の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】 作:桃色ぴんく
7月9日午後1時30分
「私たちもくまさんのおうちに行きましょうか」
赤竹さんは、茶山さん、青木さん、赤森さんに一緒に行動するよう伝えた。
「すみません副店長……。僕、緑ヶ丘さんのところに行きたいのですが、いいですか?」
赤森さんは涙声で言った。
「え?いいけど……。場所分かるの?」
「頑張って探します……」
「……。分かったわ。緑ヶ丘くんと赤森くんは年が近いものね。そうしなさい……っ」
赤竹さんは涙を1粒流していた。
「3人とも大丈夫かしら?とても悲しそうだったわ……」
「大丈夫なわけないですよ!全く。桃松さんを殺して食べるなんて……。私、本当に許せませんよ!あの……!」
茶山さんは金森さん、白谷さん、黄ノ山さんを心配し、一方で青木さんはもはや人と呼びたくない存在に怒りをあらわにしていた。
こうして3人はくまさんのおうちに、1人はめるへん♡らんどに向かった。
一方その頃、めるへん♡らんどでは……
「いやあああああああああ!桃松さん!嘘って言ってください!ああああああああっ!」
本当に欲しかった白いワンピースが入った紙袋と、全然欲しくなかったのに手に取ってしまった水色のワンピースと黒のセットアップとピンクのスカートが3点まとめて入った紙袋。藍谷さんは、この2つの紙袋を両腕で抱えながら大声で泣き叫んでいた。
「お客様大丈夫ですか?」
若い女性店員さんが声をかけてきた。
「大丈夫ですっ!!」
藍谷さんは逃げるようにその場を去ってしまった。
藍谷さんの近くには自撮りを楽しむなりきり桃松ゆうちゃんが何人か通りかかっていたが、気づく余裕なんかなかった。
「桃松さん……。置いていかないでください!あたしを!」
「いた!藍谷!!」
緑ヶ丘さんは藍谷さんを無意識に力強く抱き締めた。
「あああ…、桃松さん!いやあああああああっ!!」
「え?!あ、ごめん!何やってんだよ俺!やってること完全にセクハラじゃねえかよ……。本当にごめん藍谷!俺が悪かったから!」
勘違いした緑ヶ丘さんは慌てて距離を取ろうとしたが、藍谷さんは彼の両手首を掴んで離さなかった。
「ひとりにしないでっ……ください……。あたしを……」
藍谷さんの声は紙袋が床に落ちる音にかき消されそうなくらいになっていた。
「……っ、ごめん藍谷。俺がもっと早く気づいていれば……」
緑ヶ丘さんは藍谷さんを今度は優しくゆっくりと抱き締めた。
例のSNSをくだらない嘘だと決めつけていた時の自分を思い出して涙を流しながら……