【ラブライブ μ's物語 Vol.7】 にこ姉ぇの親友に手を出した話 作:スターダイヤモンド
「あ、あの…花陽さん…」
「はい」
「花陽さんは…こんな状況だっていうねに、意外と冷静ですね…」
「そう見える?」
「真っ暗なんで、何も見えないですけど」
「ぷっ!こたろう君こそ、こんな時によくそんな冗談言えるね」
「あっ、すみません、そう言う意味じゃ」
「そうだなぁ…昔の私なら…すぐに『誰か助けてぇ…』って、叫んでたかも」
「そうなんですか?」
「でも…それなりに年齢を重ねて…強くなったのかなぁ…」
「はぁ…」
「可愛げ…ないかなぁ…」
「い、いや…そんなことないです…逆に心強いです!」
「なぁんてね…」
「えっ?」
「本当は口に出さないだけで…心臓がバクバクしてるんだよ?」
「マジっすか?」
「でも、ひとりじゃないから…こたろう君がいてくれて、よかった。ありがとう」
「そう言ってもらえて嬉しいです」
「うん」
そんな会話をしたあと、しばしの間、沈黙が続いた
「あの…花陽さん…」
「はい」
「花陽さんは…その…彼氏とかいるんですか?」
「急に?」
「いや…連絡しなくていいのかな…って」
「う〜ん…そんな長く掛からないと思ってるんだけど…」
「このまま一生出られないかもしれないんですよ」
「そうならないことを祈ってるんだけどなぁ」
「だといいですけど…」
「うん…」
「…で…結局どっちなんですか?」
「ん?」
「彼氏です」
「気になる?」
「そりゃあ…まあ…いない訳がないと思いますが…念の為…」
「念の為?」
「なんでもないです」
「今は…フリー…だよ」
「今は…ですか」
「いない歴、1ヵ月ってとこかな…ふふ…だから別れたてホヤホヤ?」
「あ…すみません…地雷踏んじゃいましたね」
「ううん、別に…」
「どうして別れちゃったんですか…」
そこまで踏み込んでいいものか…と思ったが、訊かずには居られなかった。
花陽さんがフッたのか、フラれたのか…俺なら絶対逃がさないのに。
「…どうしてかなぁ…原因不明…」
「えっ?」
「未だ分析中」
「分析中…ですか」
「お互い好きだ…って思ってても、それだけじゃ上手くいかない…ってことかな」
「…深いっすね」
「深いねぇ…」
その瞬間、俺は花陽さんが息を詰まらせたように感じた。
「…」
「…」
「…」
「…」
「…z…」
「…」
「…z…zz…」
「…」
「…zzz…zzz…」
「!!」
「zzz…zzz…zzz…」
「…花陽さん…寝てます?…」
「…zzz…」
「花陽さん?」
本来ならこの緊迫した状況で、眠れるハズがない。
しかし…
真っ暗闇の中、なにもすることなく、ひたすらエレベーターが動くのを待つ…もしくは救助がくるだけの状態。
加えて、いくら強いとはいえ、花陽さんはお酒を飲んでいる。
眠気が襲って来ないわけがない。
もっとも…俺が男として警戒されてないとも言えるが…。
〜つづく〜
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