の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】 作:桃色ぴんく
7月9日午前8時45分
うさぎマーケットの休憩室は例のSNSの話題で盛り上がっていた。
「緑ヶ丘さんこれどう思います?昨日見たんですが……」
昨日休みだった30歳の若手男性の赤森さんの声は震えていた。
「おまwそんなくだらねえウソ信じてるの?ウケるw」
緑ヶ丘さんは完全にSNSはウソだと決めつけてお気楽に笑っていた。
「あらあら、なんの話?」
昨日休みだった48歳のベテラン女性の茶山さんが質問した。
「あ、最近話題のSNSの話です。イケメンにピンクセーラーの女の子が殺されて食べられた事件……!」
「おいwビビりにも程があるだろw茶山さんどう思います?」
「キャー!誰この人!すっごくイケメンね!」
昨日休みだった42歳のベテラン女性の青木さんは、いつの間にか会話に割り込んで発狂した。
「でもこの人、女の子を殺して食べたらしいの。本当だったら怖いわね〜。」
茶山さんもSNSは完全にウソだと思っていた。
「あらそうなんですね……。ってこの女の子桃松さんにすごく似てるわね…。ところで店長と副店長はどこかしら?」
青木さんはちょっと不安そうだ。
「僕は知らないです。って、そうなんですよ。桃松さんにそっくりなんですよ……。というか特定班が……!」
赤森さんが何か言いかけた途端!
「わ、私の聞き間違いじゃなければここに警察が来るらしい!あと、青山くん欠勤みたい……!」
明らかにいつもと違う声で赤竹さんが報告した。
「え?!警察?!」
みんなが驚いたその瞬間、黒田さんは大声でこう言った。
「緊急朝礼!今から警察が来る!急でごめんけどしばらく臨時休業にする!青山くんも休みだし、桃ま……あ!お客様には公式アカウントで伝えた!もちろん店のドアに貼り紙もしてある!」
本日より当面の間、諸事情により臨時休業とさせていただきます。
お客様にはご迷惑をおかけし申し訳ございません。
これがそのうさぎマーケットのSNSの投稿だ。貼り紙にも同じことが書いてある。
「え?!臨時休業?!どういうことですか?!」
みんな混乱していた。
「とにかく僕が対応するから!みんなは店の仕事はしなくていいから帰りなさい!」
「嫌です!!!!!」
赤竹さんたちは何かを察して勝手に声が出てしまった。だが、例のSNSはウソだから大丈夫って気持ちもまだ残っていた。
「そうか、分かった。だったらコンビニかどこかで好きなお菓子とか飲み物とか買ってくださいね……。休憩室のテレビ自由に見ていいから……」
優しい黒田さんはそう言うしかなかった。
午前9時
ゆうちゃんのお母さんと警察がうさぎマーケットに着いた。
外では『日常』が徐々に壊れ始めていたことはまだ誰も知らなかった……