の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】 作:桃色ぴんく
実際の犯罪行為等を肯定、助長する意図はありませんのでご安心ください。
7月10日午後1時40分
青山さんのお母さんは、日の丸ホームセンターの店内にいた。
「さて、魔王退治の準備をしなくちゃ。守の使っていた包丁1本だけじゃ絶対足りないわね」
青山さんのお母さんは、男の首を絞めるかのようにカゴの持ち手を握っていた。そして、迷うことなく包丁コーナーへと向かった。
スプーンだけが姿を消したカトラリーコーナーには目もくれず、1番大きな包丁をカゴにサッと入れた。
「見てなさいよ、魔王!守の100倍、いや!1000倍は痛い思いをするがいいわ……。って、包丁だけでいいのかしら?」
青山さんのお母さんは、気づいたときには大工道具コーナーに足を踏み入れていた。
「どれにしようかしら。とにかく一撃で倒せるものがいいわね……。あら、いいのがあったわ」
大きな斧が入ったガラスケースは、復讐の炎に燃える青山さんのお母さんの目をはっきりと映していた。
「店員さん、すみません!」
青山さんのお母さんは今までで1番大きな声を出した。
「申し訳ございません!少々お待ちくださいませ!」
猛ダッシュで大工道具コーナーに向かう店員のお兄さんも同様に大声を張り上げていた。
「お待たせいたしました!何かお探しですか?」
「これくださいっ!!」
「か……かしこまりました……。あ、お客様……こち、こちらは……大変……危険な……商品ですので……レ、レジまでお持ちしますね……」
店員のお兄さんは、青山さんのお母さんの殺気立った顔に圧倒されていた。
「ありがとうございます!でも、他に買いたいものがまだありますので!」
「で……でしたら……こちらでお預かりしますね……」
店員のお兄さんは、声と両手を震わせながらそう言った。それとは対照的に、青山さんのお母さんは上機嫌で大工道具コーナーを出た。
「とっておきの武器を見つけたわ!さて、最後の仕上げね!」
そして、洗剤コーナーに入るとすぐに立ち止まって、
硫酸の代わりになるもの ホームセンター
と、スマホで検索した。
「これいいわね……」
青山さんのお母さんは水道資材・配管工具コーナーへと向かった。
「どこかしら?あ!あったわ!えっと、あとは保護メガネと厚手のニトリルゴム製の手袋だけね」
強アルカリ性パイプクリーナーもカゴに入れると、青山さんのお母さんは、作業用品・工具・資材コーナーへ走っていった。
午後2時
青山さんのお母さんは『新たな剣』と『伝説の剣』を後部座席下、『封印の薬』の材料を青い軽自動車の後部座席に置いた。それを作るために必要な道具だけは助手席にそっと置いた。
「さて。薬作りのために1回帰らなきゃ。守、待っててね……」
一方その頃……
「今日もまだ『桃』の甘みが残っているね。ふふっ。信号待ちの糖分補給にちょうどいい」
漆黒のSUVを運転中の男は、ゆうちゃんのブラジャーに付いたD65と書かれたタグをしゃぶっていた。
「やっぱり最高においしいお姫様だ。ホワイトシチューの肉の柔らかさを思い出すなあ……。口の中でとろけてしまったよ。そうだ……。帰ったらホワイトシチュー色のブラジャーを隅から隅まで全部舐め回しちゃおうかな♪」