※この作品はR-18です。

の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】   作:桃色ぴんく

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第23話

7月9日午後4時10分

 

黄ノ山さんはおひさま託児所に着いた。

 

「茜ちゃん!ごめんね……お腹空いたでしょ……」

 

最愛の娘を抱き締める黄ノ山さんの腕は小刻みに震えていた。0歳6ヶ月の茜ちゃんはまだ泣き続けていた。

 

「オギャー!オギャー!」

 

「本当にごめんね!今ミルクあげるから……」

 

黄ノ山さんは大急ぎで授乳室へと駆け込み、黄色のバッグに入っていたミルクを茜ちゃんに飲ませた。

 

一方その頃、イートインスペースでは……

 

「そういえばお昼ご飯何も食べてなかったわね……」

 

茶山さんは蚊の鳴くような声で呟いた。

 

「そうですね……。桃松さんを失ったショックで完全に忘れていました……」

 

青木さんの表情は曇っていた。

 

「あ、よかったら……くまさんマドレーヌ食べる?」

 

「あ、くまさんクッキー買いすぎたから食べちゃって」

 

金森さんはくまさんマドレーヌ、白谷さんはくまさんクッキーを2人に手渡した。

 

「ありがとう、助かったわ」

 

「ありがとうございます……」

 

茶山さんと青木さんはお礼を言ったが、ゆうちゃんを失った悲しみはどう足掻いても消えなかった。

 

午後4時20分

 

茶山さんがココナッツ味のくまさんクッキーを手に取ったその時だった。

 

青木さんはチョコ味のくまさんマドレーヌを右手に持ったまま、何も言わずに1番近くのエレベーターに向かって走っていった。

 

「え!どこ行くの?!」

 

金森さんは大声で叫んだが、その声はもう届かなかった。

 

「あ…、もしかして、副店長に呼ばれた気がしたからじゃないかしら?それか赤森くんたちに……」

 

茶山さんは金森さんと白谷さんを見つめてそう言った。

 

「あ!そうですよ!副店長も赤森くんたちも今ここにいないじゃないですか!」

 

「あ!本当ですよ!一体あの4人に何があったんでしょう!」

 

金森さんと白谷さんはさっきより大声で叫んでしまった。

 

「とりあえず私は赤森くんたちを探すから、金森さんと白谷さんは青木さんと副店長を探してくれないかしら」

 

茶山さんは落ち着いたトーンで2人に指示を出した。

 

「はい、分かりました」

 

金森さんと白谷さんは2人同時に答えた。

 

こうして、茶山さんはめるへん♡らんど、金森さんと白谷さんはイートインスペースから1番近いエレベーターへと向かった。

 

午後4時30分

 

「あれ?いないわね……。藍谷さん、緑ヶ丘くん、赤森くんの順番でここに向かっているはずなのに……。……っ。ここはとても可愛い世界のはずなのに、桃松さんの無邪気な笑顔を思い出してしまうわ……」

 

茶山さんはめるへん♡らんどの店内で涙を流していた。

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