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経済産業省 外界資源政策局 内部報告書
第二種徘徊型個体 討伐事案について
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文書番号:外資政発 秘第六十六号
作成日 :討伐完了より三百六十日後
起案 :経済産業省 外界資源政策局
件名 :外界生物第二種(個体識別番号未付番)討伐実施に係る事後報告について
一、概要
本報告書は、外界管理区域において長期間にわたり探査活動を阻害していた第二種徘徊型個体一体について、その討伐経緯及び結果を記録するものである。
当該個体は推定全長約二十メートル。
広範囲を不規則に移動する習性を有し、探査経路及び回収作業区域への侵入が複数回確認されていた。
民間探査開始以降、当該個体との遭遇を原因とする探査計画の中止、回収作業の放棄及び活動区域の変更が相次いでおり、安定的な外界資源回収体制を構築する上で重大な障害となっていた。
通常装備による正面からの討伐は極めて困難であると判断され、これまで積極的な排除作戦は実施されていなかった。
二、実施者
・ヰ庭 等碩朗
特異環境生物対策室所属。
・静間 虎徹
特異環境探査士。
※認可企業所属なし。ヰ庭からの個人的な協力要請を受け参加。
討伐行動への直接参加者は上記二名。
なお作戦立案、第二種個体との主要な交戦及び最終的な殺傷行為については、ヰ庭等碩朗が担当した。
三、討伐計画立案の経緯
ヰ庭等碩朗は、それまでの外界活動において、異なる縄張りに属する外界生物同士が接触した場合、種別を問わず高い確率で敵対行動を開始することを確認した。
同人はこの性質を利用し、第二種個体を未探査区域へ意図的に誘導することで、同区域に生息する他の外界生物との交戦を連続的に発生させ、対象個体を消耗させる討伐方法を立案した。
対象となった第二種個体の移動速度は最高時速十五ないし二十キロメートル程度と推定されており、両名の移動能力であれば一定距離を維持した状態での誘導が可能と判断された。
四、討伐経過
両名は探査チーム及び回収作業員から寄せられた目撃情報を基に対象個体の捜索を実施。
対象発見後、ヰ庭が接触し交戦を開始した。
以後、対象個体から完全に離脱することなく、かつ捕捉されない距離を維持しながら未探査区域への誘導を開始した。
対象個体が他の外界生物の縄張りへ侵入した際、当該生物との間に敵対行動が発生。
交戦終了後、対象個体に対する誘導を再開し、さらに別個体の生息区域へ移動させる手順を反復した。
誘導及び直接交戦はヰ庭を主体として実施。
同人の疲労蓄積時には静間虎徹が誘導を代行し、その間にヰ庭が休息及び補給を行った。
この方法による連続誘導及び交戦は約六十五時間にわたって継続された。
その間、対象となった第二種個体は複数の第三種及び第四種個体と交戦し、これらを排除したものの、自身も全身に多数の損傷を受け、最終段階では移動能力の著しい低下が確認された。
両名はこの時点で誘導を終了。
事前に準備していた大型杭を使用して対象個体の脚部を地面に固定し、移動を阻害した。
その後、ヰ庭が対象個体に接近。
既存の損傷部位より体内へ侵入し、内部組織に致命的損傷を与えた。
対象個体の生命活動停止を確認。
最初の接触から討伐完了までの所要時間は、約六十八時間であった。
五、討伐結果
本件に伴い死亡が確認された外界生物は以下のとおり。
第四種 十一体
第三種 六体
第二種 一体
計十八体。
人的死亡者なし。
討伐参加者二名はいずれも生還した。
六、事後評価
当該第二種個体の排除以降、同個体の徘徊範囲と重複していた複数の探査区域について、継続的な探査及び資源回収が可能となった。
また、討伐過程において周辺区域に生息していた第三種及び第四種計十七体が同時に排除されたことから、当該地域における探査活動上の危険性は大幅に低下した。
本件以降、民間探査企業による活動区域は急速に拡大し、外界由来資源の国内回収量についても継続的な増加が確認されている。
現在に至る我が国の外界探査及び資源回収体制の早期確立について、本件による第二種徘徊型個体の排除が極めて大きな影響を与えたものと評価する。
七、付記
本件における討伐方法については、再現性に重大な問題が認められる。
特に、長時間にわたり第二種個体との接触を維持しつつ未探査区域を移動する行為、複数の外界生物との交戦地点を意図的に通過する行為及び最終段階における対象個体内部への侵入については、通常の探査班による実施を想定し得ない。
したがって、本件を第二種個体に対する標準的討伐手順として採用することは適当ではない。
同様の個体が確認された場合、本件を先例として安易に討伐作戦を実施することなく、別途対応方法を検討されたい。
八、情報管理
本件に係る情報については、外界国内管理区域における探査体制及び特異環境生物への対処能力に関する情報を含むことから、引き続き局内秘として取り扱うものとする。
特に討伐計画の具体的内容、参加者の氏名及び所属、参加人数並びに最終的な殺傷方法については、原則として外部への開示を行わない。
本件の対外公表に際しては、「国内探査区域において第二種徘徊型個体一体の排除に成功した」旨を公表範囲とし、実施主体については関係機関及び民間探査関係者による共同対処として取り扱うことが適当である。
これは、当該討伐方法が通常の探査活動において再現可能なものではなく、具体的手法の周知が探査員その他関係者による模倣行為を誘発するおそれがあること、参加者個人に対する過度の社会的関心を招くおそれがあること、並びに我が国の特異環境生物に対する対処能力及び探査体制の実態を不必要に開示することを避ける必要があるためである。
また、本件を特定個人又は特定部署の功績として広報することは、民間委託を基本とする現行の外界探査体制について誤解を生じさせる可能性があるほか、今後の民間事業者との協力関係及び探査事業の円滑な運営に影響を及ぼすことが懸念される。
以上の理由により、本件に係る参加者及び具体的討伐経緯については、別途解除の決定がなされるまで非公表とする。
以上。
『欄外の走り書き』
局内秘文書だ、扱いには気を付けろ。
それと、帰還したヰ庭が「これも違った」と独りごちていたとの報告があったが、警衛隊員間の伝聞なので報告書からは除外した。
何のことかわかるか、遠田。
中盤~終盤のプロット見直しをしています。
更新に時間が掛かってしまいますが、気長にお待ちいただけますと幸いです。
過去のアダルト回にいくつか加筆と画像の差し替えをしていますので、よろしければご覧ください。
【挿絵表示】