【ラブライブ μ's物語 Vol.7】 にこ姉ぇの親友に手を出した話 作:スターダイヤモンド
………
「ご飯炊けたよぉ♡」
花陽さんがこれ以上ない!というほどの幸せそうな声で、俺たちに時を告げる。
「待ってました!」とばかりに、別室にいた『ろ』と『あ』が飛び出してくる。
「こっちも準備OKよ」
厚手のミトンをしたにこ姉ぇが、土鍋をテーブルの上に置いたガスコンロへ乗せる。
火を点けると、蓋がグツグツと浮き上がった。
「お母様も呼んであげればよかったですね」
ころ姉ぇがポツリと呟く。
「そうねぇ…でも、まぁ…こたが来るのは想定外だったし…」
と、にこ姉ぇ。
「♪女の中に、男が一人〜」
こあ姉ぇが古典的なフレーズで俺を煽った。
上の二人と比べると、歳が近いからなのか、俺への扱いが雑だ。
「あぁ?だから俺は帰るって言ったんだよ」
「はい、はい!くだらないこと言わないの」
ころ姉ぇが諫めた。
彼女は…恐らく、4人の中では一番頭もいいし、一番しっかりしている。
だが、裏を返せば、真面目すぎる気もする。
仕事が恋人…とか言って、彼氏が出来ないパターンの人だ。
まあ、俺が心配することではないのかも知れないが…。
「さあ、好きなだけ食べなさい!!」
「いっただきまーす」
にこ姉ぇの合図で鍋の蓋を開けると、立ち上がる湯気と共に、鰹と昆布で取ったダシの匂いが鼻をくすぐった。
「カンパ〜イ!」
にこ姉ぇとこあ姉ぇ…そして花陽さんは、チューハイを入れたグラスをカチンと合わせた。
まだオレは酒は呑めないが、3人のそれが、実に美味そうに見える。
「いいなぁ♡…私も少し欲しい」
と、こあ姉ぇが自分のグラスを突き出した。
「だ〜め!お酒は二十歳になってから!」
「舐めるくらいはいいでしょ?」
「ダメです。舐めただけでも酔っぱらうかもしれませんよ」
「アタシだってやっと、1缶飲めるようになったんだからぁ」
「わかってないなぁ…だからこそ、今からテストしておく必要があるんじゃん」
こあ姉ぇは引かない。
「ダメなものはダ〜メ!」
にこ姉ぇも譲らない。
「ここあちゃん、あと2年我慢しよ?昔から『お酒は百薬の長』…なんていうけど、一歩間違えると大変なことになっちゃうんだよ」
と花陽さんが優しく諭す。
「とくに女子はねぇ…男と違って正体なくしたりしたら、悲惨な目に遭うんだからぁ」
にこ姉ぇが言葉を続ける。
「それは…わかってるけどさぁ…」
「アンタはノンアルで我慢しなさい」
「なんだぁ、あるんじゃん♡」
「本当はノンアルコールでも、未成年には勧められないのですが」
「本当は…ね」
「今日は特別、許可するわ。…こたは?」
「飲んでいいなら、俺もらおうかな」
ゴクッ。
うん、これは…ジュースだな…。
〜つづく〜
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