※この作品はR-18です。

の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】   作:桃色ぴんく

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第61話

7月11日午前9時30分

 

青木さんは、日の丸コンビニの外で買った麦茶を飲んでいた。

 

「ふぅ、2本買っておいて正解だったわ。やっぱり今日も暑いわね」

 

もう1本のお茶をカバンにしまおうとした時、あるものが目に入った。

 

「……っ!あああああ!!桃松さんっ……。青山くんっ……」

 

底にあったのは、2日前に食べ忘れたチョコ味のくまさんマドレーヌだ。原型を留めないほど中でボロボロに崩れてしまっていたのだ。

 

青木さんは、涙を流しながら空に向かってそっと手を合わせた。

 

一方その頃、おひさまモールの2階では……

 

茶山さんは、おひさまファッションというシンプル系の服屋さんにいた。そこは、洋服だけでなく靴下や下着も売っているとても便利なお店だ。

 

「そろそろ夏の靴下を買い足さなきゃだわ。これからさらに暑くなるもの。嫌ね……。ただでさえ桃松さんも青山くんもいなくなっちゃったのに……」

 

茶山さんは、目を潤ませながら冷感素材の靴下を2足カゴに入れた。

 

午前9時45分

 

茶山さんは、1番入りたくないはずのお店にブラックホールのように吸い込まれてしまった。

 

そこにいた黒髪ツインテールのマネキンは、白い丸襟が付いたピンクのフリルブラウスとピンクのチュールスカートにドレスアップしていた。襟元には、ビビットピンクの立体リボンが付けられていた。

 

マネキンの近くにあるハート型の白い看板には、

 

ゆうちゃんになれちゃう♡オススメの組み合わせ♡

 

と書かれていた。

 

看板を見る気力すら失った茶山さんは、死んだ目でフリルブラウスコーナーの商品を見ていた。

 

「可愛いわね……。桃松さん……休みの日はいつもこんな感じのを着ていたわ……」

 

茶山さんが何も手に取らず静かに涙を流していたのに対し、なりきり桃松ゆうちゃんは笑顔で付け襟やスカートなどを手に取り、ゆうちゃんに近づけそうな組み合わせを必死に考えていた。

 

土曜日なのもあり、なりきり桃松ゆうちゃんは一昨日の倍以上いた。

 

一方その頃、サニーランドでは……

 

金森さんと白谷さんは、サニーショップというスーパーにいた。お昼ご飯を買おうと思ったが、お惣菜の種類が七夕の日までの半分しかなかったのだ。

 

「白谷さん、ここも桃松さんを思い出しちゃうわね……」

 

「そうね、金森さん。私は青山くんも思い出しちゃって苦しいわ……」

 

金森さんはミニ鮭弁当、白谷さんはミニ唐揚げ弁当をカゴに入れてそう言った。

 

「桃松さんもそうだけど、青山くんも可哀想よね。桃松さんは食べられちゃったし、青山くんは心も体もボロボロになっちゃったし……!」

 

ミートボールをカゴに入れる金森さんの手は震えていた。

 

「そうよね、本当に可哀想。顔しか取り柄のない……。いや!もう何もかも腐ったあの男が許せないわ……!」

 

卵焼きをカゴに入れる白谷さんの手も同じように震えていた。

 

「私たちどうしたらいいの……?2人の分までちゃんと生きていけるのかしら……?」

 

金森さんと白谷さんは、不安で涙を流しながら手を繋いでセルフレジへと向かった。

 

セルフレジには、お客さんが自分で取る用のナイロン袋、箸、フォーク、スプーンがあるはずなのだが……

 

「やっぱり……!ああああああああああ!!!!!」

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