※この作品はR-18です。

【ラブライブ μ's物語 Vol.7】 にこ姉ぇの親友に手を出した話   作:スターダイヤモンド

5 / 71
その5『昔話』

 

洗面所で入念に手を洗い『密室で起きた事件』の痕跡を消す。

念の為、傍にあった消臭剤のスプレーを服の上から吹き付けた。

これで偽装工作は完璧だ。

 

 

 

俺がリビングに戻ると、既に二人は母親からもらってきた洋菓子でお茶を始めていた。

 

「こたは何飲む?母乳?」

にこ姉ぇがボケると、花陽さんがくすっ…と笑った。

 

「なんでだよ!そもそも出ないだろ!」

 

「出たら飲むの?花陽、出してあげて」

 

 

 

「ええっ?」

俺と彼女と、同時に声をあげた。

 

 

 

「花陽さんて、赤ちゃんいるんですか?」

 

「えっと…まだ独身なんだ…」

と苦笑する花陽さん。

 

 

「冗談よ、冗談!」

にこ姉ぇは、俺の背中をどん!と叩いた。

 

 

 

「なんだよ!そんな冗談、誰得なんだよ!コーヒーでいいよ、コーヒーで」

 

「ふ〜ん…砂糖とミルクは?」

 

「いらない」

 

 

いつまでも子供扱いされるのがイヤで、嘘をついた。

ブラックなんか飲んだことない。

 

でも…

 

花陽さんに、バカにされたくはなかった…。

 

 

 

それからの二人は、終始、昔話に花を咲かせた。

当然、メインテーマは『幼い頃の俺』だ。

 

やれ『ピコピコハンマーが無いと泣く』だの『お気に入りのタオルケットじゃないと眠れない』だの…にこ姉ぇは敢えて花陽さんに話さなくてもいいようなことを、ひたすら暴露した。

 

 

「乳離れが一番遅かったのも、アンタだったわよ」

 

「う、うるせ〜よ…」

 

「替わりにアタシがおっぱいあげたことがあるんだからぁ」

 

「えぇ!?にこちゃんが?」

 

「出なかったけどね」

 

「当たり前だろ!」

 

「それでね…また泣くの」

 

「騙されたと思っちゃったのかな?」

 

「それがおかしくてね」

 

「笑っちゃ可愛そうだよぉ…にこちゃんも意地が悪いなぁ」

 

「断乳よ、断乳!」

 

 

俺にとっては耳タコの話である。

だが、なにもそれを花陽さんの前で話さなくても…。

 

公開処刑とは、こういうことを言うのだろう。

 

 

 

「そういえば…私もこたろう君から『おっぱい』って言われたことがあったかも」

 

 

「えっ?」

 

 

「その時は『う〜ん…お姉ちゃんはおっぱい出ないんだ』なんて言って、ごめんなさいしちゃったんだけど…」

 

「はぁ?…こた、アンタ、ドサクサに紛れて何言ってるのよ。もう、その時は、卒業してるハズでしょ」

 

「待って!それは誤解だ!それは記憶にない!いくらなんでも…花陽さん、それネタですよね?」

 

「う〜ん…どうだったかなぁ…」

 

「いや、いや、それはいくらなんでも…」

 

「私ね、小さい頃、保母さんになりたかったの。だから、その時、男の子っていくつになっても、こういうことを言うんだな…って、勉強になったんだ」

 

「はぁ、そうですか…お役に立てたなら、何よりです…」

俺は恐縮することしか出来ない。

ブラックのコーヒーが、死ぬほど苦く感じた。

 

 

 

「まぁ、確かに…子供は無邪気な顔して、セクハラしまくるからね」

 

「そういう意味では、希ちゃんにだいぶ鍛えられましたけど…」

 

「本当、アイツに何度、胸を揉まれたことか」

 

 

 

姉ちゃんは、揉まれるほど無いじゃん…と思ったが口にはしなかった。

 

ん?

じゃあ、花陽さんもされたってことか?

希さんて、あの希さんか…。

羨ましすぎる…。

 

 

 

「アンタ、花陽には、さんざん面倒見てもらったんだから、感謝しなさいよぉ」

 

希さんが花陽さんの胸を揉んでいる姿…をイメージしようとしたとたん、不意ににこ姉ぇが、そんな言葉を俺に放った。

 

 

 

いや、それはもう…

ずっと世話になりっぱなしで…

そういう意味では感謝してもしきれない。

逆にどうお礼をしたらよいか…なんて考えている次第で…。

 

 

 

「でもね、にこちゃん。私には姉妹兄弟(きょうだい)がいないから、あの時はちょっとお姉さんの真似事ができて嬉しかったよ」

 

「そう言ってくれると、アタシも楽になるのよねぇ…。なんだかんだ言って、アンタのその性格に甘える部分があったから」

 

「そんなぁ…全然気にしてないよ」

と花陽さんは、二度三度と顔の前で小さく手を振った。

 

 

 

感想をお聴かせ下さい。

  • エロい
  • 面白い
  • ふつう
  • つまらない
  • 期待外れ
  • その他
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。