【ラブライブ μ's物語 Vol.7】 にこ姉ぇの親友に手を出した話 作:スターダイヤモンド
その15『ハプニング』
………
「じゃあね!もうタクシー来ると思うから」
「お気を付けて」
「ありがとう。にこちゃんに宜しくね」
「はい」
「ご馳走様」
「いえ、こちらこそ。メッチャ美味しかったです。また来てくださいね」
「うん」
「こた!」
「あ、はい…下まで送ります」
俺は靴を履いた。
「大丈夫だよ。もう涼しいから、中に居て」と、花陽さんが俺を制す。
「いえ、俺もそのまま帰りますんで…」
「帰るの?」
「チャリが無事なら…ですけど」
「そっか…なら一緒に下まで…。じゃあ、ここあちゃん…おやすみ」
「はい、おやすみなさい。こたも、気を付けて帰んなよ」
「おう…じゃあな…」
俺は先を歩き、花陽さんをエレベータへと導いた。
エレベーターの中に入り、1Fのボタンを押す。
ドアが閉まる。
いつものように、箱が動き出す。
その時だった!!
ごごぉん!
振動と共に、エレベーター内の明かりが消えた。
「ぴゃあ!!」
「なっ…停電?」
「うそ?」
「嘘もなにも…」
「…」
「…」
「動かない…ね…」
「…はい…」
最初はすぐ復旧するだろうと高を括っていたのだが、どれだけ待っても、うんともすんとも言わない。
「これ、押してみます」
俺はスマホのライトを点灯させ、設置されている緊急時の通話ボタンを押した。
通じない…。
今度はそこに表示されている電話番号に掛けてみる。
通じない。
どれだけ掛けても話し中だ。
ひょっとして…。
悪い予感は的中した。
入れ替わるように、こあ姉ぇから電話が入った。
やっぱり停電が発生したらしい。
どうやら、それはマンションだけじゃないようで、窓の外は真っ暗だという。
俺は、花陽さんとエレベーターにいるが、緊急連絡先には繋がらず閉じ込められたことを伝えた。
「わかった。消防に連絡してみるから…大人しく待ってなさい。地震とかの災害じゃないから、すぐに直ると思うけど…」
「あぁ…」
あぁ見えても、一応は姉なんだな…と感慨深くなった。
花陽さんが、俺に自分のスマホの画面を見せる。
SNSの書き込みを見ると、どうやら落雷の影響で、近くの『変電所が逝っちゃった』らしく、周囲一帯、大規模停電となっているようだ。
便利な世の中だ。
電波さえ繋がれば、情報は手に入る。
「ちっ!大規模停電だと…これじゃいつ復旧するかわからないぜ」
「こっちはもう寝るだけだから…暗くても困らないけど…」
「おいおい、寝るなよ!」
前言撤回。
やっばり、コイツは俺の扱いが雑だ。
「あはは…物の例えじゃん」
「冗談言ってる場合か!下手したら朝までコースもあり得…」
「そうならないように祈るわ…今は、様子を見るとしか…すぐに動くかも知れないし…」
「…わかった…」
「また後で電話する。こっちもバッテリー無くなったら、連絡できなくなっちゃうから」
「…あぁ…そうだな…」
俺が通話を切ると同時に、今度は花陽さんのスマホが鳴った。
それは「マンションの前に着いた」というタクシー運転手からの連絡だった。
花陽さんが状況を伝えると、しばらく待っている…との返事が聴こえる。
場所に寄っては道が冠水しており、信号も消えていて、街も真っ暗な為、逆に怖くて車を走らせられない…とも言っていた。
「はぁ…困っちゃったね…」
花陽さんが大きなため息をついた。
「自家発電とか作動しないんですかねぇ」
「どうなんだろう…地下階とかにあったら、ダメかもしれないね」
「地下にあったらダメなんですか?」
「大雨で水浸しになっちゃったら、機械が動かなくなっちゃうから」
「あっ!…確かにそうですね…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「まぁ、立ってても疲れますし…座って待ちましょう」
暗闇の中、何もすることが出来ず、取り敢えず、そう促した。
「うん、そうだね」
俺は壁に寄り掛かりながら、腰を下ろした。
〜つづく〜
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