※この作品はR-18です。

の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】   作:桃色ぴんく

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第65話

7月11日午後1時

 

ランチを終えた青山さんのお母さんは、気を取り直してもう1回男を探すことにした。

 

「何がしたいのかしら、あの魔王は」

 

玄関も、キッチンも、ダイニングも、真っ黒なピアノがあった部屋も、映画館のような大きなスクリーンがある部屋も隅から隅まで探したが、男の姿はまだ見当たらない。

 

「あと探してないのはどこかしら……?あら?復讐もだけど、よく考えたら魔王の情報を得ることも大事だわ。魔王が帰ってくる前に……」

 

青山さんのお母さんは、7月7日にゆうちゃんが殺されたあの場所へと向かった。

 

午後1時15分

 

「きゃあああああああああああ!」

 

パールのように真っ白なはずの男のベッドは、ルビーのように真っ赤に彩られていたのだ。

 

「お姫様も痛かったでしょ……?王子様と同じくらいに……!うっ……!」

 

青山さんのお母さんは、ゆうちゃんと青山さんを思い出し、泣きながら真っ赤なベッドをそっと撫でた。

 

元々枕が置かれていた場所には、男がゆうちゃんの手首を縛るために使ったシルクの紐がポツンと置かれていた。

 

「まさか、この紐でお姫様を縛ったの?」

 

青山さんのお母さんは、目を潤ませながらシルクの紐をそっと抱き寄せるとすぐにカバンに入れた。ほんの少し震えながら辺りを見渡すと、ピンクの不思議な物体が目に入った。

 

「あれは何かしら……?」

 

恐る恐る近づいてみたが、それはゆうちゃんのピンクのスマホケースだった。

 

「あ……!!!」

 

一方その頃……

 

 

次のニュースは〜♪

 

まだまだブームは終わらない♪スプーン再現チャレンジ〜♪

 

ここ数日、SNSのトレンド1位をキープ!

 

このブームはいつまで続くのかな?

 

プラスチックのスプーンに絵の具などで色を塗って再現する人もいれば、元々銀色のスプーンの先に食紅などを添えて再現する人も♪

 

She was my best foodって星の言葉が持ち手に上手に書けると気持ちいいよね♪

 

最近は、小さな子供たちもスプーン再現チャレンジに挑戦中♪

 

桃松ゆうさんと男の事件の影響って本当にすごいよね〜♪

 

次のニュースは、新たなブーム?!桃松ゆうさんが通っていたかもしれない根ノ江南高校の制服再現チャレンジ♪

 

 

おひさまファッションビルの電光掲示板は、相変わらずよくわからんニュースの内容を映していた。

 

土曜日だからか、電光掲示板をじっと見ていた人たちは少なくとも昨日の10倍はいたのだ。ほぼ全員がゆうちゃんあるいは男と同じような服装をしていたのはもはや説明するまでもない。

 

午後1時35分

 

1時間前に偶然会った緑ヶ丘さんと藍谷さんは、おひさまファッションビルの1階にあるTwinkle Starというレストランにいた。2人とも星のハンバーグランチを食べていた。

 

デミグラスソースがたっぷりかかったハンバーグの上には、星型のとろけるスライスチーズが添えられていた。

 

「なあ……。これ食い終わったら桃松と青山にお供えしに行くんだよな……?」

 

緑ヶ丘さんは星の輝きを一切持たない目で藍谷さんを見つめた。

 

「はいっ……。あ……他の皆さんにも連絡……。した方がいいですかね……?」

 

藍谷さんも同じような目で緑ヶ丘さんを見つめた。

 

「どうだろうな……。今日はDNAの鑑定結果が出る日だしな……」

 

緑ヶ丘さんは涙を見せないように俯いた。

 

「ですよね……。だからこそ、あたしはどんな結果になろうとも……見届けたくて……!でも……!ひとりじゃ無理なんです……っ!!!うっ!!!いやああああああああああああ!!!」

 

藍谷さんは、俯くことすらできずに小さな子供のように泣き叫んでしまった。

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