オンゲのフレンドがリアルのセフレになりまして ~フレンドなんだからリアルでもボクと一緒に楽しいことしよ!~ 作:真喜屋五木路
『ごめん、風邪引いたかも……』
そんな連絡が入ったのは、翌日金曜日の朝だった。
教室に入って歩がいない時点でなんとなくそんな気はしていたのだが、案の定である。
徹は性欲に流された自分の馬鹿さ加減にチッと舌打ちを一つ、メッセージを打ち込んだ。
『すまん、やっぱりあの時早く帰ればよかったな』
結局あのあと雨足はなかなか緩まず。最終的に二人でざんざんと降り注ぐ雨の中、ギャーギャー騒いで走って帰ったのだ。
別れ際に歩がくしゃみをしていた時点で少し疑ってはいたのだが、本当に風邪を引いてしまうとは。
『ううん、ボクの方が誘ったんだし、トールが謝ることじゃないよ。それよりごめんね、結構熱あるから今週末はトールのとこ行けそうにないかも』
『それこそ歩が謝ることはないだろ。それより大丈夫なのか? 歩、一人暮らしなんだろ』
『大丈夫大丈夫! トールってば心配性すぎるよ』
『本当か? ちゃんと食えそうなものはあるのか? 薬とか置いてあるか?』
メッセージを送ったところで、徹は少し反省する。歩の生活能力が低そうとはいえ、流石にこれは心配し過ぎでちょっとウザいかもしれないと、そう思ったのだが。
『そういえば薬切らしてたかも……それに、もしかしたらカップ麺ももうストックが……』
(あー、まあちょっとだけそんな気はしてたけど)
やっぱり聞いておいてよかったと安堵しながら、徹は文面を打ち、何の気なしに送信する。
『それじゃあ学校終わったら色々買っていくから、歩の家、どこか教えてもらってもいいか?』
だが、それを機に今まですぐ帰ってきていた歩からの連絡がぷつりと途絶える。
(……もしかして、こっちから家の場所聞いたのはマズかったか?)
確かに、歩とのリアルの関係もそこそこ長くなってきてはいたが、今までずっと遊ぶのは徹の家で、歩の家の話が出たことはなかった。
(まさか、俺を家にあげるのは嫌とか……いやいや、さすがにそれはネガティブが過ぎるだろ)
とはいえ、もしかしたら家に来てほしくない理由があったりするのかもしれない。
徹はそこまで考えなおして、メッセージを送り直す。
『その、悪かった。突然家の場所教えてくれとか、無神経だったよな』
『いや、
間髪入れずに、打ち間違いが混じるほど慌てたような返信が返ってきた。
『トールが家に来るの、嫌とかじゃないから。むしろ、わざわざお見舞いに来てくれるって考えると嬉しいし。だから、迷惑じゃなければお願いしていい?』
『分かった、じゃあ住所と一緒に欲しいものがあるなら送っといてくれ。途中で買って行くから』
徹はほっと胸を撫で下ろしながら、教師が入ってきたのに気付いてポケットにスマホを仕舞う。
(それにしても、歩の家か……ちょっと楽しみだな)
風邪を引かせてしまったのは申し訳ないとは思うが、こんな機会でもなければ歩の家に行くなんてこともなかっただろう。
徹は少し浮かれた気分で教科書を開くのだった。
本日は長さと切り方の問題で、三話連続投稿します。
21時、22時にも投稿するのでそちらもよろしくお願いします。