異能剣戟ダークファンタジーなエロゲ世界に生まれた者、バッドエンドで妖怪に穢され闇堕ちしたヒロインの生きる希望となり最強の特級剣士として在り続ける 作:三流木青二斎
「やめっ、てッ、いやッぁッ!!」
脳裏に過る凄惨な過去、彼女の全てを奪った忌々しい事件。
時を超えた今でも恐怖が身を捩り、喪失感と共に起床する。
「う、ぁ……はっ」
露わとなった裸体を見る、容貌は少女の様の如く童顔。
肉体は
元の肉体は痩せ細ったおうとつの無い垂直な線を描く胸元。
すとんと、滑らかな陶磁器の様に線を描いていたが、乳房に祅霊の体液を注入された事により女性としての魅力が肥大化……少女では無く、母胎として発達していた。
肉体に植え付けられた祅霊の種子、体内を蝕む毒性が呪いとして穢れを発症させる。
薬が無ければ満足に戦う事すら出来ない、剣士としての欠落と化した淫靡な躰。
「はぁぁ……はぁぁッ……」
身体が火照り出す彼女は熱の籠った吐息を口から漏らした。
ゆっくりと男の方に劣情を乗せた瞳を向けている。
祅霊の母胎として幼体を産むだけの運命だった彼女を救った…唯一の存在。
口元寂しく彼女は薄桜色の唇を近づけて彼の舌先を舐る。
「はむ、ちゅ……ぇら、ちぅ……っ」
水滴が弾ける音が響き、熱と熱が絡まり、嬌声が甘く零れ出した。
造られた肉体は、何時の間にか一人の男を悦ばせる為と化す。
雌として目の前の雄に全てを委ねようとしていた。
「うぉおおお!!」
暗い洞窟の中で刀を大きく振り回す。
刀身から斬撃のビームが放たれると、人類の敵である祅霊を切り裂いた。
「すげぇええ!!」
「ようやく斬撃を飛ばせる様になったぜ!!」
「祅霊とか余裕過ぎんだろッ!!」
先頭では刀を持つ同学年の生徒達が祅霊と一体討伐して過信を得ていた。
彼らのやる気と熱気は他の生徒達にも伝播していき戦闘意欲を助長させたのだが。
その中で一人だけ、やる気の無さそうな生徒が冷めた顔をしながら歩いている。
他の生徒たちとは交わらぬ様に、一人、最後尾を歩いていた。
「……」
彼の名前は
試刀院学院の生徒で、戦闘順位では三十名中十五位の奈流芳一以は平均的な戦闘能力。
その結果は実力を出して……と言うよりかは、その順位に甘んじていると言った具合だ。
奈流芳一以は、集中力に欠けている、脳内では常に終わりを求めていた。
(早く、終わらないかなぁ……)
そんな事を考えながら周辺を警戒している。
集団で活動している皆とは少し離れた位置で静観を決め込んでいる。
奈流芳一以に対して、集団の輪から離れ、彼の元へと駆け寄る者が居た。
「なにスカしてんだよ、一以」
幼少期の頃からの幼馴染である、
兄弟とも言える関係性である好青年に対して、奈流芳一以は愛想笑いを浮かべる。
「……いや、早く終わらないかなって、思ってさ」
「じゃあお前も討伐に参加しろよ、そうすりゃスグにでも終わるだろ?」
調子の良い事を口にしながら、肘で脇腹を強く突いた。
彼の気の抜けた表情は愛玩動物の様に人懐っこい。
指先の震えも、なんとなく忘れられそうだった。
「……いや、今更、本気出してもなぁ」
試刀館学院に入学して一年余り、鍛代斬鉄と共に過ごし自らの実力を過信した。
刀を扱い悪を討つ、正義の味方とも言える優秀な抜刀官になる為に最優秀成績を残そうと躍起したのだが、戦闘力を試す模擬戦闘で奈流芳一以は緒戦であの銀嶺白乃と出会ってしまった。
親族全員が抜刀官である
彼女との模擬戦闘は奈流芳一以には深い傷を受ける事になった。
肉体による傷では無い、心を折る凄惨な精神と矜持を傷つける行為。
敗北を嫌と言う程に刻み込まれた奈流芳一以に銀嶺白乃は強者故の傲慢を叩き付ける。
『弱いね、抜刀官には向いてないよ、……さっさと辞めてしまえば?』
侮辱ともとれる言葉に、怒りを通り越して諦観を覚えた奈流芳一以は、絶対に抜刀官になると言う熱量が冷えていくのを感じた。
その日から、奈流芳一以は悩み続け、この学園を辞める瀬戸際にまで自らを追い込んでいた。
「まだ、あの頃の事を引き摺ってるのかよ?」
敗けた時から、戦闘に意欲的では無くなった。
まるで怒られた少年の様に、言葉数も少なくなっている。
事実、現状の彼は幼少期の様な精神状態に戻っている。
余程、敗北が心の傷を残した様子で戦う事に関して恐怖すら憶えていた。
「……良いだろ別に、それよりも、お前はどうなんだよ?」
逆に、鍛代斬鉄は彼女の強さに惚れ込んでしまった様子だった。
圧倒的な実力を持つ彼女に対して拮抗する戦闘能力を持つ鍛代斬鉄は強さを求めて彼女に責め込んでいる。
「お前も次の試刀試合は本気を出せよ?……このオレと本気で稽古してんだから、絶対に次は敗けねぇよ」
彼の気合の籠った熱意に奈流芳一以は嬉しく笑みを浮かべてしまう。
(まるで、物語の主人公みたいだな……)
根暗な自分とは違う根明な親友。
決して嫌味は無く、むしろ幸せを願ってしまう。
自分とは違うからこそ、憧れを抱いてしまうのだろう。
だけど、それももう終わりにしなければならない。
「頃合い、だなぁ……」
奈流芳一以は、試刀生を辞めようとしていた。
これ以上、この組織に属した所で、奈流芳一以の熱意が再熱する事は無い。
もっと別の道を歩いて行けば、まだ自分の目標に可能性を見出せると思った。
(この巣窟を終わったら、退学届けでも出そう……アイツの迷惑にならない様に、別の道を歩むんだ)
唯一無二、凍て付く心に熱を与えてくれた親友を想い、邪魔にならない様に辞める決心を結ぶ奈流芳一以だったが。
「……?」
洞窟の中を歩いていると思っていたが、地面が肉の様な感触に変わった事を、奈流芳一以は不思議に思った。
同時に奈流芳一以が通った通路、出口側が一瞬にして閉まった。
「え……ぁ、ッ?!」
奈流芳一以の脳内に浮かぶ恐怖。
祅霊と言う存在と、奈流芳一以が最後尾と言う事。
狡猾な祅霊は人間を喰らう事で成長する、貪欲な存在であれば……剣士であろうとも、一人も残さず喰らうだろう。
「っ…祅霊だッ、祅霊の中だ、此処はッ」
そう叫ぶと同時に、地面、壁、天井から、数多の触手が生えてくる。
その全てが、祅霊の腸に這入った者たちに向けて伸びていく。
(『試刀流斬』ッ、いや『炉心た――)
一瞬の迷いが、全てを失う要因となった。
奈流芳一以に向けて触手の刺突が繰り広げられる。
「ぐぁッ!」
その一撃で、奈流芳一以の眼球が抉れたと同時、壁に叩き付けられる。
そしてそのまま、奈流芳一以の肉体は、壁に埋もれていく。
(う、迂闊……だ、った、ま、ず……ッ)
激痛よりも強く、阿鼻叫喚が耳の奥に聞こえて来る。
「ぎゃ、ぁあああッ」
「やめ、やめろ、お、ごぁッ」
「!た、たすけッ!べぎゃッ」
生徒たちが、触手によって無惨に殺されていく。
先端が鋭く鋭利化し、四方八方から触手が生徒を切り刻む。
血が周囲に飛び散り、絶命の声が響き渡る阿鼻叫喚。
(ぎ、ぁ……し、死ぬ、のかっ?、い、嫌だ、死、死ねなッ)
生徒達の絶叫を聞きながら……奈流芳一以は、意識を失った。
後衛が阿鼻叫喚の生き地獄と化している中。
それに気付かぬ前衛は、ただ前を歩き続ける。
「あ、あのッ!銀嶺さん!!」
声を掛ける一人の女子生徒。
彼女の声に対して、銀嶺白乃は一瞥しただけで彼女の存在を無視した。
「え、ぇっと……銀嶺さんは、なんで抜刀官を、目指して……いるの?です?」
そのまま質問を行うのだが、やはり彼女は何も答えない。
明確に無視をされている事は理解しているが、それでも女子生徒は折れずに話を続けた。
「あ……えぇと、私は、あの、憧れている人が居るんです、銀嶺さんのお兄さん、戦ってる所が恰好良くて……だから同じ抜刀官になりたいな、って」
まるで其処に何も居ないかのように接している。
だがそれは、銀嶺白乃がただならぬ気配を感じていた為だ。
空間が変化している、石碑の様な壁は腸の中の様な弾力に変わっていた。
最初から、空間そのものに擬態していたのだろう、だから気が付くのに遅れたと銀嶺白乃は思った。
同時、其処には壁から生える触手が見えた。
「っ!?祅霊ッ」
女子生徒が腰元に携える刀を引き抜き、切り掛かろうと刀を振る寸前で……祅霊の触手が刀を弾いた。
「ひッ」
刀を弾かれた一人の女子生徒は恐怖で後退り尻持ちを突く、触手の先端が刃と変わると、女子生徒を突き刺そうと飛び出した。
「
空気を吸い込んだと同時に肌から煙が発散される。
表皮から迸る紫電の糸が彼女の肉体を強化すると、触手に向かって飛び出した。
白銀の少女は刀を振り抜き、一瞬にして触手を切り裂くと彼女は刀身を鞘に納める。
「……ふ、はぁ」
彼女は小さく息を漏らし、其処で初めてその場に腰を下ろす女子生徒に視線を向けた。
「……ねぇ、そんな実力で、どうしてこんな危ない所に来たの?」
苛立ちを隠せない様子で、銀嶺白乃は女子生徒に冷たく言い放つ。
彼女は俯いたままだったが、刀を掴むと立ち上がる。
「……今は弱いけど……きっと、これからッ」
彼女の目には涙が溜まっていた。
先程の戦闘で恐怖し、委縮していたかと思えば、未だに戦闘の意思と言うものが感じ取れた。
「……力が弱いと、こっちが危険なんだけどなぁ……」
溜息を口にしながら、前方を歩き出す。
こういった相手には何を言っても無駄だと思った。
心の中で、自分と戦った青年の心を折っても尚、学園を去らなかった様に。
経験則の中で、この女子生徒は必死になって食らいつくだろうと思ったのだ。
そして。
「何時か、貴方にだって、追いつい……」
最期まで彼女が言葉を口にする事は無かった。
そして、女子生徒が言葉を遮った事に対して、不審に思った彼女は振り向く。
「…っ」
その女子生徒は首から先が消えていた。
首先から血を流しながら、立ち尽くしていた女子生徒は、ゆっくりと倒れていく。
先程、倒した筈の触手が、壁や、地面から生えていた。
(壁が動いた……さっきの触手は、単なる一部?)
刀を引き放つ。
一瞬、焦りを浮かばせた彼女は、肉体から力を放出しようとして。
「うッ!」
背後から伸び出した触手に後頭部を強く殴られた。
一瞬、意識を失う彼女は、手から刀を離してしまい頭部から血を流している彼女は、そのまま地面に倒れた。
視界が白黒に変わる最中、彼女の足首を掴む、生暖かい腸の様な感触。
「ぇ……」
薄桃色の触手が、彼女の体を引き摺り、巣窟の奥深くへと連れて行く。
彼女の手元から刀が離れていく、地面に引き摺られる彼女は、潤滑液を塗った合成樹脂の様な質感を肌で感じていた。
「……ぇ、あ」
頭部を殴られた衝撃は次第に薄れていく。
足首を掴まれた彼女は持ち上げられていき、そして宙吊りとなった。
スカートが捲れる、黒色のタイツと、白色の下着が露わとなる。
「……は、ぁッ……? !?」
そして銀嶺白乃は漸く意識を取り戻す。
顔を上げて、自分が触手に捕まった事を悟った。
「く、ッ離しッ」
抵抗しようとする銀嶺白乃だが、触手は暴れ出す彼女の両手を縛り付けて行動を制限させ、触手が彼女の肉体を這っていき、蚯蚓の様な触手から分泌される液体が彼女の衣服を溶かしていった。
「な、ぁッ ぐぷっ?!」
開いた口に触手が突っ込まれる。
その先端から体液が分泌されると、彼女の肉体に無理矢理流し込まれた。
「んぐぁッ……けほっ……はっ、はっ……?!」
体液を流し込まれた事で、彼女の肉体は重たくなる。
体中が熱くなって、段々と、肉体が内側から撫で回される感覚を覚えた。
「い、や……ァ」
部屋中の壁から、多くの触手が生え出した。
それらは、体液によってぬめりだして、数え切れない程の触手が、銀嶺を狙っている。
彼女は理解している。
人の死によって産まれた祅霊は、その死ぬ前の願いを抱いて生まれる。
死の寸前の願いとは、人間の欲が色強く出る。
それは、三大欲求が根本ともなるだろう。
安らかに眠りたい。
色んな食べ物を食べたい。
……もっと、性欲を発散させたい。
生物として基本的な死が間近になると子孫を残したいと言う衝動。
極めて原始的な願いが、祅霊の活動原理となる。
そして……この触手たちは、性欲を発散させ、子孫を残す、と言う行動に忠実だ。
彼女は、その母胎として選ばれた。
逆を言えば母胎として最適では無い者たちは不要であると言う事。
肉体を破壊し、生命としての活動を終わらせる。
その後、遺体を栄養素として吸収する事で更なる肥大化を行わせる。
試刀館学院の生徒・総勢三十名は触手によって殺され、肉体が壁に埋もれる。
肉体を消化されていく彼らは、生命を失った遺体から順番に吸収されていた。
触手の先端。
象牙の様に白く、細く鋭い切っ先が銀嶺白乃の乳房に近付く。
肉体に流し込まれた触手の分泌液により、銀嶺白乃の肉体は発熱を起こす。
「は、ァッ、はぁッ」
荒く呼吸を続けながら、銀嶺白乃は潤んだ瞳で自分の米粒の様な乳首に向けて触手の針が肉に食い込んだ。
ぷつりと、鋭い痛みが乳首を貫通すると、その痛みが全身に突き抜けると共に銀嶺白乃は喉奥から声が漏れ出す。
「あッ~~~ぃ、ぐッ」
触手の分泌液により、彼女の肉体は麻痺していた。
外部から発生するあらゆる衝撃が性的刺激へと変換されて、身体の奥底から迸る熱が彼女の絶頂を迎えさせた。
得も言えぬ快感が、乳首に流れ出す。
触手が管の様に、針から注入される液体が、どくん、どくんと、彼女の乳房に向けて流れ出す。
次第に、彼女の乳房は触手の体液と混ざり合い、脂肪が増加していくと共に、その小さな体には不釣り合いな巨乳へと変化していく。
「ッ、ぁ、やぁッ」
触手の針がゆっくりと乳首から離れていく。
おうとつの無いすらりとした胸元は、下品なまでに膨れ上がった乳房が彼女の荒い呼吸と共に微かに胸を揺らしていた。
触手にとって、理想的な肉体へと変化したのだろう、薄桃色の触手が表層に粘液を分泌しながら、銀嶺白乃の乳房に絡まると、入念に乳首を触手の先端に弄繰り回す。
「ふッ、ぐ、ッぅ、ぁっ、っあ、んっ」
声を漏らし、興奮を隠せない彼女は、ザラつきのある触手に乳首を開発される。
サクランボの様に膨れ上がった乳首と同時に、触手が下半身を責め始めていて、陰核をちゅこちゅこと吸引機で吸い取る様に触手が包み込み上下に擦り上げ、触手同士が螺旋状に絡み合うと、海綿体の様に柔らかであった触手は硬質化し、鋼鉄の様な硬度へ変化させる。
(なん、で……こんな、ボクが、こんな、事、にッ)
身体を動かそうとする。
どうにかしてこの場から逃れようと必死だった。
だが、当然ながら彼女の肉体は動かない。
既に、触手から分泌された体液が全身を濡らしている。
皮膚に接触するだけで、麻酔の様に筋肉を弛緩させる効果を持つ。
今の彼女では、触手の力を前に抜け出す事は不可能だった。
だらけきった彼女の身体を、両手と胴体に絡めた触手がゆっくりと持ち上げる。
太腿に吸着する触手が脚部を操作し、ぱくりと彼女の開脚を行った。
陰核を弄り尽くされて、触手の分泌と見間違えてしまう程に愛液を垂れ流す陰唇の奥。
触手の先端が大陰唇を広げ、生々しい桃色の膣の内部が開帳された。
(こ、んな……ざこに、ぼ、くの……処女、が)
螺旋状に絡み合い、硬直した触手の先端が、無抵抗の膣へと深く挿入されていく。
破瓜を遂げた銀嶺白乃の陰唇から乙女の正銘である純血が滴る。
触手は彼女の膣の中で蠢くと、銀嶺白乃は大きく目を見開いた。
(ボクの、身体で、なに、してるっ、この触手っ)
より効率的に触手の胤を採取出来る様に、膣の中を針を使い注入していき、かえしの様なヒダやざらざらとした数の子天井へと造り替えている。
更に彼女が陰部を軽く触れるだけで絶頂を迎える様に注射針よりも細い針が神経を突き挿した瞬間。
「あ? え、、?、 ~~~~っおぐぉッ!?」
一瞬にして絶頂を迎え海老反ってしまう銀嶺白乃。
これまで味わった事の無い快楽、それは自分が今まで経験して来た事、全てを超越した快感だった。
「ぇ、ぁ、こ、わ、ぇ ? ~~~ッぃ、ッ!!」
触手の陰茎が膣の内部を擦る。
神経を弄られた事で、一擦りで深く絶頂を行う銀嶺白乃。
何度も何度も、触手が上下に動く事で味わった事の無い快楽の電流が全身に走る。
噴水の様に潮を周囲に撒き散らし、突く度に潮を排出する様は滑稽に映った。
顔面を真っ赤にしながら、幾度と無く繰り返し痙攣をしながら死に掛ける。
だが、そんな彼女を延命させるが如く、周囲の触手が彼女の喉奥に向けて触手を挿入させると、先端から分泌される媚薬成分が配合された栄養剤を流し込まれて、強制的に生かされる。
「ふッ、ぅ、ぅぅうううぅ~~~ッ」
喉につっかえる触手により、舌を噛み自死する事すら出来ない状況。
銀嶺白乃と言う触手の為の苗床は、更なる快楽の為に腰を浮かされる。
線の細い触手が、ぬらぬらと大量の粘液を分泌しながら螺旋状に絡み合う。
そして他の触手が、彼女の臀部に吸着すると外側に向けて引っ張った。
彼女の菊の穴を触手が開帳させ、肛門の皺を広げさせたのだ。
「ん、んんんんっ!!ん、ぁっ!!~~~っ!!」
肛門を無理矢理広げさせた状態で、銀嶺白乃の色素の薄い肛門に触手が食い込んだ。
ぐるり、と視界が暗転し、脳内でちかちかと星が弾ける彼女は、触手による肉体改造を強制執行される。
彼女の快楽地獄は未だ止む事は無く。
恥辱と屈辱、悦楽と快楽を噛み締めながら、脳裏に過る銀嶺白乃の懇親。
(だ、れか……もう、殺して、ぼ、くを……殺してッ)
その願いは、決して叶う事は無かった。
それでも、他の遺体とは違い、奈流芳一以は生きていた。
「あ……が……」
奈流芳一以の意識は蒙昧としていた。
生死の判別が出来ていない状態で肉壁に消化されつつある体。
皮膚の痛みによって、奈流芳一以は漸く自身が生きている事を悟った。
(なんで……生きてる、俺?身体、動か、な……)
だが、生きているからと言ってどうなるのだろうか。
彼の胴体は壁によって吸われている、この状態では逃げる事も出来ない。
剣士として必要な武器、日本刀ですらも手から離れてしまっている。
絶望が彼の肉体、全身を襲い出して恐怖を抱かせていた。
(あぁ、畜生、このまま、痛みを、味わい続ける、のか)
片目を開き、周囲を見据える。
先程まで生き残っていた生徒の面々それが悉く殺されていた。
見るも無残な姿に、奈流芳一以は歯噛みする。
(クソ、なんで、なんで、生きて、るんだよ、俺、は)
生死の境。
生きた者と死んだ者、生き地獄を味わうのなら、死んで極楽へと行きたかった。
(このまま、楽に、死なせてくれれば、良かった、のに)
じわじわと、消化されて弄り殺し、人間としての屈辱と餌として認識されている恐怖。
死と向き合いながら死んで逝く……これ程までに、恐ろしい事は無いだろう。
「……あ」
しかし奈流芳一以の視界には、一人の男が、足を引き摺りながら歩いて来る。
その姿を認識して、思わず奈流芳一以は泣きそうになった。
「がはっ……ざ、斬鉄ッ」
親友が生きていた。
いや、未だ、生きている、これから、死を経験する。
そう思わせる程に、鍛代斬鉄の肉体は損傷していた。
(身体、穴、開いてる、じゃない、か…急げ、逃げろ、殺される、ぞ)
触手の攻撃。
これによって、鍛代斬鉄の肉体には穴が開いていた。
正確な一撃により、臓器に当たる部分が破壊されていた。
的確な治療を施しても、生存確率は低いだろうと目算出来る程に。
「ざ、んんてつ……逃げ、逃げろ……」
壁に埋もれる奈流芳一以は名を口にした。
親友がこのまま死んでしまうなど、考えられない。
自分の命よりも重要な存在に、どうか生きてくれと願う。
(折角、生き残れたんだ、此処で、死んだら、ダメだ……)
「う、おおおおッ」
渾身の力を振り絞り、奈流芳一以に向けて鍛代斬鉄は大きく刀を振り下ろす。
刃が肉の壁を切り裂き、彼を拘束していた肉の檻から自由になる。
その場に膝を突く奈流芳一以は呼吸を整えた後に顔を上げる。
「ざ、斬鉄……なんで、逃げろって……」
その場に立ち尽くす男の姿を目に焼き付ける。
傷だらけで血を流す男の姿、その手に握り締める刀を友に渡して息を漏らす。
「あーぁ……見りゃ、分かんだろ?お前が生き残る可能性が高いんだよ……なあ、兄弟」
何かを考える様に立ち尽くす鍛代斬鉄は、刀以外にも残そうとしていた。
奈流芳一以の為に、友の為に、幼馴染の為に、家族の為に、最後の言葉を、だ。
「オレが助けたからよ、お前は、オレの代わりに、他の奴らを助けてやれよ……いや」
そうして絞り出した言葉に、鍛代斬鉄は口を紡ぐ。
本当に言いたかった事は、そんな言葉では無いと。
「本当は……」
目を開いたまま、虚空を見つめる鍛代斬鉄を揺さぶる。
「おい、斬鉄、まッ……」
すぐに、無駄な事だと気が付いた。
既に鍛代斬鉄は死んでいたのだ。
彼を見つめながら、死と直面した奈流芳一以。
「あ、あぁぁッ、ダメだ、死んッ、ダメだッ、斬鉄、ざ、ッ」
友の死。
親友が朽ちていった。
数々の思い出が駆け巡る。
記憶に映る彼は、何処を切り取っても笑顔だったのに、何故、彼の死に顔だけは、こんなにも悲しい表情をしているのか。
「……ッ、畜生、畜生ォ!」
それは、何よりも悔しくてたまらない。
未来があった、夢があった。
その成長を傍から見続けていた。
自分にはそれが無いから。
必然と目を追っていたのだ。
大事な友、唯一無二の親友。
それが無情を抱き死んでしまった。
「俺が死ぬと思ってたのに……生きる事なんて、無理だと、思ってたのに……」
心が揺れる。
行き場の無い感情を『
「……あぁ、分かったよ、斬鉄……命を懸けて……俺が、助ける」
地面に転がる刀を握り締めると、彼はその場に友の亡骸を置いた。
「借りるぞ……お前の
死んだ友が遺した意志。
刃と同化した殺意を胸に、奈流芳一以は復讐の斬人と化す。
これが契約……ある種の呪いとして、奈流芳一以の運命を狂わせた。
身体を貪られて数時間。
銀嶺白のは一生このままではないのかと考える。
「ャ……っ、ィやッ」
そう思うと彼女は再び恐怖を覚えた。
喉の奥から少女らしい悲鳴が出てくる。
「嫌、ァ、ッ!たすけ、て!助けてぇぇ!!」
その姿は
永遠に続くと思われた闇。
それを断ち切るのは一振りの刀だった。
「はあ……ッああ!」
触手を切り裂く、触手の概念からは緑色の血液を噴出していた。
首を切った蛇の如く、触手は激しく動き回っていた。
地面や壁から新しく生えてくる触手。
その先端が刃のような形状に変わると奈流芳一以に向けて伸びていく。
体を無理に動かし、前へ前へと前進していく。
ただ無我夢中。
奈流芳一以は託された思いを胸に突き進んでいく。
体の限界など既に限界を迎えている。
「ぐ、うぅ……う、お、お!」
たが、それを気合と根性で支えていた。
奈流芳一以の意地と覚悟が、身体を動かした。
後ろから触手が伸び、奈流芳一以に向けて飛ぶ触手の槍。
背後からの凶刃、彼は気が付く事も無く太腿に突き刺さる。
「!?っぎ!!」
意識の外からの攻撃は予想以上に苦痛を生み出す。
「が、あッ!あああ!!」
喉から張り裂けるほどの痛みの声が響いた。
体の痛みが一つ増える度、心が挫けそうになる。
最悪、奈流芳一以が死んでもいい。
だけど約束は絶対だ、友の言葉が奈流芳一以に意味を与える。
太腿に突き刺さる触手を握り潰す、前へ出して筋肉を引き締める。
どんな逆境でも乗り越える覚悟を胸に。
そんな名雲一以の確保を嘲笑う彼女に触手の部屋の隅々から出てくるその全てが名雲一以を刺し殺そうとしていた。
絶望的状況に己が全身全霊振り絞る。
その瞬間……奈流芳一以は文字通り命を燃やした。
自らの刀身に命を燃やした炎が燃え移る。
祅霊の魂を刀に宿らせる。
魂を自らの命で作った炎で燃やす事で刀に神を宿すのだ。
「俺、は……ッ絶対、に……ッお、前を助ける…ッ」
友の死によって強い感情を抱いた奈流芳一以は、感情に火を燃やし、生命の火を生み出す事が出来た。
「俺の、命に代えても……ッ!!」
刀を強く握り締める。
「『
意志が炎を産み、真っ赤に燃え盛る炎は、何れ黒色の炎へと変化する。
肉体を巡る様に渦巻くと奈流芳一以の背後に人影が現れた。
その人影は、黒の衣装に身を包んだ、二振りの太刀を構える武士だった。
「この炎が、……この刀が、お前らを、斬り殺す……ッ」
全体に走り出す炎の光。
奈流芳一以は力を以て、奈流芳一以はこの窮地を燃やし尽くす。
受け継いだ重責。
奈流芳一以の感情は炎と共に刀身に流れる。
故に、その刀身に宿る力は、渇望に類似した力と化す。
恐怖も、逃走も、今の奈流芳一以には脳裏に過る事すらない。
ただ、この炎命炉刃金と約束した契りを果たすが為。
「圧し潰せ……ッ襲玄ッ!」
迫り来る触手の数々。
その全てを、斬神・襲玄は余波で潰す。
世界の法則、重力と言う不可視の圧。
彼が発現させた斬神・襲玄の異能とは正にそれ。
「重責を果たす」と言う渇望から生まれた「重力操作」。
何よりも重い、大切な願いだからこそ。
奈流芳一以はこの力を生んだ。
触手を圧殺し、宝蔵院珠瑜へと近付く。
衣服は溶けて、身体が露出している。
触手の体液に濡れた彼女を抱きながら、渾身の一撃を刀身に宿す。
「お、ッ……おオオォおおおおッ!!」
培った技術。
斬術戦法に重力を乗せる。
放たれる斬撃は、極細まで圧縮された断裂の一撃。
触手を切り裂いた末……奈流芳一以は、彼女を連れて歩き出す。
友との約束を果たす為に。