※この作品はR-18です。

の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】   作:桃色ぴんく

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第44話

7月10日午後2時

 

赤竹さん、茶山さん、金森さん、白谷さん、青木さん、緑ヶ丘さん、黄ノ山さん、赤森さん、藍谷さんはうさぎマーケットの休憩室でクッキーを食べていた。

 

茜ちゃんだけはもうお腹がいっぱいなのかスヤスヤ眠っていた。

 

Aの歌声に少しだけ励まされたものの、9人の大人たちは例のSNSを嫌でも見てしまうようになっていたのだ。いいね数700万、リポスト数500万。

 

これだけバズっていても、ゆうちゃんへの追悼コメントはほとんど見られず、

 

 

ゆうちゃんラッキーじゃん!こんなイケメンにぎゅーってされてさ!

 

イケメンさん♡なんであたしを食べないんですか?

 

ゆうちゃん可哀想……俺だったら殺さずに(性的な意味で)食べるのに!

 

みんな!このイケメンゆうちゃんをどう調理したと思う?シンキングターイム☆

 

誰かスプーンの素材とか特定してクレメンスw

 

 

など、相変わらず世も末なコメントばかりだった。

 

「……どう……して……!本当に馬鹿じゃないの……!」

 

赤竹さんは机を思いっきり叩きたいのを堪えながらそう言った。

 

一方その頃、日の丸コンビニでは……

 

ゆうちゃんのお母さんと黒田さんはアイスコーナーの蓋を開けたまま、半分空っぽになった惨めな姿を死んだ目で見つめていた。

 

 

カップアイスシリーズ発売中止のお知らせ

 

当店の人気商品 カップアイスシリーズ(バニラ、チョコ、ストロベリー、抹茶、チョコミント、コーヒー)は、都合により製造が追いつかず、販売を一時停止しております。

 

再開時期は未定です。

 

お客様にはご迷惑をおかけし申し訳ございません。

 

 

ゆうちゃんのお母さんはゆうちゃんを失った悲しみ、黒田さんに至ってはさらに青山さんも失った絶望が大きすぎて、蓋に貼られたこの大きな貼り紙に気づく余裕はもうなかった。

 

他のスプーンを使う商品、スプーンを赤く染める商品には、

 

 

販売休止中

 

 

と書かれた札がポツンと置かれていたのは言うまでもない。

 

「ゆう……」

 

ゆうちゃんのお母さんは、ゆうちゃんが大好きだったストロベリー味の飲むアイスを手に取った後、飲み物コーナーへゆっくりと向かった。

 

そのアイスのパッケージデザインは、どれを選んでも全面がオレンジ色のデザインに白い文字で味が書かれている。イチゴの赤がはっきり見えないのが救いだった。

 

「これにするか……」

 

黒田さんは、バニラ味の飲むアイスを手に取った後、ゆうちゃんのお母さんの後を追うようにゆっくりと歩き出した。

 

飲み物コーナーに着いた2人は、それぞれペットボトルの緑茶を手に取りレジへと向かった。

 

午後2時30分

 

2人は日の丸コンビニの外の日陰に座って、無言で飲むアイスとお茶を飲んでいた。

 

午後2時40分

 

店内では、1人の若い女性店員さんがイライラしながら紙パックの飲み物を補充していた。

 

「最悪!猛暑日に入荷しないアイスあるとかお客さんにどんだけ迷惑かかると思ってるの!もう……なんでこうなるの……」

 

女性店員さんは、ゆうちゃんを大事に思っていた人たちとは全く違う意味で頬を濡らしていた。

 

「もういいや。仕事終わったらスプーン再現チャレンジ楽しも……」

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