の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】 作:桃色ぴんく
ただし、この行為を肯定・助長する意図はありませんのでご安心ください。
7月9日午前9時50分
赤竹さんはあることに気づいてしまった!
「これ、例のSNSのスプーンの影響よ!」
この時間に売り切れている日の丸コンビニの商品。それは、全てスプーンを使って食べるものだった。
さらに!
「私の予想が間違ってなければ、他にも売り切れているものがあると思うの。見て!」
赤竹さんは茶山さん、青木さん、緑ヶ丘さん、赤森さんに調味料などがあるコーナーを見るよう伝えた。
「やっぱり。予想通りね……」
赤竹さんの声は震えていた。
ケチャップやイチゴジャムなどの真っ赤にスプーンを染められるものも全て売り切れていたからだ。いつもはあまり売れないものなのだが。
「あんなSNSに踊らされるなんて世も末ね。えっ、待って……」
茶山さんは急に不安になった。
「えっ……?なりきりピンクセーラーちゃんって……。要は桃松さんのことよね……?」
青木さんは知らないほうが幸せだったことに気づいてしまった。
「えっ、ちょっと!やめてくださいよ!そんな怖い話があるわけ……。あ……」
緑ヶ丘さんはもう笑えなくなった。
「うう……やっぱり特定班は正しかったんですよ……。嘘ならこんなの……っ、ありえませんから……」
赤森さんは涙声になっていた。
「まさか桃松さん……?え……そんな……」
例のSNSは嘘じゃない、と5人全員が気づいてしまった。
一方その頃……
「やれやれ、日の丸の国の人間は馬鹿ばっかりだ」
28.0cmの足の男は、寝室で自分のスマホを見て嘲笑っていた。
「僕の投稿に踊らされて、くだらないハッシュタグをつけて遊んだり、スプーンを再現しようと必死だったり。挙句の果てには、僕に食べられたいとか言っている安物の肉以下の女がたくさん」
男のスマホに映っていたのは、例のSNSの画面だ。
「僕が女を狂わせてしまうほどのイケメンなのは分かるけど、もう誰も食べるつもりはないよ。桃松ゆうという最高においしいお姫様を誕生日に食べちゃったんだから。あっはは!ジュルリ……」
男は、高濃度グリセリンに漬けられたゆうちゃんの22.5cmの右足を手に取った。
それはとても甘く、男の手にねっとりと絡みついていた。男はそんな甘い『桃』に舌を這わせ、甘噛みしながら恍惚としていた。
「ああ、僕の手と同じくらいだ……。ジュル……。いっそ香草焼きにしてしまいたいけど、今はこのままゆっくり味わっておくかな。ふふっ」
男は狂気の笑みを浮かべた。
「まさか、ちょっとしたお遊びがここまでになるとは。今日は家でゆっくり過ごす予定だったけど、そろそろあれを始めようか……」
第10話のスプーンを使う食べ物とケチャップなどの赤いものが売り切れるシーンと、男のセリフの一部は、不謹慎なトレンドに踊らされた人間の風刺です。
悪ノリを肯定、助長するものではありませんのでご安心ください。