※この作品はR-18です。

の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】   作:桃色ぴんく

71 / 132
第71話

7月11日午後6時45分

 

亜李さんは誰よりも早くHotel Sunnyに着いた。ここは同窓会の会場の三ツ星ホテルで、それなりに高級感がある場所だ。

 

「予約していた金山亜李です」

 

フロントスタッフに声をかけた亜李さんは、1階にあるスペシャルルーム1号室へと向かった。

 

「さて。最後の仕上げといきますか!」

 

同窓会の幹事3人が指定した部屋には、白いテーブルクロスが引かれた6つの丸テーブルが置かれていた。

 

亜李さんは、慣れた手つきで家から持ってきた番号札とピンクの造花を丸テーブルに添えた。

 

「1、2、3、4、5、6!番号よし!飾りも完璧!あ、お皿とフォークとナイフとスプーン……。貸してもらわないと……っ」

 

指差し確認を終えた亜李さんは、涙を堪えながらキッチンへと向かった。

 

プルルルルルル

 

「なんで今?あ、遥たちかな……。あれ?みなみからだ……。もしもし……?」

 

「あ、亜李ちゃん。お願いがあるの」

 

「え、何?」

 

「同窓会行けないって一昨日言ったけど、やっぱり私も参加させて……」

 

「……。ウチはいいけど、子供は?」

 

「あ、子供ならお母さんが見てくれることになった」

 

「本当?じゃあ、みなみの分も手配しとくね」

 

「ありがとう!無理言ってごめんね!」

 

亜李さんは電話を切った。

 

一方その頃……

 

誠人さんは、白のワゴン車を運転していた。もちろん、助手席にいたのは左手の薬指を見つめる遥さんだ。

 

「本当にありがとう誠人。一生大事にするね」

 

遥さんは手の甲を誠人さんに向けた。

 

「どういたしまして。少しでも楽しい同窓会にしたかったからね」

 

誠人さんは得意気にハンドルを回しながらそう言った。

 

2人の頬は、ルビーよりも真夏の太陽よりもずっと赤く染まっていた。

 

プルルルルルル

 

「ごめん、スマホ借りるね」

 

遥さんは誠人さんのバッグからスマホを取り出した。

 

「亜李かな?……あれ?礒部さんだ。も、もしもし……?」

 

「あれ?誠人くんは?」

 

「ごめんね、今運転中。あ、私でよければ話聞くけど……」

 

「……。あ、同窓会やっぱり出席にしてくれないかな?もしかしたら途中から参加できそうな気がして」

 

「うん、いいよ。むしろ来て欲しい」

 

「ありがとう」

 

「どういたしまして。誠人に伝えとくね」

 

遥さんは電話を切った。

 

「あ、誠人。礒部さん遅れて来ることになった」

 

遥さんは誠人さんに伝言した。

 

「そうなの?嬉しいな」

 

誠人さんは微笑んだ。

 

信号待ち中、遥さんは

 

 

礒部さん遅れて来るみたい。

 

 

と亜李さんにメッセージを送った。

 

それとほぼ同時に、亜李さんから

 

 

みなみも来るってー!

 

 

と遥さんのスマホにメッセージが届いた。

 

「あ、楠木さんも来るんだ……!」

 

午後6時55分

 

遥さんと誠人さんもHotel Sunnyに着き、フロントスタッフに声をかけた。

 

「すみません。予約していた黒谷遥です……」

 

「こんばんは。同じく予約していた白石誠人です」

 

その後、遥さんは手書きの出席表を挟んだ黒いバインダー、誠人さんは謎の白い本を持って同窓会の会場へと向かった。

 

その本は、ゆうちゃんが生前大切にしていたものと全く同じものなのだ……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。