【ラブライブ μ's物語 Vol.7】 にこ姉ぇの親友に手を出した話 作:スターダイヤモンド
………
レジに向かおうとした時に、不意に、花陽さんが立ち止まり、カートをぶつけてしまった。
もにょ〜ん…と音がした。
少なくともそう感じた。
「ぴゃあ!」
カートがお尻にぶつかり、押し戻された。
「す、すみません!その…わざとじゃ」
「ううん、こっちこそ。急に止まっちゃったから」
今日の花陽さんはサマーニットと、プリーツ多めのロングスカートという服装だ。
そして素足にミュール。
胸の起伏がハッキリわかる上半身に比べ、下半身はゆったりめである。
それでも、お尻の大きさや形は想像できた。
にこ姉ぇたちとは違い、丸々とした、柔らかそうなお尻…。
これまで、俺が見てきた花陽さんの写真は、バストアップが多く…全身が写ってたとしても、当然ながら、後ろ向きのものなどなかった。
だから、これまでそこに焦点を当てることも、なかったのだ。
しかし、気付いてしまった。
あれ、花陽さんって後ろ姿もエロくない?
…とはいえ…
胸が大きすぎるのも好きじゃない。
乳輪や乳首も同じだ。
そして、もちろん色も重要だ。
自分の中に『このおっぱいが最高!』という基準がある。
しかし、俺は今まで、お尻に関しては何の興味も興味も示さなかった。
そこを見て、興奮することはなかったのだ。
ミニスカートから見えそうなパンツに『おっ♡』と思うことはあっても、その中身…お尻はあまり重要視してこなかった。
ところが…
初めて、お尻を触ってみたいと思った。
白くて、むちむちしていて、柔らかくて…なんて、見たこともないのに、勝手に彼女のお尻を想像してしまう。
今のカートの一撃で、完全に目覚めてしまった。
これまでの俺の人生観が一変したような気がした。
………
「こういう日じゃないと、まとめて買い物出来ないのよねぇ」
買い物を終えたにこ姉ぇが、家へと向かう。
俺と花陽さんという荷物持ち2名を従えて。
「『ろ』と『あ』は普段なにしてるんだよ。買い物行かねーの?」
「一緒には住んでるけど、みんなバラバラに生活してるから。3人揃って食事なんて、滅多にないの」
「家事はどうしてるの?」と花陽さん。
「当番制。まぁ、アタシは地方での公演も多いし、二人にお願いすることが多いんだけど」
にこ姉ぇは『小庭沙弥(こにわさや)』という芸名で舞台女優をやっている。
本名を逆さまにして、さりげなく自分であることをアピールしているところが、自己顕示欲の強い姉ちゃんらしい。
しかし、本人の努力の甲斐あって、大きな劇団に所属しているが『元μ's』の肩書きをもってしても、主役を張れるまでには至ってない。
厳しい世界だ。
だから…自慢の調理の腕を生かし、飲食店でバイトをしながら、食い繋いでいた。
母親もだいぶバックアップしていたようだが…。
舞台一本で食べていけるようになったのは、つい最近のことだ。
本人曰く、少し知名度も上がってきたらしい。
この間は『地方ドラマのエキストラ役をゲットした』と喜んでいた。
それが本当なら初めてのTV出演となる。
マンションに戻った二人は、早速夕飯の支度を始めた。
「なにか手伝うことある?」
その気はないが、訊くだけ聴いてみた。
「大丈夫。TVでも観て、ゆっくりしてて」
言われるがまま、TVを点けるが、土曜の夕方のこの時間、たいして興味のある番組はなかった。
ヒマだな…。
俺はスマホを取り出し、イベント期間中のリズムゲームをすることにした。
そういえば…
俺はスーパーでの会話を思い出し…『ランエボ』…とググってみた。
「…」
これが花陽さんの乗ってる車?
イメージと全然違うんだが…。
聴き間違えたかな?
それとも…親父さんの車を、借りてるとか…。
あぁ…それはありえるなぁ…。
それにしても…。
まさか…走り屋?
そんな文字が頭に浮かんだ。
そうか…
そういうことか!
俺はさっきの、花陽さんとの会話を、頭の中で振り返る。
つまり…ランエボという車をよく知らないまま「いいですね…」などと返事をしたり「乗ってみたい車がスポーツカーだ」と答えたことで、花陽さんは俺がそういうのに憧れていると勘違いしたようだ。
そこに「運転を覚えたいから横に乗せてくれ…」なんて言ったもんだから…「そんなに甘いもんじゃないわよ!ゲームとは違うのよ」…と言った…ってことなのかな…。
それってガチな人じゃん…。
ひょっとして花陽さんて車に乗ると「おらぁ!トロトロ走ってんじゃねぇぞ、こらぁ!」みたいな感じだったりして…。
いやいや、まさかなぁ…。
そんなことを考えながら、キッチンに目をやる。
こちらに背を向けているが、二人が楽しそうに調理しているのわかる。
右ににこ姉ぇ。
エプロンをしたその後ろ姿は、子供の頃のそれと、なんら変わらない。
しかし、久しく見ていていなかったから…なんとなく懐かしくも感じられた。
ご飯の炊けた匂い、味噌汁の匂い、ハンバーグの焼けた匂い…まだ俺が『純だった頃』の記憶が一気に甦ってきて…急に泣きそうになる。
どうしたんだろ、俺…。
ノスタルジックな感情に絆(ほだ)されている場合じゃない。
俺は視線を左に移した。
そこに見えるのは、家から持参したのであろうエプロンを身に付けた、花陽さんだ。
後でギュッと結ばれた紐のせいで、ウエストラインが絞られているから、ことさら、まあるいお尻が、強調されて見える。
これまでなら、そうでもなかったかも知れないが…
今は…
後ろから近付き、スカートをめくりあげ、そのお尻の柔らかさを確かめてみたいという衝動に駈られる。
それが電車の中だったら、完全な痴漢行為だ。
それで…「待って!今、ご飯作ってるから…あとでいっぱいしようね♡」…なんて言われて…。
それでも我慢出来ずに……。
ヤバイ!
妄想が止まらない!
また、ムクムクと息子が起き上がってきた…。
いかん、いかん…。
慌てて、視線を右に戻した。
にこ姉ぇを見て気持ちを落ち着かせる。
彼女が居て良かった…と思うと同時に、居なきゃ良かったのに…とも思った。
複雑な気持ちを抱えながら、料理が出来るのを待ったのだった…。
〜つづく〜
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