの。今はここに配備されてるわ」

「胸部に200人も!? モビルスーツがそのままシェルターになるなんてすげえ!」

「頭部コックピットならパイロットの安全性も高そうね。すごく理にかなってるわ」

シンもルナマリアも、その人命救助に特化した設計に深く感心しているようだった。

タイタン イェーガー

「次もモユラン配備の新型ね。右腕にはPS装甲を物理的に叩き割る『大型モーニングスター』。左腕にはレールガン、頭部にはバルカンシステム。そして腰部にはフリーダムと同型のクスィフィアス・レールガンを搭載した機体よ」

「モーニングスターでPS装甲をカチ割る!? うわ、これ絶対俺好みの戦い方できるやつじゃん!」

「ちょっとシン、嬉しそうな顔してるけど、あくまで防衛用なんだからね……」

目を輝かせるシンに、ルナマリアが呆れたようにツッコミを入れる。

マーダーウォッチ

「これはザフトから配備された、格闘戦特化の試作機よ。攻撃用の掌には『EMP(電磁パルス)発生装置』が内蔵されていて、牽制用のバルカンと、追加装備のスパイク付きシールドがあるわ。正式に量産化される時は『リーオー』っていう名前に変わる予定よ」

「掌からEMP? ザフトらしいえげつない武装ね。電子戦でかなり優位に立てそう」

「リーオーか。名前も覚えやすくていいな」

ブレイザーフェニックス

「こっちは三国同盟で作られた新造機体。ジェガンのようなバイザー頭部にはバルカンが4門、肩部に誘導式ミサイルと3連装ミサイル、腕部にレールキャノン、左腕にロケットランチャー。腰部に大型イーゲルシュテルン×2、サイドアーマーにビームサーベル、首部に小型ミサイル。さらに大型シールドと集束式ビームライフルを装備してるの。一番の特徴は、国同士の共存と戦争をしないための機体として『3人のパイロットで協力しないと動かせない』システムになってることね。今はモユランで警備中よ」

「いや武装多すぎだろ!? っていうか、3人乗り!?」

「3人で息を合わせないと動かせないなんて……まさに共存の象徴ってわけね。操縦難しそうだけど」

規格外の重武装と特殊な操縦方式に、二人は顔を見合わせて驚いていた。

セイバーアンテナ

「これはね……作業員が雑談で話していたプロットを、ハインライン大尉が面白がって作っちゃった新型の軽量型機体。コックピットの装甲すら極限まで薄くて、装甲を1枚外しただけで内部フレームが丸見えになるの。武装は背部にマウントされた2本の対艦刀だけ。一応、試作として配備されてるわ」

「うわぁ……装甲ペラペラじゃない。いくらなんでもピーキーすぎない?」

「ハインラインさん、相変わらず無茶苦茶だな……俺でも乗るのちょっと怖いぞ」

二人は信じられないという顔で、その華奢すぎる機体を見上げて苦笑いした。

ロミオブルー

「こっちは頼れる災害救助用モビルスーツね。どんな悪路でも向かえるように腕部と脚部が大型化されていて、胸部になんと600人を収容可能な医療施設があるわ。腕部は掘削用ドリルや救助用に変形可能よ」

「600人の医療施設!? もはや移動する病院じゃない! 腕が変形するのも凄いわね!」

ルナマリアは、その圧倒的なスケールと人命第一の設計に目を丸くして喜んでいた。

マローダーゼウス

「この機体は、基本構造は最初の『ヴァラーオメガ』と同じなんだけど、腕部が495ミリのマシンキャノンになっていて、胸部も対地用のアサルトキャノンに変更。バルカンシステムも向上してる。ユーラシア連邦のエレドア地区で運用されてた時に暴走して、キラのライジングフリーダムに破壊されちゃったんだけど、その残骸をモユラン島に回収して、もう一度再設計して製作し直した機体なの」

「えっ、キラさんがぶっ壊した機体なの!? それを直して使うなんて、リンさんも大概だな……」

「でも、そのおかげで無駄にならずに済んだのね。機体も喜んでるんじゃない?」

無人モビルスーツ『グレイズ』

「そして最後がこれ……機体はまだモユランには来てなくて、説明だけなんだけどね。ファンデーションとの戦いの時に設計が始まった新型の無人機よ」

私はタブレットを取り出し、二人にグレイズの設計図面を見せた。

「パイロットへの被害を出さないために作られた機体で、フェムテク装甲とPS装甲を利用してるわ。武装はビームライフル、ビームサーベル、レールキャノン、胸部イーゲルシュテルン、ビームシールド。頭部のバイザーの中にはツインアイが隠されていて、AIに操作させるの。このAIは私、ハインライン大尉、キラの3人がかりで調整したわ」

「キラさんたちと作ったAI……パイロットが死ななくて済む機体なら、もう悲しい思いをする奴も減るな」

シンの言葉に、私も深く頷く。

「ええ。現在48機が生産中で、2機ずつ沿岸部と市街地に護衛機として配備されるわ。モユランにも2機、プラントにも3機が配備予定よ。一応、コックピットもあって手動操作も可能になってるの」

「まだここには無いみたいだけど、実戦配備されたらすごく心強いわね。完成が楽しみだわ」

「……と、こんな感じかしら。どう?」機体群の案内を終えた後、私は二人をモユラン島の中枢エリアへと案内した。

「紹介するわ。こちらがこのモユラン島の最高責任者、ペントコスト司令よ。一応、地球連合軍から派遣された指揮官ってことになってるわ」

司令室の重厚なデスクの奥に立っていたのは、威厳と静かな闘志を感じさせる大柄な男性、ペントコスト司令だった。

「コンパスのシン・アスカです。本日は機体の調整のために参りました」

「同じく、ルナマリア・アスカです。お初にお目にかかります」

二人が背筋を伸ばして敬礼すると、ペントコスト司令は厳格な表情をスッと崩し、穏やかな笑みを浮かべた。

「堅苦しい挨拶は抜きにしよう、若き英雄たち。君たちの活躍はコンパスの報告書でよく見ている。このモユラン島は三国同盟の要であり、君たちのような優秀なパイロットが足を運んでくれるのは大歓迎だ。リンからは、いつも君たちの話を聞かされているよ」

「えっ、リンさん、俺たちのことどんな風に話してるんですか?」

「そ、それは内緒よ!」

私が慌てて誤魔化すと、司令室には和やかな笑い声が響いた。その後も、司令と二人はコンパスの現状やオーブの動向について、しばらく穏やかな雑談を交わした。

「さて、そろそろ君たちの機体を見に行こうか。モユランの誇るメインハンガーを開放しよう」

ペントコスト司令がコンソールを操作すると、地響きのような重低音と共に、島の地下深くに隠されていた超巨大格納庫の隔壁がゆっくりと開いていった。

「ここが、モユラン島のメインハンガー……通称『シャッタードッグ』よ」

開放されたシャッタードッグの光景に、シンとルナマリアは息を呑んだ。

そこは巨大なモビルスーツが何十機も収容できるほどの規格外の空間だった。そしてハンガーの中央には、二人がここまで乗ってきた『デスティニーガンダムSpecII』と『イモータルジャスティスガンダム弐式』、そしてルナマリアの『インパルスガンダムSpecII』が堂々たる姿で並び、すでにモユランのメカニックたちによる精密な調整作業が始まっていた。

「うおお……すごい設備だな! プラントの最新ハンガーより凄いかもしれない」

シンの感嘆の声と同時に、巨大なゲートを通って、先ほど外で紹介したヴァラーオメガやタイタン イェーガーといった新型機たちも続々とシャッタードッグへと帰還してくる。作業員たちの怒号とクレーンの駆動音が飛び交い、活気に満ちた整備が各所で一斉に始まっていた。

その慌ただしくも頼もしい光景をキャットウォークから見下ろしながら、私はふと気になっていたことをシンに尋ねた。

「そういえば、コンパスの方はどうなの? キラたちがいなくなって、新体制になったんでしょ?」

私の問いに、シンは少しだけ複雑そうな、それでいてどこか誇らしげな顔をして頭を掻いた。

「あー……それがさ。今、アスランが隊長になって活動してるんだよ」

「えっ? アスランが隊長? じゃあ、シンは?」

私が驚いて聞き返すと、シンはため息交じりに笑って答えた。

「一応、世間に対する『表向きの隊長』は俺ってことになってるんだ。コンパスの顔としてね。でも、実際の現場の指揮とか、裏での厄介ごとは全部アスランが『裏の隊長』として仕切ってるんだよ。相変わらず人使い荒いしさ……でもまあ、あの人がいれば大抵のことはなんとかなるからな」

「ふふっ、なるほどね。表の顔はシンで、実務はアスランってわけね。なんか、すごくいいコンビじゃない」

「ええっ!? そうかぁ……? まあ、ルナも一緒にいてくれるし、悪くはないんだけどさ」

文句を言いながらも、シンの表情はとても充実しているように見えた。かつての悲壮感に満ちていた姿はもうどこにもなく、頼れるコンパスの「隊長」としての風格が、その横顔には確かに備わっていた。

私が説明を終えて微笑むと、シンとルナマリアは、新しい時代を象徴する機体たちの存在に、どこか希望に満ちた表情を浮かべていた。

「すごい……これだけの機体が、三国合同で作られてるなんて」

「ええ。戦争の道具じゃなく、命を救い、世界を守るための力。ここモユランは、その未来を作るための場所なのよ」

私はタブレットを閉じ、これからの穏やかな時代への確かな手応えを感じながら、二人と一緒に静かに微笑んだ。

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