の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】 作:桃色ぴんく
7月8日午前4時30分
ゆうちゃんのお母さんは七夕の夜から一睡もできずにいた。
「ゆう、どうして帰ってこないのかしら?」
午前4時40分
カタン
ゆうちゃんのお母さんは新聞が届いたのかと思ったが、それは1通の手紙だった。
「なんでこんな時間に?」
そこにはこう書かれていた。
ゆうさんのお母さんへ
はじめまして。
いきなりこんなことを書くのはおかしいかもしれませんが、28年もの間ゆうさんという本当に可愛いお姫様を大切に育ててくださり、ありがとうございました。
僕は、七夕の日に1人で歩いていたゆうさんの無邪気な笑顔に夢中になり、我慢できず声をかけてしまいました。
ゆうさんはとても優しい方で、気づいたら僕たちは仲良く遊んでしまい時間が経つのを忘れてしまいました。
僕のせいで迷惑をかけてすみません。それでゆうさんはおうちに帰りませんでした。全ては時間を忘れた僕の責任です。
というのは嘘です。
7月7日の夜に僕が食べました。
とても甘くておいしかったです。
最高の食べ物を僕にプレゼントしてくださって本当にありがとうございました!
「え……。食べた?何これイタズラ?気持ち悪い……。確かにゆうはお姫様のように可愛い娘だけど、そんなしょうもないウソ信じないわよ!嫌な感じ!」
ゆうちゃんのお母さんは、食べられたなんてありえない、娘は絶対帰ってくると自分に言い聞かせ、手紙をくしゃくしゃにしてゴミ箱に投げ捨てた。
昨日眠れなかった分、少しでも寝ようと思い、椅子の上で軽く眠った。
午前6時30分
ゆうちゃんのお母さんは朝ごはんの準備をした。もちろんゆうちゃんの分もまとめて作った。
メニューはバタートースト、カリッとしたベーコンを添えた半熟の目玉焼き、そして、うさぎの形に切ったりんご。
「ゆうの大好きなものにしましょう。そうすればきっと帰ってくるわ。ゆうを食べる恐ろしい悪魔なんかいるわけないわ。そんなウソには騙されないんだから!」
午前7時
ゆうちゃんはまだ帰ってこなかった。
「あ!ゆう今日仕事よね?電話すればいいだけじゃない!全く!どうして気づかなかったのよ、バカね。」
ゆうちゃんのスマホに電話したけど何度かけても繋がらない……
本当は体調が悪いフリをしてゆうちゃんを探したかった。だが、仕事熱心な性格のせいでズル休みなんてできなかった。
午前8時
ゆうちゃんのお母さんはいつもより重い足取りで車に乗り、ゆうちゃんとは違う職場に向かった。
プルルルルル
?「あれ?おかしいな?もう8時30分なのになんで桃松さんと連絡が取れないんだ?」
?「私も電話したのですが繋がらなくて……」
?「やだ!無断欠勤?桃松さんおっちょこちょいなところあるけどいつも15分前には来るわよね?」
?「やだ!まさか今流行りの退職代行サービス?」
?「何言ってるんですか!うちはブラック企業じゃないんですから!やめてくださいよ!」
?「どうしたんですか?何かあったんですか?」
?「大変です!皆さんこれ……」