※この作品はR-18です。

の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】   作:桃色ぴんく

59 / 132
第59話

7月11日午前1時30分

 

1人の若い女性はまだ起きていた。

 

「うーん、どうやったらいいのかな?」

 

女性は、たまたま家にあった白いコンビニのスプーンとにらめっこしていた。

 

「追加の銀の絵の具買えなかったのが痛い。はぁ、小麦粘土勝手に使うわけにいかないしな……」

 

充電が終わったスマホをケーブルから抜いた女性は、

 

 

銀色 ない どうしたらいい?

 

 

とAI検索で調べた。

 

「白と黒か!それなら!!!」

 

急に夜空の星のように明るくなった女性は、机の引き出しから白と黒の絵の具を取り出した。

 

「何悩んでたんだろう、バカみたい。これで完璧じゃん!黒と白ならもしかしたらまだ買えるかもだし」

 

女性は銀色を作るのに成功した。

 

「私は今日も歌うの♪大好きなみんなのために〜♪」

 

そして、夜中なのにもかかわらず大声でYOZAKURAのシンガーを歌いながら1階へ降りていった。

 

午前1時35分

 

「賞味期限切れがいい材料になった♪ラッキー♪」

 

粉末の赤唐辛子が、皮肉にもスプーン再現チャレンジで3万いいねを獲得した女性の無駄な才能を引き出してしまったのだ……

 

「よし!もっとリアルなやつ作っちゃお!」

 

一方その頃……

 

別の若い女性が、サニーランドの2階にある魔法の太陽というパーティーグッズ屋さんで買い物をしていた。

 

「うーん、どうしたらよりゆうちゃんっぽくなるかな?黒髪ツインテールのウィッグとピンクのセーラーワンピとピンクのシュシュは家にあるけど……。めちゃくちゃ可愛く加工したはずなのに、なんでかな?」

 

女性がなりきり桃松ゆうちゃんの自撮りを見返しながら歩いたその時だった。

 

「痛っ!」

 

 

ガタン!

 

 

女性にぶつかった何かが倒れてしまった。かなり大きな音がしたが、近くに誰もいなかったのが救いだった。

 

「あ!ごめんなさい!あれっ?マネキン?一応店員さんに……あ、この時間は無人販売だった……。ラッキー」

 

女性はほっと胸を撫で下ろし、倒れた2体のマネキンをゆっくり元通りに起こした。だが、それらの組み合わせはどう見てもおかしい。

 

「あれ?どうして男の人のマネキンは王子様のコスプレなのに、女の子のマネキンはお姫様のコスプレじゃないんだろう?不思議……」

 

女性はやや怯えながら首を傾げた。

 

男の人のマネキンは、まさに少しワックスをかけた短めのミディアムヘアがよく似合う白馬の王子様そのものだったが、女の子のマネキンは、黒髪ツインテールの女子高生そのものだったからだ。

 

「変なの……。もしかして店員さん間違えたのかな?あ、でもこれはこれでありかも。可愛い」

 

女の子のマネキンは、女性に何かを伝えているかのように見えた。

 

午前1時45分

 

「な、何……?なんか急に怖くなってきた……。なんで?」

 

謎すぎるマネキンに呪われたのか、女性は無意識にSNSを開いてしまった。

 

「……!これって、ゆうちゃんが10年前に着てたと噂の根ノ江南高校の制服じゃん!え、ちょっと待って!?」

 

店員さんは何も間違っていなかったのだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。