の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】 作:桃色ぴんく
7月10日午後7時30分
チラッとスマホを見た雄馬さんは、なぜか突然キッチンを飛び出した。
「えっ、どこ行くの?雄馬にゃん!」
亜李さんは驚きすぎてフォークを床に落としてしまった。
「あ……。もしかして、何か忘れ物したんじゃないかな……?」
「う、うん……。僕もそう思うよ……」
遥さんと誠人さんは震えた声でそう言った。みうさんだけは無言でケーキを口に運んでいた。
「みう!雄馬にゃんのことは気にしないで好きなだけ食べていいからね!」
みうさんの空のコップを見て慌てた亜李さんは、レモンティーのペットボトルを取ろうと冷蔵庫へ向かった。
一方その頃……
「オギャー!」
茜ちゃんの大きな泣き声がうさぎマーケットの休憩室に響いていた。
「ん?茜ちゃんどうしたの……?」
最初に目を覚ましたのは黄ノ山さんだった。
「……あらどうしたの?泣かないで……」
「……あらどうしたの?ミルクかな……?」
その次に金森さんと白谷さんが同時に目を覚ました。
「オギャー!オギャー!」
「ごめんね。喉乾いたね……」
黄ノ山さんは家から持ってきた赤ちゃん用麦茶を茜ちゃんに飲ませた。
「……え、今何時……?」
金森さんと白谷さんより少し後に目を覚ました赤竹さんは、自分のスマホにそっと手を伸ばした。
「あ、いつの間に……」
赤竹さんは重い足取りでモバイルバッテリーを取りに行った。
「やっぱり可愛いわね。」
泣き止んだ茜ちゃんを見た金森さんと白谷さんは、2人同時にそう言った。
「……最悪。帰ったら充電しないと…」
「……あ。青木さんもですか……」
やっと目を覚ました青木さんと赤森さんは、充電が0になったスマホの画面を寝ぼけ眼で見つめていた。
「えっ、2人も?待ちなさい、今貸すから……。最初は赤森くんでいいわね?」
赤竹さんは赤森さんにモバイルバッテリーを渡した。
「すみません、ありがとうございます」
「ありがとうございます副店長。あ、赤森くん終わったら教えてね」
赤森さんと青木さんがお礼を言ったその時、藍谷さんと緑ヶ丘さんが目を覚ました。
「……えっ、充電0……?SNS見すぎたのかな……?」
「……寝落ちしてたのか?って、俺もじゃねえかよ……」
藍谷さんと緑ヶ丘さんの足はややふらふらしていた。
「藍谷さん、すぐ帰って充電した方がいいわよ」
心配した金森さんが藍谷さんに声をかけた。
「あ、モバイルバッテリー持ってきましたので大丈夫ですよ」
藍谷さんは少しだけ微笑みながらそう返した。
「緑ヶ丘くんも充電すぐした方がいいわよ」
白谷さんも心配した様子で緑ヶ丘さんに声をかけた。
「あ、僕もモバイルバッテリー持ってきましたので気にしないでください」
緑ヶ丘さんは少しだけ顔を赤くしてそう返した。
「……あら?あっという間に充電切れちゃったわね」
ちょうどその時、茶山さんが最後に目を覚ました。
午後7時50分
赤竹さん、青木さん、赤森さん、緑ヶ丘さん、藍谷さん、茶山さん、金森さん、白谷さん、そして茜ちゃんを抱いた黄ノ山さんはそれぞれの家に帰る準備をした。
午後8時15分
「……あれ?また寝ていたのか……。あっ」
目を覚ました黒田さんは、床に転がった自分のスマホを拾った。
「もうこんな時間か。はぁ……。桃松さんと青山くんは今頃2人で流しそうめんでもしているのかな……?それともスイカ割り……?」
黒田さんはそう呟きながら1人で階段を降りた。