※この作品はR-18です。

の【日の丸の国史上最悪の猟奇殺人事件がきっかけで始まった物語】   作:桃色ぴんく

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第74話

7月11日午後7時25分

 

1組の夫婦が同窓会の会場にいた。旦那さんも奥さんも同い年の29歳だ。2人ともゆうちゃんと藍斗の二次創作マンガをスマホで何度も見返していた。

 

「藍斗ってまさに名前通りだよね、かっこいい♡しかも、ゆうちゃんの調理法のセンスある〜♡」

 

奥さんは、藍斗がゆうちゃんを野菜炒めにして食べる気味の悪いマンガに夢中になっていた。大まかな内容は、藍斗が刻みネギと人参とゆうちゃんを塩コショウで味付けして炒めるというものだ。

 

「お?このゆうちゃんいいね〜!俺も食べたくなってくるよ!」

 

旦那さんは、藍斗がゆうちゃんをバケツプリンに添えて食べる気味の悪いマンガに夢中になっていた。大まかな内容は、藍斗がバケツプリンに裸のゆうちゃんを生き埋めにして、生クリームを大量にかけるというものだ。

 

少し離れた場所では、29歳の女性2人が誰よりも大きな声で会話をしていた。2人ともスマホで自撮りをしながら盛り上がっていた。

 

「ねえ、見て!さっき撮った200枚目♡可愛いでしょ〜♪藍斗様、きっとゆうちゃんよりあたしに夢中になっちゃうだろうな♡あ、セクシーショット特別に見せてあげる♡」

 

イチゴの香りの香水を付けた女性は、どこに需要があるのかよくわからん自撮りをノリノリで見せ始めた。

 

「えっ、200枚?!私まだ158枚目だよ。あ、このハートのポーズゆうちゃんっぽくて可愛くない?!これなら藍斗様もメロメロになるかな……?」

 

オレンジの香りの香水を付けた女性は、あどけない少女のようなポーズを取った自撮りをはにかみながら見せ始めた。

 

そこから少し離れたところでは、29歳の男性3人がお葬式の会場にいるかのような顔をしていた。

 

「聞いて。僕、やばいことをしてしまった……」

 

シルバーの腕時計をした男性は、スマホだけを見つめて目を潤ませていた。だが、具体的な内容を語ろうとすると唇が震えてしまうのだ。

 

「おい。何したんだよお前……」

 

ゴールドの腕時計をした男性は、やや呆れた様子で親友の顔と銀色の腕時計を見つめていた。

 

「……。あ、僕らが根掘り葉掘り聞くことじゃないかもしれない。とりあえず、同窓会を楽しもう……」

 

ブロンズの腕時計をした男性は、神妙な面持ちで2人の親友のために必死に話題をそらそうとした。

 

シルバーの腕時計をした男性が、この後さらなる絶望を味わうのは時間の問題だ……

 

ドアのすぐ近くでは、29歳の女性2人が静かに涙を流していた。

 

「う……うう……。そんな……。そんなっ……」

 

「ゆうちゃん……。どうしてあんな最低なこと言っちゃったのかな……。私……」

 

洋服作りの材料のレースを持った女性と、そのレースが何に使われたかを証明する写真を持った女性は、それぞれ家から持ってきたもので顔を隠していた。

 

そこに、29歳の女性1人が『パンドラの箱』を持って泣きながらやってきた。

 

「……っ!!ねえ……?藍斗様に食べられたゆうちゃんって……。この子……だよ……ね?根ノ江南高校3年1組の……!」

 

午後7時30分

 

遥さん、誠人さん、亜李さんが根ノ江南高校3年1組の同窓会の会場に戻ってきた。その時、亜李さんは涙ぐむみうさんの手をしっかりと握っていたのだが……

 

「え……。嘘でしょ……」

 

3人の幹事はその場に立ちすくんでしまった。

 

ゆうちゃんの親友は何も言えずただ呆然と会場を見つめていたのだ。

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