※この作品はR-18です。

の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】   作:桃色ぴんく

3 / 132
第3話

7月8日午前9時

 

ゆうちゃんはまだうさぎマーケットに来なかった。

 

18歳の新人男性の青山さんは、58歳の男性店長の黒田さんに自分のスマホを見せた。

 

「えっ?!青山くんどうしたの?そんなに慌てて。」

 

「あ……店長!この女の子……!」

 

そこに映っていたのは、あるSNSの投稿だった。

 

 

#拡散希望

 

私の大切な親友がこの写真の男に殺されて食べられました!本当に許せません!その証拠に血の付いたスプーンが送られてきました!

 

 

その投稿には、ゆうちゃんと男が抱き合う写真と、持ち手の部分にShe was my best foodと書かれた血の付いたスプーンの写真が、身の毛もよだつような文章と一緒に載せられていたのだ。

 

 

黒田さんの心は、まさか、と叫んでいたが……

 

「あ、青山くん?開店まであと30分だからそろそろスマホはしまいなさい。SNSなんていくらでもウソつけるよ。だから、そんなに心配しなくてもいいんじゃないかな?」

 

彼は青山さんを少しでも不安にさせないよう、言葉を選びながら優しく声をかけた。

 

「そうですかね……」

 

青山さんはまだ不安そうだ。

 

「青山くん、私も心配よ。でも、あんなSNSに惑わされるのはやめなさい!」

 

51歳の女性副店長の赤竹さんは、青山さんをフォローしつつもSNSはウソと言いたげに声をかけた。

 

「そうよ!本当だったらとっくに今日の新聞に大きく載っているわよ!だからウソよ〜!大丈夫よ〜!」

 

「そうよ!桃松さんが食べられたなんてありえないわよ!本当だったら怖いわ!きっと桃松さんによく似た女優さんだわ!」

 

おしゃべり大好きな45歳のベテラン女性の金森さんと、彼女と同い年のベテラン女性の白谷さんは青山さんを必死に励まそうとした。

 

「そうだよ!なんかの映画の宣伝を炎上商法でやってるだけだろ!」

 

「そうよ!あたしもあれ見たけどウソくさいもん!」

 

32歳の若手男性の緑ヶ丘さんと、25歳の若手女性の藍谷さんもあれはウソだから!と青山さんに伝えた。

 

「そうだといいんですが……」

 

青山さんはまだ新人ゆえにみんなを信じるしかなかった。

 

「桃松さんと連絡が取れないのが気がかりだが……。きっとそのうちここに来るから!さあ!みんな頑張ろう!」

 

優しい黒田さんは店長としてみんなにエールを送った。

 

午前9時30分

 

うさぎマーケットは予定通り開店した。

 

一方その頃……

 

「あはは!全ては計画通り。さてと、もう少し遊んじゃおうかな♪いってきます♪愛らしい瞳のお姫様♪」

 

男は玄関にあるガラス瓶に向かって楽しげに話しかけた。

 

その中には、ホルマリン液に漬けられたゆうちゃんの右目が沈んでいたのだ……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。