オンゲのフレンドがリアルのセフレになりまして ~フレンドなんだからリアルでもボクと一緒に楽しいことしよ!~ 作:真喜屋五木路
「あのさ、今週末なんだけど……またトールの家、行っていい?」
「ふぁ⁉」
歩とオンラインでゲームをしている最中、突然に言われた一言で徹は指を滑らせる。
結果、操作していた中戦車は壁の影から勢いよく街路へと躍り出て、無防備に晒された側面をあっさり打ち抜かれて爆散した。
「え、あれ? トール死んだ?」
「悪い、けど相手リロード中で無防備だから撃っていいぞ」
「了解ー」
歩の操作する重戦車が徹の遺体(戦車)から顔を覗かせ、正面から
それが最後の一両だったようで、勝利判定が表示された。
「ああ……! やっぱりこれだよこれ! 大口径からの大火力で一撃粉砕こそ戦車のロマン!」
「そんなこと言ってるから装甲とか弾薬庫の位置とか覚えられないんだろ」
「いいじゃん別に、どうせ当たれば大抵ワンパンなんだから」
「そんなこと言って、この間対空車両に過貫通させた挙句、反撃に貫通されない機銃ばらまかれて死ぬほど焦ってたじゃねーか」
「あー……あー……し、知らなーい、分からなーい、ボクのログにはなにもないな……!」
追い詰められた歩は「それより!」と無理やり話題を切り替えた。
「で、さっき言ったみたいに今週末、またトールの家に行きたいんだけど、どうかな?」
「どうって……」
徹は思わず言葉に詰まる。
それは先日の歩との一件を思い出してしまったからであり、若干硬くなりかけた股間を押さえながら精一杯の平静を装う。
「その、なんだ……それって、普通にゲームするとかで、いいんだよな?」
「そういえばトールの家、古いのから新しいのまでゲーム機たくさん置いてたよね。それはそれで楽しそうだなぁ……」
歩は前回帰りがけに見た親父のコレクションを思い出しているのか、浮かれたような遠い声で呟く。
徹としてもそれには同意見だった。間違いなく楽しいし、それに歩のプレイングを生で見れる機会だ。再現はできなくとも、参考にはなるかもしれない。
「でも、それはまた今度で。……そうじゃなくて、また『相談』したいことがあってさ」
『相談』という言葉だけで、徹は思わず唾を飲んでしまう。
(いやいやいや、それだけで反応するとかパブロフの犬……いや、猿かお前は!)
自分自身にツッコミを入れる徹であったが、股間は完全に臨戦態勢である。これがボイスチャットで本当に良かった。
やましい期待に上擦りそうな声をなんとか低く保つ。
「それで、今度はなんの相談なんだ?」
「それは……その……」
ちょっと気まずそうに歩は言い淀み、それから覚悟を決めたように声を大にした。
「また! ……その、えっちな相談なんだけど、ダメ……かな?」
「っ、全然、その……駄目ってわけじゃないけど……」
期待していた答えに全身が熱くなるのを感じながらも、がっついていない風を装って、徹はそっけなく応じる。
「もしかしてまた、友達からそういうことで頼られた感じか?」
「うん……実は、前回トールにしてもらってばっかりだったじゃんか。でも、今度はどうすれば彼氏が喜んでくれるのかって聞かれちゃって……」
「つまりどういう行為があるか知りたい感じか?」
「ううん、それは調べたんだ。その、手でしたり、口で舐めたり、おっぱいで挟んだり……するんだよね?」
「まあ……そう、だな」
恥ずかしそうな歩の口調に生々しい想像が頭を過り、思わず手が逸物へと伸びてしまいそうになった。
「でも、知ってるだけだと体の動かし方とかよくわかんないし……それに、やっぱり友達に知ったかぶりでアドバイスするのもなんか嫌だしさ……だから、ごめん! この間の借りも返してないのになんなんだけど、えっちなことの練習に付き合ってくれないかな……?」
歩の口調からは本当に申し訳ないと思っているのが伝わってくる。このままでは都合が良すぎるほどに役得なのに、なんだか一方的に恩を負わせているみたいでちょっと居心地が悪い。
だから徹はふぅ、と吐息を吐きだし、自分の欲望に素直になることにした。
「分かった、いいよ」
「ほんと⁉ なら――」
「ただし。今回のは前回のお礼ってことにしてくれないか?」
「え、でもボクが練習させてもらうのに?」
「歩がそういう風に思ってるのは分かったけど、俺にとっても友達から頼られるのは嫌じゃないし。それに……歩みたいな可愛い子とエロいことができるのは普通に嬉しいことだしさ。だから、そんな風に一方的に貸しだの借りだのって背負い込まないでほしい」
歩がマイクの向こうで小さく息を呑み、揶揄うような笑い声をあげた。
「そっ、かぁ……トールはボクとえっちなことできたら嬉しいんだぁ?」
「まあ、その……はい、正直、前回もすごい幸せだったし……また歩とできるとか、正直夢みたいに思ってるし」
「えへへ……ありがとね、トール。それじゃあボクもお礼になるよう頑張るから……期待、しててね?」
「……ああ」
少し艶めいた歩の声に、徹はドギマギとしながらもなんとか絞り出すように返事をして。
「あ、しまった! マッチング止めるの忘れてたからいつの間にか次の試合始まってるんだけど!」
「うぉ、マジか。っていうか拠点三つとも敵に取られてるんだが⁉」
「あはは、いいじゃん。ピンチな方が楽しいって! それじゃあトール、先行偵察よろしく!」
「あいよ、それじゃあ遅れんなよ」
さっきまでの会話などなかったように歩と二人、いつもより騒がしくゲームへと戻っていく。
けれどそれは、週末のことを意識しないようにするためだというのは、なんとなくお互いに分かっていた。
因みに二人がやってるのは間にOが入らない方です