【ラブライブ μ's物語 Vol.7】 にこ姉ぇの親友に手を出した話 作:スターダイヤモンド
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にこ姉ぇは苦労人だ。
詳しい話は省略するが、仕事で出張が多い母親の替わりに、ずっと俺たちの面倒を見てくれた。
別に貧しい暮らしをしていたわけじゃないが、食べることに困らなかったのは、いつもにこ姉ぇが美味しい食事を作ってくれたからだった。
だから、俺は…にこ姉ぇには逆らえない。
どれだけ口煩(くちうるさ)く、あーだこーだと言われようとも、この人を困らせることは出来ない。
口では反発するものの、結局は指示従ってしまうのだ。
それは、ころ姉ぇもこあ姉ぇも同じだろう。
そんな、にこ姉ぇの『黒歴史』は高校1〜2年だったらしい。
サークルを自ら立ち上げたが、一緒に始めた仲間とは上手くいかず…ほぼ部室に引きこもり状態。
家ではそんな素振りを見せなかったけど…いや、幼かった俺が気付かなかっただけかも知れないが…その時の精神状態はどん底だった…とあとから聴いた。
そして…それを救ってくれたのが『μ'sのメンバー』だった…ということも。
その中でも、にこ姉ぇにとって特別な存在だったのが…今、俺の目の前にいる…花陽さん…だ。
「花陽がいなかったら…アタシは、またどこかで独りになっていたかも…」
よく、そんな言葉を口にしていた。
「みんなは…アタシたちのことを『師弟』っていうけど…アタシはこれっぽっちもそんな風に思っちゃいないわ」
「花陽はね…親友なの。ううん…そんな言葉じゃ言い表せないくらい、大事な存在…。どっちが上とか下とかじゃなく…心の底から理解し合える…一生離したくない大切な娘なの」
「…花陽と一緒にいるとね…絶対に嘘ついちゃいけない…そう思うのよ」
「こころたちも…そういう友達、見つけなさいよぉ!絶対、アンタのことを理解してくれる人が、世の中にはいるんだからぁ」
当時の俺には、良くわからない言葉だったが、時が経つに連れ、その意味を理解するようになる。
運命が…もし、どこかでひとつでも歯車が狂っていたら…今のにこ姉ぇはいなかったかも知れないし、今の俺たちも存在しなかったかも知れない。
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……
…
「あの…花陽さん…」
「?」
「姉を…俺たちを助けてくれて…ありがとうございます!!」
俺はイスから立ち上がって、深々と頭を下げた。
自分でもビックリするくらい、自然に出た行動だった。
「へっ?」
花陽さんは突然飛び出した俺の言動にに、目をパチクリとさせてる。
「ぷふっ!アンタ、いきなり何を言い出すのよ」
先に笑い出したのは、にこ姉ぇだ。
「ふふ…こたろう君、どうしたの急に」
花陽さんもつられて笑った。
「いや…その…」
「あひゃひゃひゃ…なんか悪いものでも…食べたんじゃない?…あ〜おかしぃ…」
俺の気持ちも考えず、にこ姉ぇが笑い続ける。
「にこちゃん、ダメだよ、そんなこと言っちゃ…」
「だって…くくくくく…意味わかんな〜い」
「ぷっ、そこで真姫ちゃん出しちゃう?…あはは…ズルいよ、それは…ふはははは…」
俺には何が面白いのかわからないが、花陽さんも堰を切ったように笑い始めた。
「えっと…えっと…」
俺は…なんとかして取り繕うとしたのだが…二人は思いっきり『ツボ』に入ったらしく、腹を抱えて笑い出した。
こりゃ、ダメだ…。
所在をなくした俺は…この隙に帰ろう…と玄関に向かった。
ところが…だ。
〜つづく〜〜
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