の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】 作:桃色ぴんく
7月10日午後8時20分
「今日は金曜日なのに変だな……。いつもよりおひさまランドのお客さん多いのかな……?」
みうさんはスマホを見ながら呟いた。
午後7時に、
大輝、残業お疲れ。亜李の家で待ってるから終わったら連絡して。
とメッセージを送ったが、まだ既読がつかない。
「え?!うん、きっとそうだよ!あそこのメリーゴーランドマジ楽しいもん!あ、今度さ、仕事終わりかどっかでウチらとトリプルデートしよ!ね!」
亜李さんは暗い顔のみうさんを必死に励ました。
「あ、亜李……。ゆうちゃんのこと思い出すからやめてあげて……!」
遥さんはみうさんの目に溜まった涙を見て声を震わせていた。
「……っ!」
亜李さんは思わず両手で口を塞いだ。
「あ、蒼森さん大丈夫?もしかしてケーキ食べ過ぎてお腹壊しちゃった?それとも飲み物でお腹冷えちゃった?」
誠人さんがきょとんとしたような顔でみうさんを見つめた。
「本当にごめん、みう!って、誠人!アンタいい加減に空気読んで!」
亜李さんは誠人さんの天然すぎる発言に呆れ果てた。
「亜李、それじゃブーメランだよ……。あ、みうさんごめんね。お水いる……?」
遥さんの声はまだほんの少しだけ震えていた。
ピンポーン
「あ、雄馬にゃんかも!みんな、そこで待ってて!」
亜李さんは猛ダッシュでインターホンを見た。そこには、小刻みに踊る赤いうさぎの着ぐるみの姿が映っていた。
「ちょ、えwww」
亜李さんは笑いながらドアを開けた。
「ねえ何その格好wウケるwwwあ、呼んでくるからそこにいて。おーい!みうーー!みうだけこっち来てーー!!」
みうさんは右手で涙を拭いながら玄関へ向かった。
「え……?なんでうさぎ……?」
みうさんは突然の来客に戸惑った。
「あ、ビビるよねw中の人は雄馬にゃんだから安心してw」
亜李さんはみうさんの肩をポンと優しく叩いた。それとほぼ同時に、赤いうさぎの着ぐるみはみうさんに小さな青い箱を渡した。
「ありがとうございます!」
みうさんがそれを受け取ると、赤いうさぎの着ぐるみは楽しそうな踊りをして去っていった。
「あ……。大輝からのプレゼントだ……」
みうさんは早速ピンクのリボンを解いた。
「み、う、あ、い、し、て、る……!」
みうさんは、猫型の青い文字入れストラップを思わずぎゅっと抱き締めた。
午後8時35分
「キャーーーーー!!!!」
キッチンから遥さんの悲鳴が聞こえた。
玄関にいたみうさんは、文字入れストラップ片手にカチコチに固まってしまった。
「え!遥?!ちょっと待って、どうしよう……!」
丸腰の亜李さんは、何もできずにひたすら玄関をウロウロしていた。
「亜李ちゃん!蒼森さん!なんかいきなり強盗入ってきた!遥はなんとか守れたけど……」
玄関に着いた誠人さんの声は震えていた。
「え、強盗……?」
みうさんは思わず亜李さんの後ろに隠れた。
「みう大丈夫?遥は……?って、ちょっと!後ろ!!!」
亜李さんの叫び声を聞いた誠人さんは、慌てて後ろを振り返った。そこには、ピストルを持った黒のフェイスマスクの強盗がいたのだ。
バンッ!バンッ!
強盗は何度も壁をピストルで撃って脅してきた。
亜李さんとみうさんも守りたかった誠人さんは、銃声を前に体が全く動かなかった。
「キャーーーー!!!雄馬にゃんどこ?!助けてーーーーーー!!!」
亜李さんはみうさんを置いて外まで逃げてしまった。
そして、強盗はみうさんを人質に取り、頭にピストルを突きつけてきたのだ!