の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】 作:桃色ぴんく
7月11日午後7時20分
28歳の女性3人が同窓会の会場に入った。3人ともお気に入りのぬいぐるみを抱きながら目をキラキラさせていた。
「あー!マジでバイキング楽しみ〜!」
白い猫のぬいぐるみを抱いた女性は、Hotel Sunnyの豪華なディナーバイキングを想像してつい飛び跳ねてしまった。
「わかる〜!絶対SNS映えしそうだよね!あ、めちゃくちゃ可愛いのが撮れそうな予感♡」
茶色い熊のぬいぐるみを抱いた女性は、ディナーバイキング以上に自撮りを楽しみにしていた。
「そうだね!あ、イケメンに食べられたゆうちゃんって私たちと同じ高校通ってたらしいね。知ってた?」
黒い犬のぬいぐるみを抱いた女性は、ゆうちゃんがかつてのクラスメイトだったことにまだ気づいていなかった。
そのすぐ近くには、5分前に会場に着いた28歳の男性2人がいた。2人ともスマホとにらめっこしながらニヤニヤしていた。
「なあなあwDNAがゆうちゃんのDNAと一致したってニュース見たか?」
唐揚げにされたゆうちゃんのファンアートを待ち受け画面にしている男性は、日の丸の国史上最悪の事件を面白がっていた。
「見た見たw怖えよな〜wでもぶっちゃけイケメン犯人が羨ましいぜw俺も食ってみたかったな〜!ゆうちゃんの肉!」
オムレツにされたゆうちゃんのファンアートを待ち受け画面にしている男性は、ゆうちゃんの死について、日の丸の国史上でも最悪と言える発言をした。
そこからほんの少し離れたところには、3人の女性とほぼ同じタイミングで来た2人の女性がいた。2人はママ友同士なのだが、子供の話は一切しなかった。
「見て!ジャーン!リアルでしょ?!」
赤いバッグを持った女性は、例のSNSの画像によく似たスプーンを青いポーチから取り出した。当然、あの星の言葉も本物そっくりに美しく書かれていた。
「すごいじゃん!どうやったの?!私とは大違いだよ……」
白いバッグを持った女性は、落ち込んだ様子で例のSNSの画像を真似したであろうスプーンを黒いポーチから取り出した。あの星の言葉は黒いペンで書かれていた。
「秘密〜♪」
「えー!教えてよ!」
2人とも一昨日からよくわからん遊びに夢中になっていたのだ。
会場の隅っこには、10分前に会場に着いた28歳の男性2人がいた。2人ともひそひそ話をしていた。
「耳貸して。あのさ、もしゆうちゃんグッズがおひさまモールとかで売られたらどうする?」
青のタオルを首に巻いた男性は、本当によくわからん質問をした。
「グッズか……。それよりも惣菜か弁当にされたゆうちゃんを食いてえな。二の腕の刺身とかおいしそうだろ?」
緑のタオルを首に巻いた男性は、本当に背筋が凍る妄想を語り始めた。