※この作品はR-18です。

【ラブライブ μ's物語 Vol.7】 にこ姉ぇの親友に手を出した話   作:スターダイヤモンド

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その9『言い訳』

 

その時だ。

 

 

 

「あっ、矢澤じゃん」

 

 

 

「!!」

 

 

 

俺に気が付いた同級生が声を掛けてきた。

大倉っていう女子だ。

 

通称『ジョニー』。

芸能人で例えるなら『宮下愛』に似ていて…俺はまったく彼女に興味はないのだが…割りと男子の人気者は高い。

 

 

 

「な、何してるんだよ、こんなところで」と間が悪い時に使う、お決まりのセリフを吐く俺。

 

「買い物に決まってるでしょ」

 

「そ、そりゃそうだ…」

予想通りの答えが返ってきた。

 

「そっちこそ…こんなところでデート?」

花陽さんをチラ見しながら、大倉が呟く。

 

「バカ!なに言ってるんだよ。あんな歳の離れた人が彼女の訳ねーじゃん。姉ちゃんの友達だよ、姉ちゃんの!」

 

「歳の離れた?」

 

「あの人…ひと周り近く、上」

 

「ウソ?見えない…」

 

「嘘じゃねーよ。俺からしたら、おばさんみたいなもんだし」

 

「へぇ…おばさんねぇ…」

 

「なんだよ…」

 

「まぁまぁ…黙っててあげるから、本当のことを言いなよ」

 

「本当のことだっつうの!」

 

「ムキになると余計に怪しく見えるよ」

 

「ムキになってねーし!」

 

 

 

俺は小中の時は、先生からも先輩からも『矢澤の弟』と呼ばれていた。

良くも悪くも、姉3人の名前が付いて回る。

『4代目』なんてあだ名で呼ばれたりもした。

 

俺はシスコンだと思われたくなくて、ずっと「姉ちゃん、関係ないし…俺は俺だし」みたいなキャラを演じてきたが…正直、姉たちのお陰で色々守られてきたり、助けられてきたりした部分もある。

 

高校では…同じ中学から進んだ先輩や同級生…は知っているけど、大抵の人は姉の存在を知らない。

 

もちろん、この大倉だって知らない。

 

 

 

「…っていうか、矢澤ってお姉さんいるんだ」

案の定、訊かれた。

 

「あぁ…まぁ…3人ほど」

 

「へぇ…」

 

「…で…一番上の姉ちゃんの…友達」

 

「なるほど」

 

 

 

一緒にいたのが花陽さんじゃなく姉とだったら『彼女』と間違われることはなかっただろう。

俺たちは顔がみんな気持ち悪いほど似てる為、一目で兄弟姉妹(きょうだい)とわかるからだ。

 

 

 

 

 

「こたろう君のお友達?」

鮮魚コーナーで品定めをしていた花陽さんが、生牡蠣のパックを手に戻ってきた。

そして俺たちを見るなりそう訊いた。

 

 

 

「あ、はい…矢澤君のクラスメイトで…」

大倉が頭を下げた。

 

「こたろう君の彼女?」

 

「い、いえ…違います!全然、全然…ただの同級生です」

 

「は、はい…コイツはただの同級生で…」

 

「ふふ…ムキになると余計に怪しく見えるよ」

 

花陽さんのその言葉を聴いて、ぷっ…と大倉が吹き出した。

 

 

 

「?」

花陽さんが首を傾(かし)げる。

 

 

 

「えっと…今、その会話をしたばかりで…なぁ?」

 

「うん…」

 

 

 

「誰と?」

 

 

 

「コイツと…。コイツが花陽さんのことを彼女?なんて訊くもんだから」

 

 

 

「!?」

 

 

 

「だから、そんなんじゃねーよ。姉ちゃんの友達だよ…って説明してたところで」

 

 

 

「♪」

花陽さんの顔がほころんだ?

 

 

 

「どうしました?」

 

 

 

「彼女に見られたってことは…私もまだまだ捨てたもんじゃないのかな…なんて♡」

 

 

 

「そりゃあ、まだまだ全然です!全然イケてます!」、、

 

「あれ?矢澤、さっきこんな歳の離れたおばさんが彼女の訳ねーじゃ…」

 

「お〜い!!」

 

 

 

「お…ば…さ…ん?」

 

 

 

「あっ…いや…それは…その…言葉の綾ってやつで…」

 

「うわぁ、調子いい…」

大倉がニヤリとした。

 

「うるさいよ」

俺は顔をしかめた。

 

 

 

「へぇ…普段のこたろう君…ってこんな感じなんだぁ」

と、今度は花陽さんが俺を見て、ふふふと笑う。

 

 

 

「あ、いや…」

 

こんな感じって…どんな感じなんだ?

狼狽える俺。

 

早く消えろよ!と花陽さんに見えないよう、大倉に手でサインを送る。

 

 

 

それを察したのか「すみません、お買い物の邪魔しちゃって…」と大倉は、しおらしく花陽さんに頭を下げた。

 

「ごゆっくり♡」

 

別れ際、俺の耳元でそう囁いて、買い物客の中に姿を消した。

 

 

 

 

 

〜つづく〜

 

 

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