※この作品はR-18です。

の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】   作:桃色ぴんく

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第104話

7月12日午前10時

 

青木さんと茶山さんは、今日もおひさまモールの中を歩いていた。

 

2人の表情は、昨日以上に先月の雨雲そのものだ。

 

「どうして……!どうして桃松さんが殺されて……!食べられなきゃいけないんですか?!」

 

青木さんは、質問するべき相手が誰か完全に分からなくなっていた。

 

その証拠に、茶山さんの腕を何度も真っ赤になるまで叩いていたのだ。

 

「うう……そんなの私だって知りたいわ……。桃松さんはいつもニコニコしていて、誰にでも優しい子なのに……」

 

茶山さんは静かに涙を流していた。決して、青木さんに叩かれて痛かったからではない。

 

午前10時30分

 

「茶山さん、すみません……私としたことが……。とりあえず行きましょう……」

 

「大丈夫よ、青木さん……。そうね……桃松さんはもちろん、青山くんの分まで精一杯生きなきゃだわ……」

 

こうして、青木さんと茶山さんは、ゆうちゃんが大好きだったにこにこランドへと向かった。

 

一方その頃、サニーランドでは……

 

金森さんと白谷さんは、1階の休憩スペースにいた。

 

2人ともここで買い物をするつもりは全くなかったのだが、かといって家にずっといることにも耐えられなかった。

 

「白谷さん……。こんなに残酷な事件……今まであったかしら?」

 

金森さんは白谷さんの顔をじっと見つめた。スマホを持った右手と声の震えが全然止まらなかった。

 

「そんなのないに決まってるわよ……。あ……金森さん。悪いけどしばらくひとりにしないで……。もう辛いの……!」

 

白谷さんは声と同じくらい震える右手でスマホを見せた。

 

そこに映っていたSNSの投稿には、

 

【速報】

 

根ノ江川で見つかった女性の遺体

 

青山めぐみさん 45歳と断定

 

と書かれていた。

 

「いや……っ!あ、いやああああああああああああ!!!」

 

何もかもに耐えられなくなった金森さんは、スマホを持ちながら白谷さんに抱きついてしまった。

 

「だ、大丈夫……なわけないわよね……!そうよね……?」

 

白谷さんは金森さんの背中を左手で優しく撫でた。

 

金森さんのスマホに映っていたSNSの投稿には、

 

【悲報】

 

A様がお亡くなりに……!

 

ゆうちゃんはAをハメたクソ女なのか?!

 

と書かれていたのだ。

 

「こんなの絶対おかしいわよ……!」

 

2人とも同じことを思っていた。

 

一方その頃……

 

「な……何……これ……?」

 

日の丸コンビニに向かうはずだった赤竹さんは、うさぎマーケットの自動ドアの近くにいた。

 

正確に言うと、最悪な光景が勝手に足を止めてしまったからだ。

 

うさぎマーケットの自動ドア前には、ボロボロになったピンクのセーラーワンピが大量に捨てられていた。

 

さらに、入口には黒田さんが見たような無数の貼り紙が貼ってあったのだ。

 

「……っ!」

 

速まる鼓動を抑えられない赤竹さんは、昨日の午後5時30分以降あえて見ないようにしていた例のSNSを開いた。

 

そこには、

 

前言撤回!ゆうちゃんの冥福なんか誰も祈らねえよw

 

A様……どうか安らかに……

 

よく見たらゆうちゃんブスじゃね?

 

ゆうちゃんって28歳だよね?その格好は普通に痛いってwwwwww

 

Aが犯人?!嘘って言って!絶対ゆうちゃんが洗脳してるって!!

 

Aはこんなクソ女にも追悼曲を投稿していたんだよ?!犯人なわけない!

 

などと本当に最低なコメントばかり書かれていた……

 

「どうして馬鹿しかいないのよ!!!桃松さんはクソ女なんかじゃない!なんの罪もないわ!!!」

 

赤竹さんは、ついに自分のスマホをうさぎマーケットの自動ドアに投げつけてしまった。

 

「まずはくだらない紙を外さないと……」

 

赤竹さんが外そうとしている貼り紙には、

 

A様をハメたクソ女の職場だよ〜☆

 

ゆうちゃんが食べられたのってAを怒らせたからじゃないの?

 

ゆうちゃん?Aを凶悪犯に仕立てて楽しかったー?やばwwwwww

 

要らなくなったセーラーワンピはここに捨ててね〜♪

 

など、本当によくわからんことばかり書かれていたのだ……

 

午前11時

 

赤竹さんは全ての貼り紙を外し終えた。

 

「疲れたわ……。これからどんな顔をしたらいいのよ……」

 

そして、画面にヒビが入ったスマホを拾い、Star Movieを開いた。

 

その後、右手の人差し指でAの新曲の評価をGOODからBADにサッと変えた。

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