岡崎泰葉さん、年下の男の子にたくさん感じさせられてしまう 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
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また泰葉センパイが冷静ぶったり流されてひぃひぃ言うハメになる話です。
たぶん、きっと、ほとんど絶対、それはレイプなんです。
信じられないことばかりのその映像の中で、それだけを信じていました。
『んひゅ、かは、ぁ、あッ……い、いやっ、いやああ……ぁあぅ……っ!』
『ほら、洋子さん。イッちゃってるところ、よく見せて』
私のスマートフォンで、ある映像が再生されていました。だだっ広いフローリングにヨガマットが敷かれた上で、若い男女が組んず解れつしていました。ときどき手足や胴をジタバタさせフローリングをビタンバタンと鳴らして、痛そうだなと思いました。
それ以上はっきりと理解しようとすると、しんどくて頭がじりじり痺れるほどでした。
『イッてなんか……お、ねが……とめぇ……えああっ!』
『じゃあ、漏らしちゃってるところを、よく見せて』
映像を撮影したのは鞄か何かに仕込んだ隠し撮りカメラらしく、フレームの端っこをファスナーの凹凸が不揃いに横切っています。それだけでもいかがわしいのに、フレームの真ん中には。
『この格好って、確かに動きやすいだろうけど、いろいろわかりやすいよね。自分の体を見せびらかしたいんでしょう』
『ちが……や、やめっ……や、あ……あっ!』
ラフなTシャツとハーフパンツの男性が、ライムグリーンのタンクトップとパステルオレンジのヨガパンツを着た女性を後ろから組み伏せて胸をもんでました。
女性は少し前までジタバタしていましたが、じきに手足を緊張させてガクガクと震えさせるようになり、ヨガパンツのよく似合う引き締まって健康的な太ももを必死で閉じていました。
やがてその股間部分にじわじわと濃いシミが広がっていきました。
『おっぱいだけでおもらしできてえらいねぇ、洋子さん』
その場面では、女性の胸や太もも、股間ばかりがクローズアップされていて、2人の顔は見切れています。
その女性が、私と同じ事務所のアイドルで……なんて認めたくありませんでした。しかし認めざるを得ないぐらい、私は場面の前段を知っています。
そもそもその映像は、洋子さんから私にメッセージアプリで送られてきたURLで見る羽目になったものでした。
送られた直後はアクセスせず捨て置いていました。私の同僚アイドル・斉藤洋子さんにしては不自然だったからです。
洋子さんは私より数歳年上で、『蒸機公演 クロックワークメモリー』という大きなお仕事をきっかけに親しくなりました。明るく健康的な外見と気さくな物腰は、ファンだけでなく私にとっても眩しいものです。密かに、こんなお姉さんがいたらなぁ、と思っています。ただ、クロックワークメモリーの配役と違って機械への造詣がちょっと怪しい人でもあります。URLについてはアプリがマルウェアにでも引っかかって勝手に送られたんだろうと思いました。
それで顔を合わせたときにそれとなく確認したら、明らかに引き攣った作り笑い。『間違いか何かなら消しちゃっていいですか』と言うと、止められてしまいました。
帰宅して誰もいない自室でアクセスしてみたら、内蔵機能の動画プレイヤーで再生が始まりました。そこでいったん止めて、念のためブルートゥースのイヤホンを設定してから、また再生をタップ。
『色々な格好を見せてくれているけど、洋子さんはそれが一番お似合いだよね』
『……あなたに褒められても』
だだっ広いフローリングにヨガマットが何枚か敷かれて、女性が腰を下ろしていました。ライムグリーンのタンクトップとパステルオレンジのヨガパンツがよく似合っています。その女性が、座ったまま脚を組みつつ、肩からお尻までをぐいぐい大きくひねっていました。しなやかな体のラインに見惚れそうになります。
言葉にしようとするとややこしいのですが、つまりヨガでいう〝半分の魚の王のポーズ〟でした。名前とやり方を、私は洋子さんから教えてもらったんです。
でも、私にポーズを実践しながら教えてくれたときの洋子さんは年下かと思うほど可愛らしく得意げだったのに、この映像の彼女は――(その時点では顔がカメラに写る位置どりでしたが、私は彼女を斉藤洋子だと信じたくありませんでした)――別人かと思うほど痛ましく口惜しげでした。
『健康的で、もちもちしている自慢のお肌もよくわかる』
『ぃ、や……』
『本当?』
女性のほっそりした肩やウエストを我が物顔で触る若い男性の顔にも、うっすらと覚えがありました。
『嫌だって、言ってる……ふ、ひぅっ』
『指先で、ほとんど力も込めないで撫でてるだけなのに、お腹が奥までピクって動いたね』
声や体格は聞き覚えがありませんでしたが、顔立ちと立ち居振る舞いで、どうしてもある男の子を思い出してしまいました。
『あなたの……気のせいよっ』
『鍛えてる女の人ってみんなこうなのかも。まるで男に気持ちよくしてもらうためにそうなったみたい』
『……私以外にも、こんなことを……?』
『あなたのアイドルとしての需要も、たぶんそんな感じでしょ』
私より一つ年下で、子役時代にいくらか共演したことのある男の子がいました。顔立ちが抜群に整っていて演技もそれなりで、一時は多忙な売れっ子でした。ただ、いじめっ子気質がきつくて、仕事が増えるとともに現場での評判の悪さも広まり、徐々に見なくなりました。
私は子役時代、知名度と大人への従順さを買われて、子役が何人もいる現場のときは子役のまとめ役を任されることがあり――(現場の学級委員かな? などと、からかわれたりもしました)――その男の子に手を焼きました。もう音信不通になって何年も経ちます。
『なに、を……っ、ひうっ!? や、やめてっ……!』
『例えば、こんなところとか』
男性の指先が、彼女の腋の下に潜り込みました。半分の魚の王のポーズでは、腋の下が直角ぐらいに開かされていて、腋のくぼみが深くはっきり見えます。そこを、男性の指が触れるか触れないかで軽く行き来しました。
『あひっ!? くっ……ふふっ、や……くすぐった……いっ!』
『ちょっと汗かいてるかな。でもいい匂いだよ』
『ちが……ひっ、あははっ、くるし、い……っ!』
彼女が肩やお尻、足の指を揺らしました。くすぐったさを堪えながらも、前もって命令されたのか、ポーズを取ったままされるがままです。
タンクトップの裾がずり上がり、パステルオレンジのヨガパンツとの隙間からウエストがのぞきます。鍛えられた腹筋と、ほっそりした肋骨が対照的です。その大きく胴をひねって描かれた曲線に、男性はもう片方の手を軽く添えました。
『ここも、すごくいい反応だ。おっぱいやお尻の近くだとむにゅむにゅ柔らかいけど、こっちはぎゅって引き締まってて、ピクピクってする』
『んふっ、くあ、あはははっ! こんなの、いやっ、いやだってば……!』
生理的な刺激に抗えず、笑い声を上げさせられる。その映像を見ていて、ただのいたずらではなくいじめだ、と感じるのは私の偏見でしょうか。
私が思い浮かべていた彼のいじめっ子気質も、くすぐりという一見無邪気な形をとることがありました。
本当に無邪気と言って良かったのでしょうか。
どんなに精神が拒絶していても、脇腹を弄られれば体は震え、声は漏れてしまう。自分自身の肉体をコントロールできないという屈辱を与える。くすぐりにはそういう残酷な面があります。
『はぅ、ほぁっ、はぁっ……っくぅ……あああっ……!』
映像の中で、男性の手がゆっくりと動いていました。私はそれをぼんやり見ていました。男性が元子役の彼だ、というのもどこかで疑っていました。彼だとすれば私より一つ年下です。
『まだこれしか触ってないのに……覚えててくれてるのかな、洋子さんの体が』
タンクトップ越しに彼女の乳房を下から包んで、手のひらを密着させているだけでした。焦らすつもりの動きなら子役のころの彼と大違いです。彼が動きを抑えているせいか、息を荒くしている彼女の肩やお腹の動きが目につきます。
もし彼女が斉藤洋子さんであるなら、と思ってしまう大きな理由が彼女のスタイルでした。プロフィール通りなら身長157センチ、スリーサイズでいえば85-57-82。その数字も同業である私がちょっぴり引け目を感じるぐらいすごいのも、冬でももっちりした肌やぴんと通った背筋も、ヨガのポーズで映像ごしにもわかって、まさか、と思わせるのです。
『ふ、ぁ……は、ぁはっ……さあ、ねっ』
洋子さんが息を整え、ヨガマットの上で静かになりました。彼を黙殺する構えを取り直しました。
男性の人差し指が、バストトップのあたりで止まりました。タンクトップの布越しに、ごく小さく円を描きました。一度、二度、三度。
『この前、あんなに無様に鳴いてた時のこと、洋子さんの体が全部覚えてくれてたら、どうしようかなぁ』
彼女の呼吸が変わりました。かすかな変化でしたが、私にもわかりました。顔や吐息だけならともかく、首筋やウエストまで素肌を晒していると、隠すのは至難の業です。
『……っ、んっ』
『体は、もう素直だよね』
男性が彼女のバストトップでまた手を止めました。今度は両手の指で、それぞれの乳首を――(布でぴったり覆われているのに、そこに乳首があると直感しました)――タンクトップごしに撫で、3本指で取り囲むようにぴたりと止めました。
彼女の唇が半分だけ開いて、閉じました。
『もう暑いね』
『……クーラーでも、点けたら?』
『乳首イキ、覚えてるでしょう』
『知らない、わ』
そこで私には、2人とは無関係であるはずの、ある記憶がフラッシュバックしてしまいました。
彼とは別の、子役時代の後輩の男の子に偶然久しぶりに会って。
何か逆鱗に触れてしまったのか、撮影の合間に人気のないところで押し倒されて。
“嫌なだけだよ”“気持ちよくならないでしょ”と口で言ったけど、意識が飛ぶほどめちゃくちゃにされちゃった。
『タンクトップ着たままでも、見えるね』
『別に、こんなものよ……女の人の体、知らないわけじゃないでしょ』
『ところで、あの僕の鞄ってさ』
『……何か?』
『実はあそこにカメラが隠れてて、撮影中なんだ』
私は最初にそう聞いた時スマホを取り落として、画面を見るどころではなくなりました。
『待って、冗談……きゃあッ、や、ぁっ!?』
『見られてる、って思ったら敏感になったかな』
『あなたがいきなり強く……待って、まさか本当に撮って……いやっ、離し……えひゅっ!?』
『舌を噛んじゃうよ』
でも、ブルートゥースイヤホンごしに聞こえたら、わかってしまうんです。
手足や胴をジタバタさせる音。衣擦れ。拒絶する声。それが強引に破られ、間に男性が煽る言葉。
マイクだけ男性が身につけていたのでしょうか。映像と比べて不自然なほど臨場感のある音が聞こえます。
『洋子さん、それじゃあ爪が傷んじゃうよ』
ガリガリと何か削るふうな尖った摩擦音は、彼の言葉通りに、ヨガマットかフローリングかに爪を立ててしまっているせいなんでしょうか。快感が否応なしに体に現れると、自分がどこかへ行ってしまいそうでつい何かをつかんでしまいます。私にも経験があります。
あと衣擦れの音が、ズル、ギュって、やけに激しく聞こえる気がしたんですが、たぶん女性の着衣だけでなく、ヨガマットとフローリングがこすれる音もあったのでしょう。
『っ……ひっう、うぅー……ぅ……!』
それから喉がヒュッと鳴るのが聞こえます。声を殺しながら呼吸しようとするせいでしょう。
『んひゅ、かは、ぁ、あッ……い、いやっ、いやああ……ぁあぅ……っ!』
『ほら、洋子さん。イッちゃってるところ、よく見せて』
そう聞き取った時点で、私はただ目を閉じていました。イヤホンを耳から抜いたり再生を止めたりできませんでした。
『イッてなんか……お、ねが……とめぇ……えああっ!』
『じゃあ、漏らしちゃってるところを、よく見せて』
絶叫に近い彼女の声がプツンと途切れ、ヒッ、ヒッ……という引き攣った吸気と、ヨガマットが不規則に叩かれる音がしばらく響きました。
『この格好って、確かに動きやすいだろうけど、いろいろわかりやすいよね。自分のいやらしい体を見せびらかしたいんでしょう』
『ちが……や、やめっ……や、あ……あっ!』
『おっぱいだけでおもらしできてえらいねぇ、洋子さん』
そこで私は一度再生を止めました。イヤホンのほうで停止できるとようやく気づきました。
これが洋子さんだと信じたくありませんでしたが、スマホを拾ってまた再生した瞬間、否定を諦めました。
『ちっ、ちくびやめ……ホントにっ、ひっ、ひふっ、きゅ、ぅ……っ!』
『あーあ、もう脱いだほうがいいんじゃないかな』
でも、たぶん、きっと、ほとんど絶対、それはレイプなんです。
『――はい、はい、わかったよ洋子さん。イっちゃわないでポーズを保ったままでいられたら、撮影をやめる。それでいいよ』
『……約束、だよ……?』
『うん、でもそういう約束なら……僕も本気でやるよ』
やがて洋子さんは左膝をヨガマットに突く姿勢になります。右膝は深く曲がっていて胸にくっついていて、私は体育の授業でやったクラウチングスタートを連想しました。ただよく見ると左すね、左足の甲もヨガマットにくっついています。そこから右足の左右に両手を軽く下ろしたあと、背筋を伸ばしつつ両手を頭上にゆっくり高く掲げながら上体を反らします。
『ふふ、洋子さん。僕はヨガを知らないからさ、ポーズの名前とか教えてほしいな』
『……三日月のポーズ、よ』
ヨガに慣れている洋子さんは、ふだんならほとんど動かないぐらいしっかりポーズを保てます。実際、隠しカメラが遠くから全身をフレームに収めている間は、ヨガパンツの大きなシミや勃起してタンクトップを押し上げている乳首から目を逸らせば、ヨガレッスンの動画のワンカットに見えなくもありませんでした。
『効能はあるの?』
『肩とか、背中の柔軟性を高めたり』
『そりゃ見りゃわかるよ』
彼がカメラを鞄から取り出し手に持って、洋子さんの体を接写しはじめます。すると、大きく反らした腕や腋、背中のラインに汗が幾筋も滴っていたり、髪が額やうなじにべっとり貼り付いていたり、耳たぶや頬や首筋が赤かったり、いかにも興奮している様が私にも伝わってきます。
『あとは、股関節とか、腰とか……』
『あんまり近づくとレンズが曇っちゃいそう』
彼のレンズが洋子さんのタンクトップを接写します。勃起してタンクトップを押し上げている乳首をしつこく撮っています。小指の先ぐらいはあるでしょう。彼が空いている片手の人差し指をピンと伸ばして、乳首に触れるか触れないかのところでくるくる指先を回します。トンボに目を回させるような仕草です。
洋子さんの首筋や腋、脇腹の肌が、ぴくりとわずかに波打つのが見えます。
『あ……』
『こっちは止めておこうか。洋子さんもがんばり甲斐がないでしょ』
『や……やってみなきゃわからないよっ』
カメラが洋子さんからやや距離を取って全身を収める位置に移り、二度三度と動きます。再び固定カメラにするつもりらしく、彼がカメラを置いては持ち上げ、置いては持ち上げと繰り返し置く位置を吟味しています。そのあいだ洋子さんは何事もなくポーズを保っていました。
しかしその均衡も破られます。
『無修正だとうるさく言われるから、着たままでいいよ』
彼がカメラを置いたあと洋子さんのそばに膝をつき、彼女のヨガパンツの中に両手をごそごそ突っ込みます。責めが再開されました。下着、肌や陰毛やあそこの粘膜などはヨガパンツの生地に隠れています。しかし、前後に大きく太ももが開かれてパツパツになった生地が、洋子さんの太ももやお尻の反応をむしろ誇張してこちらに伝えてきます。
『このポーズ、ここらへんの血行がよくなりそうだねぇ』
『そう、ねっ……鼠径部、とか……んっく……!』
『洋子さんは体が健康的に引き締まっているから、反応がわかりやすいよ』
そこから彼は一気にペースを上げました。
布越しでもわかる反応を引き出そうとしてか、カギ型に曲げたらしき何本もの指でぐちゅぐちゅ激しく洋子さんのあそこを責め立てました。すらりと伸びていた手足や胴体の曲線がぐらぐら揺らぎ、ヨガマットに汗か何かの雫がぽたぽた散りました。反った背中がぐうっと張り詰め、きちんと伸ばされていた手の指先が虚空を掻きむしりました。
『ん、や、あ……こんなっ、あ……! ひっ……う、ゔウっゔ……ッ……!』
既にシミで濡れたヨガパンツからしとしと雨じみた雫が落ちてヨガマットをまた濡らし、そのあと洋子さんは脱力して床に倒れ込みました。腕なんかは叩きつけられたかと思うほどの音がしました。痛がるそぶりが見えなくて、それが洋子さんの我慢なのか、興奮しすぎて痛みどころではないのか、私には判断しかねました。
『撮影続行だねぇ』
『だめ……とめぇ……くっ、ふぅぅう……っ!』
彼が洋子さんの顔をクローズアップします。イカされすぎて撮影どころではないのでしょう、とアングルだけで煽っているようです。
『もう一度チャンスが欲しい?』
『ふ、ぁ……は、ぁはっ……お……おねがい、しま、す……っ……』
『泣きの1回か。もうちょっと初心者向けのポーズがいいかな』
それから彼は、いつの間に用意したのか水の入ったタンブラーを洋子さんに渡して、彼女が飲む様も映像に収めていました。『汗だくで脱水になっちゃいそうだし』などとお為ごかしを言いますが、最初から洋子さんを追い込むつもりで用意していたのでしょう。
明らかに怪しくて本来なら突っ返すべき代物ですが、洋子さんはためらいつつも飲み干してしまいました。
『それ〝猫のポーズ〟だよね、洋子さんが好きだから僕も覚えちゃったよ』
それから洋子さんは、両肘を伸ばしながら両膝をついた、背中が丸まり気味の四つん這いのポーズを取らされます。
ちゃんとヨガをするなら、この体勢から背中をゆっくりと丸めたり反らせたりを繰り返してウォーミングアップや呼吸の調整に役立てるところです。しかし洋子さんは背中を反らそうとしているようで、ぷるぷる震えて何ともぎこちない動きです。胎児のように背中を丸める体勢は守りを意識させる、とどこかで聞いたことがあります。背中を反らせるのは真逆で、自分の無防備さを意識させられます。
『さすがにここで着たままは無理か』
『あああうっあ゙っ! ひぐっ、んぐぅ……ううゔ、ふうぅ゙……ゔッ……!』
彼が後ろに回って、洋子さんのヨガパンツを太ももまで引き下げ、挿入。
『うん、丸めたり反らしたりすると締まり具合が変わって楽しいね』
洋子さんの姿勢が、挿入してすぐは整っていました。両肘がまっすぐに伸び、両手のひらがヨガマットにしっかり据えられていました。
彼にお尻をつかまれ後ろから二度、三度と突かれ、早くも彼女が揺らぎます。
『んひぃっ、お゙っ、ほぉぉおっ――ぐ、んんっあ……あ、いッ……!』
洋子さんがまだ背中を丸めるか反らすかの往復を繰り返していますが、後背位で腟内を何度もこそがれるうち、動きがポーズなのか快感の反応なのか見わけが難しくなっていきました。
『ほら、息を深く吸って、ゆっくり吐いて。呼吸が大事なんだよね?』
洋子さんは声を押し殺そうとしますが、両手も腕もポーズで塞がっていてはすぐ殺しきれなくなります。喉だけで無理に抑えようとしてひゅうひゅう、ぜぇぜぇと喘鳴が響きます。
さらに両肘が、かくかく震えながら少しずつ外側に開きはじめていました。突きの衝撃が重なるごとに少しずつひしゃげる感じです。膝が笑ってしまって立てなくなるようすに似ています。快楽を堪えようと指に力が入りすぎてヨガマットがくしゃくしゃになっています。そうした洋子さんの軸の崩れが、映像の中で徐々に進行していました。
『ポーズ、崩れてない? 腕立て伏せじゃないよね』
洋子さんが肘を立て直せば、次の突きが来て、また外に開きました。立て直して、開く。立て直して、開く。その格闘が続くうちに、立て直すほうの動きがだんだん弱々しくなります。
『っくイ、イ゙……! あ゙あっイ゙……ま、またっ、あ゙、あ゙ッ』
やがて両肘が、がっくりとヨガマットに落ちました。タンクトップに包まれたままの胸も、汗と涙とよだれに塗れた顔や肩もヨガマットに押しつけられました。腰から下が彼に支えられたまま引き上げられていて、お尻だけを突き出す体勢に。
『あーあ、失敗しちゃった』
『い、や……まだ、まだ、私、は……』
彼が腰を止めると、洋子さんの上半身は首をもたげかけて必死に息を整えているふうでした。一方で、不意に彼女の腰が、クンッとわずかに後ろへ突き出されていました。自ら彼のモノを深く迎え入れようと動いていた、というのは私の妄想でしょうか。
『洋子さんが続けてほしいのは、えっちのほうなんじゃないの?』
『違う、違うわ、そんなの……あァ、ぉおおお゙っ……!』
洋子さんがフレームの端で首をよろよろ振ります。中心では体のほうがよく見えます。男性が腰を引くと、膣肉に引き止めるように力が入るらしく、それがお尻や太ももの緊張にまで現れてしまいます。逆に奥をコツコツと搗かれると、それしかすがるものがないようにべったり床とヨガマットに着けたままにして、でもお尻だけが突き上げられたまま、あたかも白旗じみて見えてしまいます。
『長く楽しませてくれてうれしいな』
彼は追い打ちをかけるようです。入れたまま洋子さんの背に覆いかぶさりつつ、腋からタンクトップの内側に手をねじ込みます。
『ま、まら゙ぁっ……! わたし……んぐうっ、あお゙……ぉお゙イ゙……ぅ……っ!』
そこで私は堪えきれなくなって再生を止めました。続く『この動画を公開されたくなかったら――』のメッセージに気づいたのは、冷水を飲んだりシャワーを浴びたりして、必死で気を落ち着けたあとでした。
※
「これはキャンプや釣り向けの折りたたみ椅子らしいよ」
「使ったことないの?」
「だから防水はしっかりしてる」
私は彼から勝負、という体裁の脅迫を持ちかけられました。私が彼に抱かれて『時間内に一度もイカされなければ、洋子さんの動画をすべて削除する。一度でもイカされたら僕の裏アカで動画を公開する』というルールです。
「……で、それは?」
「ペットシーツ。こっちも防水はしっかりしてる」
場所は都内某所の貸し練習スタジオを指定されました。セックスよりもアイドルよりも音楽バンドが似合う場所です。こんな場所に彼がやたら防水グッズを持ち込んだのは『防音が必要になるほど喘がせてやる』ぐらいの私への挑発だけでなく、本当に床などを濡らしてしまったらまずいのでしょう。
「そんなにしっかり準備するんだね」
「汚すとうるさいから」
私は勝負を受ける、という体裁で彼に接触しています。まともに勝負してくれるとは思っていません。狙いは彼の弱みです。
例えば、彼は私より年下ですから、まともな手段で裏アカを運営できません。共謀者がいるのか。彼が自分の年齢を利用すれば、一度こういうことをした大人の女性を脅して巻き込めるでしょう。このスタジオに入る時も『ここは僕の〝ファン〟のご厚意で貸してもらってるから』などと言われました。ハッタリかどうか迷うところですが、無理やり協力させているなら切り崩す余地があります。
洋子さんのおかしなようすからして、脱法ハーブか何かを使っている可能性もあります。どさくさ紛れに違法性の証拠を抑えて通報し、相手を先に社会的に抹殺して、もし動画を流出させたら偽物扱いして黙殺。そう片付けば一番早いと思っていました。
「そういえば泰葉センパイって、前に機械人形の役をやってたんだってね」
「そうね、ご高覧どうも」
「いや、別に。さぞお上手だったんだろうね」
彼が知っているころの私は、今思い返すと私自身でもどうかと思うほど現場の大人に従順で、彼の〝人形〟という言い方は予想通りでした。それより〝センパイ〟という言い方が引っかかりました。彼から先輩らしく扱われた記憶なんて一度も無かったので。
「じゃあ、今から泰葉センパイは人形ね。感じていないふりに、ふさわしいよね」
「……」
「早いな! まだカウントもしてないのに」
私が立ち尽くすと、彼は一つ鼻を鳴らして、私の背中を押してさっき敷いたペットシーツの上、折りたたみ椅子のそばに立たせました。
私の服装は、学校帰りですよと声高に主張する夏服ブラウスとプリーツスカートでした。荷物もスクールバッグです。学校帰りを装う理由はバッグの中身です。彼に服を汚されたときのための着替えと、こっそり仕込んで録画・録音が始まっている隠しカメラやマイクがあります。彼だって隠し撮りを警戒しているでしょうが、まともな証拠をつかむためにはどうしても必要です。
こちらの言葉や仕草で彼の注意をバッグから逸らしたいので、人形の演技はいささか不都合です。しかしやらなければなりません。
「似合うね、泰葉センパイ」
すぐ触れられる距離で、彼が私のそばをゆっくりと一周し、背中側で立ち止まります。視線を私の後ろ姿に向けているようです。バッグはひとまず捨て置くのか、どうか。
彼の指がプリーツスカートのお尻側の裾をつまみます。
「……っ」
少し反応して彼の注意を引きます。岡崎泰葉にはひたすら堪える以外に余裕がない、と彼に思わせなければなりません。
「人形はどういう下着をつけているのかな」
彼がゆっくりと片手の指2本で膝丈から太ももの中ほどまで持ち上げていき、私は彼の視界外であろう表情も動かさずにいます。
「……なるほど、センパイは縞柄」
恥ずかしさと困惑を隠すために、呼吸や瞬きを意図的に遅くする必要がありました。スカートをまくられ下着を見られながら感想をつぶやかれるなんて。
対して彼の反応が控えめです。洋子さんにしていたぐらい調子に乗っているはずだったのに。
「子役だったころに着ててもおかしくないデザインだね」
わずかに唇を引き結ぶと、彼がスカートの裾を離して私の正面に回ってきました。
「恥ずかしい?」
今度はブラウスの胸ボタンの一つに触れました。すぐ外すのかと思いきや、指の腹でボタンの丸みを順々に撫でていきます。第一ボタンから第二、第三、それから一番下まで。もう直に肌に触れられているかのようにぞくりとしてしまいますが、まだ人形のふりで動かずにいます。
「ウエストや太ももの肌は、アイドルの衣装でも出してたっけ」
彼がボタンを外してきました。夏物の白く軽く薄い生地がゆるく開けられ、ついに肌を彼に晒してしまいます。彼の目遣いがいやらしくて、じわりと滲んでいくように感じてしまいます。
「んっ、ん……」
「泰葉センパイ、いい匂いがする」
彼が開いたブラウスのあいだに手を差し入れて、ブラジャーのカップに指先を添えてきます。
「大人の女とは違うね」
心底バカにした声音でした。洋子さん以外の女性もセックスで言いなりにしている、と私に考えさせたいのでしょう。
私から見て今更どうということはありませんが、彼は今の容姿も芸能界を離れてしまった割には整っています。子役時代に彼を買っていた人は、彼の顔立ちの成長も見込んでいたのでしょうか。振る舞いがもっとマシだったら、と思うも今更です。
この容姿に惹かれて寄ってきた〝大人の女〟と猫を被ってセックスして、後から自分の年齢を明かして『バラされたら社会人として終わっちゃうね?』などと脅し共犯に引き込む。そんな手口でしょう。
「素人じゃあるまいし。肌を見られるなんて慣れっこでしょ、センパイ」
彼がブラウスの前立てをすっかり広げてしまいます。鎖骨、ブラジャー、ウエストまでが舐めるような視線に晒され、恥ずかしさが感覚として否応なく湧き上がります。
確かにアイドルの仕事でビキニとか体のラインがぴったり出ちゃうレオタードとかを着た経験もありますが、それはあくまでこちらが主として視線をコントロールしている状況です。
彼の言いなりにされて肌を晒されている今とは違います。
「……恥ずかしくない?」
感覚を押し隠しながら、多少は強張った立ち姿と静かな呼吸を保ちながら、彼の動きに意識を向けます。今は彼が慎重に振る舞っていますが、私が崩せそうで崩れないようすを続けていれば、いじめっ子気質の彼のこと、遠からず乗ってきます。
その予測はほとんど当たっていたのですが。
「んっ!?」
いきなり何かにくすぐられて驚きました。
「大女優のセンパイでも、くすぐったいのはどうしようもないか」
彼がこちらを見上げながら唇をすぼめて見せます。吐息でくすぐってきたようです。彼が小学生だったころを少しだけ思い出しました。
「もっとしてあげる」
彼が膝をついたまま、開いたブラウスの裾から指先を入れてきます。脇腹を、指の腹でさわり。
びくり。
「ぇ、っ、んっ……」
構えていてもくすぐったく感じてしまいます。例えば撫でられるなら、好きな相手なら心地良いし、そうでない相手なら嫌ですが、くすぐったさはそういう感じより前にただただ湧き上がります。堪えようとすると体が張り詰めてかえってひどくなりそうです。脇腹に指先が触れられるだけでも、お腹がぴくりと引き攣ってしまいます。手や足を動かさずに立ち姿を保っていてもこれじゃ、彼のいい見世物です。
「敏感なお人形さんだ」
彼が指先を太ももへと移します。プリーツスカートをめくりあげられ裾をウエストゴムに引っ掛けられ、ついに下着が彼の目前で丸出しです。その間近まで指先が迫ったかと思うと離れ、太ももの外側を指先だけ触れさせゆっくりと行き来します。
「パンツ丸出しにされてるのに平然としてる泰葉センパイ……シュールな絵だなぁ」
喉のあたりまで来た声を、奥歯を噛みしめて堪えます。
「どこが泰葉センパイの一番の弱点かな」
耳、首、腋の下、膝頭、と順々に責められます。一通り触った後の彼がお気に召したのは最初の脇腹らしく、戻ってきて両手や吐息でしつこくくすぐってきます。
私の予想よりくすぐりに時間をかけてきます。彼が勝負の時間制限を踏み倒すつもりなのか、私の体を思い通りにできればセックスでなくても面白いのか。
「どこを触っても……いい反応してくれる。センパイのサービスかな」
「ん、ッ……ゃ……」
それとも、彼に触れられるのが嫌すぎて私の体感時間がおかしくなっているのか。有害なのに頭にこびりついて離れてくれない想像です。今のままでは首も目もろくに動かせず時計を探すどころではありません。
「なるほど、芸能界で売れっ子になるわけだね」
彼の指先が、脇腹から内腿へと下りて、内腿と下着の境目を行き来しました。触れるか触れないかぐらいの力加減でした。
「……うっ……」
右手の指先が、ピクッと動いてしまいます。なんだか、おかしい。指先が内側に向かって丸まり、爪が手のひらに押しつけられました。
「それとも、体を好き放題にされること自体が、センパイの一番の弱点だったりして」
体を好き放題にされるという感覚が、いけない。
そんな。
「ふ、むぅっ、んんっ……!」
やり過ごそうとは思っているのです。現実では、足の指が床に押し込まれるほど丸まったり、無駄にカチカチになった筋肉が震えてしまったり。
「耳、赤くなってる」
言われなくたってて、鏡を見なくたって、肌が熱くなっているのは自分でもわかります。首筋から鎖骨にかけて、まだらな赤みが広がっているでしょう。
「……耳以外もか」
彼の指先がうなじの髪の生え際に触れました。そのまま頸動脈の走る首筋の位置まで下りてきました。
「この部屋、暑い? ドキドキしちゃってるし」
どこかを指先でなぞられるたびに、お腹にきゅうっと力が入ってしまいます。腰が引けかけるのは、かろうじて踏み止まりました。
「膝が内側に入ってきてるよ、泰葉センパイ」
体を好き放題にされるという感覚が、いけない。やっぱり。前に、私は、無理やり、たくさん。
「はふぁあっ!?」
乳首、無理やり、何度も。
「……本当に、体を好き放題にされること自体が、センパイの一番の弱点だったりして、ね」
私は不感ではいられませんでした。
彼が私を感じさせようって気持ちは嫌というほど伝わってきましたし、彼は少なくともセックス経験済みのようで、私より年下です。小さかったころのちょっとした思い出をいやらしく汚してしまっているあの気分が、それだけで済まなかった記憶が、蘇ってしまいます。
「お利口さんなふりして、実は変態なのかな」
まともなふりをする甲斐は、もう、ない?
「珍しい? センパイなら慣れっこだと思ってたけど」
彼は永遠に続けるかと思うほど私の体をくすぐったあと、私を前屈みにさせ折りたたみ椅子の座面に手を突かせます。そのとき彼のペニスにごていねいにコンドームがぴっちり装着されているのが見えました。私に後ろから入れよう、という魂胆を露骨に見せてきます。
それにしてもコンドームですか。着けてくれれば私にとってもマシですけど、以前を思い出してムズムズします。
「……このゴムはローションつきだからね、この濡れ具合でも、そんなに痛くさせないで済むと思うよ」
スカートと下着のウエストゴムをお尻から太ももまでまとめて引っ張られ、あそこもお尻の穴も彼の目前で丸出しにされます。
「っ……っうぅ……!」
腰をつかまれ、くすぐりが嘘だったようにあっさりと挿入。
「んっ!? ふ……ぅ、っ……」
「センパイが前屈みだと、入れたまましゃべりにくいな」
動きはじめるかと思いきや、彼は私の両腋から羽交い締めにするよう手を差し入れつつ、上体を起こさせてきます。人形のふりを続けているので従いますが、こちらを前屈みにさせたり起こさせたり、彼の動きが怪しすぎて意図が読めません。そもそも人形相手にしゃべりかけるなんて。私の動揺を誘っているつもりでしょうか。
「洋子さんも最初はこのぐらいツンとすましてたよ。でも途中からは動画で見たとおりだったし、動画のあとは……」
彼が、私の耳のそばで囁いてきます。
挿入したまま2人とも身動ぎを抑えていると、私の体に奇妙な感覚が薄っすら生じてきます。あそこを通して、彼のものの形と温度を、生温かく、ずっしりとしたそれを意識させられます。
「センパイだから特別に教えてあげる。例えば、顔さえ隠してれば外でいきなり触られてもイケちゃうようになっちゃったこととか」
彼は私に後ろから立ったまま挿入して抱きつきながら、抜き差しも愛撫もせず話しかけてきます。さっき話すのではいけなかったのでしょうか。
「この間、洋子さんを連れてコンビニに行って、ゴムをかごに入れて、わざわざ有人レジで買わせたんだ」
彼はその間、後ろから洋子さんの腰に手を回して服の上から触れていた、と言います。
「彼女、わざわざ有人レジを選ばせただけで、耳まで真っ赤にしてさ。店員がスキャンする時の『ピッ』て音に、肩をビクッと跳ねさせてた。面白くなったから、僕が彼女の背中に手を回して、お尻をぎゅってつかんだんだ。洋子さん、レジの前で小さく『ひっ』て鳴いて、おサイフを落としそうになってたよ」
他人の目に洋子さんがびくびくしているのか、それとも感じているのかわからなかった、などと。
「買わせたあと、イートインの座席に座らせて……一応コーヒーも買っておいたから……それでさぁ」
その後も狼藉をべらべらとしゃべります。曰く、席に洋子さんを座らせて、彼も隣に座って、コートをかけてやるふりをした。その内側で体を弄んだ。
「イートインの丸椅子って、不安定だよね。コートで隠したけど、どこか僕が触ってやるたびに、彼女、コーヒーカップを持つ手がガタガタ震えちゃって」
カップが揺れて起きるコーヒーの波紋で洋子さんが感じているかどうか見るのが面白かった、などと武勇伝のように。
「お店の中で知ってる曲が流れたから、そのリズムに合わせて指を動かしてあげた。そのリズムに合わせて腰がぴくん、ぴくんって跳ねちゃうんだ。曲に合わせたってごまかせるわけでもないだろうに」
そのうち、濡れすぎちゃって洋子さんの着衣からにちゃにちゃ音が鳴りだした、とか。
「しばらくすると、膝から下がガクガク震えて、床を踵でトントン叩いて、それでどうにか我慢しながらイッちゃったよ」
ブラフだ、と私は思っていました。
元子役の彼なら、話をもっともらしく聞かせるなんてできて当然です。でも、彼のいじめたがりが出すぎています。話がくどく、克明すぎて、かえって作り話臭くなっています。彼の言い草は全部、私を揺さぶるための安っぽい台本。
普通なら、たとえ実体験でもここまで逐一覚えているものではありません。
「その時、洋子さんはサングラスとマスクと帽子で変装してて、強盗みたいな有様で」
彼の口元がさらに私の耳に近づいて、振り払いたいのを必死で堪えます。
「でも体が正直で、わかりやすかった」
必死にならなければなりませんでした。
挿入したまま動かずにいるのに、体の奥がじわじわと熱を持ちはじめていました。
「ねぇ、どう思うセンパイ? もう人形の演技は止めていいよ。イキさえしなければ、僕の負けで」
「……っ……」
「いいってば、もう。センパイ?」
本当に、必死にならなければなりませんでした。
「ンああぁああ……っ!?」
「……やっと素直になってきたね」
痛みじゃないかと思うぐらい強い快感が来て、驚いて、今更歯を食いしばったつもりでした。
「い……い、い、い……んっ……うんっ、んッ!」
「イキそうになった、ぐらいかな。まだまだがんばってくれるよね、センパイ」
彼が後ろから、私のお臍の下を、手のひらの付け根でぐうっ、ぐうっ、と押し込んできました。あそこの奥から、どぐんどぐんと快楽があふれて、私はもう立ち続けるだけでも必死でした。
※
「や、やめ……今、ダメ……!」
「ダメなのはセンパイのせいでしょ」
彼の動きは休み休みで、明らかにゆるく加減されたものでしたが、私の体は喜んでしまっています。
あとから思えばわかります。コンドームに何かイケないものを塗りつけていて、それが私の粘膜を通して回るまでの時間稼ぎにコンビニの長話をしていたのでしょう。
「ふ、むぅっ、んんっ……はぁっ、ぁう! あっ!」
ずちゅっ、ずちゅっ、という水気のある音が、止まってくれない。くすぐられているころより明らかに濡らされてしまっています。
「センパイが立っていられるぐらいにしてあげなきゃ、ね」
彼の動きが、ありえないと思うほど浅く控えめに続きます。あそこの中で、彼のものがゆっくりと押しては引いて、かえって一往復ごとに神経にはっきり響いてしまいます。
「ぇ、あっ、んくっ……」
「おっぱい、いくよ」
彼の右手がゆっくりと前に回ってきます。ブラジャーのカップをずらして、乳首を指先で直に触れてきます。後ろからと前からの刺激が重ねられて、同時に火照らされます。
「あ、っ……ふ……ぅ……」
声を殺そうとして、かえって熱い吐息が鼻から漏れてしまいます。
後ろからずしずし深く突き上げられると、私の膝がカクカク笑って、その拍子につままれたままの乳首がもっと強く刺激され、ますます不安定になってしまいます。
「ほら、足元がフラフラだよ、泰葉センパイ。僕の腕、もっと強くつかんでもいいんだよ。体重かけてくれてもいいよ」
彼は笑いながら、私の胸を今度は手のひらに収めるように弄ってきました。あそこの奥を執拗にかき回される感覚と、胸を奪われるんじゃないかという広い刺激と、二方向からの波に挟まれ、私はたまらず彼の腕をつかんでいました。
「う、うっ……うううっ、ぐっ……う、ふううっ……!」
「大げさだなぁ。ミュージカルみたい」
彼が、顔を私の頬まで近づけてきました。汗で湿った頬に吐息が触れて、これまで味わった覚えがないほど背筋がぞわぞわして止まらなくなります。
「泣くほど感じちゃってる?」
額からの汗か、こぼれてしまった涙が背後からも見えてしまったようです。
「それに、さっきよりどきどきしてる」
彼の指先が、すぐに首筋へ移りました。頸動脈の走る場所を、さっきよりゆっくりと触れました。言われなくったってわかっています。
私の体がおかしくなっている。
「喉渇いちゃった?」
「んっ……あ、はッ、アッ……そう、かも、ね……」
唾液がどうしても溜まって何度も飲み込んでいると、そう煽られて、余裕がないって丸出しの強がりを口にしてしまいました。口の中が乾いていきました。感じるとそうなってしまう。嫌なはずなのに、体の中のその感覚が快感だと反応してしまっています。
彼の唇が、またゆっくりと耳に近づいてきました。
「休む?」
「っあ……ふ、ふっ、お気持ちだけで、いいわっ」
「ああそう、よかった」
彼が今度は私の下腹部に手を這わせ、さらにクリトリスをじっくりとなぞってきます。
「もっと遊びたいと思ってたんだよ」
また、両膝が内側に向かって、カクンと折れてしまう。
踏ん張るたびに膝が内側を向いて、あそこをかえって強く締めてしまう。彼のものの輪郭をはっきり感じ取ってしまう。
「っう、く……そんなにきつく締め付けようとしてくれるの?」
彼がゆっくりと自分の腰を引いてきました。すると足腰がおぼつかない私の体が後ろへ傾いて、彼の両腕と胸板に支えられるがままに。
「ひ、ぅ……ぉ……ッ……!」
あそこに収まった彼のものが、前より深く体の奥に響きました。
「ここが一番いいんだね、奥のぎゅうぎゅうってなってるところ」
彼の声音が耳元から響いて、私を揺るがし余裕を奪っていきます。
「でも立ったままだとなぁ……じゃあ、外からやるしかないね」
「ひ、っ!? あ゙うっ……お゙ッ……!?」
また、手のひらを下腹部に押しつけられます。それだけなのに、内臓を直につかまれたような暴力的な熱量が来ます。
後ろ向きに体重を預けさせられ、彼の胸板に背中を密着させられた状態で、下腹部をヘソの下から力任せに圧迫される。体外からの圧力と、あそこの奥を押し上げる内側の圧力から挟まれて、私の体の中で、熱く鋭い火花が次々と弾けます。
「お……イッちゃった?」
「んひぃっ、お゙っ、ほ……ッ……ち、ちが、ぅ……」
「へぇ……ちょっと立ってるのが辛くなっちゃったねぇ、座ろうか」
彼は私のあそこを内と外から捉えたまま強引に動いて、折りたたみ椅子に座り込みます。抜き差しと違うこすれ方にも私の体が反応して、きゅうっと力んだり彼を押し戻そうとしたり、どっちにしてもますます熱く感じてしまいます。
「これで足腰が立たなくなっても、おまんこ続けられるね」
「や、やめっ……や、あ……くっ……!」
座って彼の姿勢が安定したからか、抜き差しが前より強く深くなります。あんまり深くてろくに息もできず、私は口をパクパクしながら顎をのけぞらせてしまいます。
無防備にされた首筋に彼の手が添えられ、顎をつままれ、囁かれます。
「正直、もう細工を出し尽くしたところだよ。意外と粘るね、センパイ」
「んあっ、あっ……ああ、あっ、う……!?」
「でもね……こちょこちょってくすぐるのも、おっぱいを触ったり、ぐりぐりってあそこの奥をいじめてあげるのも、今までちょっとずつやってあげたの……この姿勢だと全部いっぺんにできるんだ」
ひっ、と息が詰まるのを彼に聞かせてしまいました。
「あと、後ろからってのも、効くんだよ」
「っ、く……何、さ……君も、疲れて……は、ぉ、ァ、あ……ッ!!」
「センパイの体が、この人には後ろを預けてもいいんだ、って思い込んじゃうらしいんだ。後ろを取られて気持ちよくされるとね」
「そんな、わけ……ッ……」
「これまでの責めの繰り返しになるのが、裏アカ男子としてちょっと気になるけど、でもセンパイがそうしてくれっていうのなら」
「いって、なんかっ……ぁ、あァ、ぉおおお゙っ……!?」
何をされても気持ちよくなってしまいそうに張り詰めた乳首を、彼の指が根元からぐりぐり捏ね回します。それだけであそこの奥が勝手に彼のあそこを引き締めて、また気持ちよすぎる感覚がバチバチ弾けてしまいます。
「だめ、そこ……もう、だめ……っ!」
「よしよし、気持ちいいね、素直な泰葉センパイ」
拒絶しているはずなのに、私は体重を彼に委ねたきりになっています。
それを恥ずかしく思う気持ちが、私の内で必死にぶら下がっています。アイドルの私が、こんな無様な格好で、こんなみっともない喘ぎ声を上げている。その事実を否定して早く脱出したい気持ちと裏腹に、体が彼の身動ぎひとつひとつにさえ合わせて、より深い刺激を求めて勝手に動くばかりです。
「すごい音がしてるよ、センパイ。そんなに気持ちいいんだ」
耳元で響く彼の声が、羞恥心を限界以上に膨らませて、理性を押しつぶそうとしてきます。
恥ずかしい、というあるべき感覚も、こうまで好き放題にされている状況だと、自傷も同然です。このままでは、私は私でなくなってしまう。脳の芯が痺れて、自分の輪郭が刻一刻と欠けてこぼれ落ちていく。
「ゃ、だ……やめて……私、私……っおォおお゙……ッ!?」
「嫌なら、もっと嫌がってくださいな、どうぞ、どうぞ」
恐怖しているはずなのに、あそこの粘膜は彼のものをぎっちりと締め上げ、熱い液体をあふれさせながら、もっと、もっと奥まで抉ってほしいと脈打っています。
「はぁァ、あっ……ぃ、や……おォおお゙……ッ!! ふかいっ、ふかい゙い……ィイッ!!」
彼の腰の動きが、座った姿勢でもっと私の打ちのめしています。立っていたときと違って姿勢が安定していて、彼がより深く、角度を細かく変えて私のお腹の奥底を抉ってきます。あそこの奥の弱いところへ、繰り返し届いていきました。
頭の芯が真っ白になったのを、はっきり感じました。
「こんなにヒクつかせちゃって、もっとイカせてあげる」
「イッて、なんか……っぎゃっ、ひっ、ぅ……ッ」
舌を噛んでしまいましたが痛みどころではありません。彼の右手が乳首を強く押さえながら、左手の指がクリトリスを圧迫して、内と外と上から一度に詰められて、私の体ががくんと大きく震えます。
力が抜けて転げ落ちそうなのに、あそこがぎゅうっと痙攣して、彼のものを締め上げていました。それ以外は頭のてっぺんから足の指の先まで、力が抜けていました。
「……ハッ、ハッ、はっ、ハッ、はぁっ……あ゙うっ……お゙ッ……!?」
絶頂のせいでろくに呼吸ができないのに、イッてない体裁だからと、彼が突き上げを再開します。あそこが敏感になったところを、もう一度同じ場所で捉えられました。一度目より短い時間で、あそこの壁が内側から波打ちはじめました。
気力を集めて、もう一度堪えようとしました。彼の指がクリトリスに押しつけられ、すぐに瓦解しました。次の絶頂が来たとき、声が出ていました。私の意志を超えて、体が声を届けていきました。
「また、イっちゃった?」
彼の声が耳に届いたとき、私の口は言葉をほとんど失っていました。
「っ……! い、っくぅうううううーっ!! いくうっ……っく、いく、いっぐううゔっ!」
「おお、さすが、まだイケちゃう」
「ひっ、ぐ……ちが……ちがう、こんなの、私……あ゙っぉおっ!? だ、だめ、なの……い、息、できな……」
「もう、往生際が悪い、お利口さんなのはフリだけ……あっ」
勝負どころではありません。このまま壊されてしまう恐怖にかられて、彼が言葉で私を責めようと動きを止めた一瞬、力を振り絞って彼を振りほどこうとしました。
「へぎゅっ、っく、ッ……」
ガツンと顎を殴られたふうな衝撃と、舌にツンとくる血の味は覚えています。彼から逃れた瞬間に椅子から落ちて、ペットシーツや床にしたたか打ち付けられたようでした。
「……何だ、センパイは寝バックをご所望? 腰とあそこがぴくぴくしてるよ」
「ひっ、あ……やだ……っ!」
「あーあ、きれいなお顔に血が」
彼から逃れても、私の体は絶頂の余韻が抜けず、四つん這いのまま動けません。手足を必死に動かすと、床が固くて痛くて冷たくて、その感覚が私の最後の頼りだと思いました。それ以外、抑えがたい火照りで埋め尽くされています。
ここにくる原因となった動画でびたんばたんと手足をばたつかせていた洋子さんのことが、心底からわかってしまいました。
「そっぞんな゙のっ、や、め゙ぇ……」
「勝負は……まぁ、延長させるから、付き合ってあげるよ」
彼が私のそばに膝をついたのが、背後の気配でわかりました。彼の手ががっしりと私の腰をつかみました。抵抗できたのは唇を噛む歯だけで、ほかの筋肉はすっかり使い果たして指一本も動けませんでした。
わかっているだけでどうしようもなく、再び挿入。
背面座位のときとあそこの角度が違っていました。前の壁が、より強くこすられていきました。連続絶頂で敏感になりきった粘膜が、新しい刺激の形をそのまま受け取っていきました。
「……だめ、だぇ……も、ぅ……」
「さぁ、勝負だよ」
抑える気力もないまま、声が出ていきました。彼の突きのたびに、自分の声が床に当たって跳ね返ってうるさいほどです。
「あああイ゙ッ……い゙っちゃ……ぁ、あ、あ……ううゔぅーイ゙、うゥ゙……っ!」
一度目の絶頂が、あっという間に来ました。
あそこが彼を押し返すように収縮しているくせに、彼が抜こうとすると未練がましくすがります。念押しのようにしつこく奥までこすられ、その事実が変えようもないと気づかされました。私の体が、彼のものを求めていました。意識のかすかな部分が、それで折れました。
「んひぃっ、お゙っ、おっぐ、んんっあ……あ、いぐぅうぅ……っ……!!」
「負けたければ、いつでもどうぞ」
彼がリズミカルに抜き差しして、そのたびにあそこが敏感になっていきました。絶頂の二度目が終わると三度目をねだるよう動きました。彼のものを体の奥で締め上げながら、もっと深くと求めるよう、私の腰が自ら動きました。その事実から目を反らせないまま、また絶頂を迎えました。
「っは、あ、ぁ……いや、いや、これいやあ゙ッ……」
「くっそ、センパイのくせに締め付け気持ちいいなぁ……これで顔が見えたら……」
ただのセックスじゃない。壊れちゃう、私が。
「ねぇ、センパイ、顔、見せて」
「ご、ごめん……なさ……ぃ……」
「なんで謝るの」
「そぇ、だけ、は……わ、わらひの、負けで、いいから」
「降参は認めませぇん……イカせちゃおっか、ぶっ壊れるまで」
本当に、私が。
「ゃ、だ」
「ぶっ壊れたときの顔を見届けるよ……大丈夫だよ、洋子さんだって――」
そこから先のことを私は覚えていません。失神してしまったのだと思います。
『ああ、ぁああ……い、い……イッてる、おくっイってるイってる……ッ!!』
でも、あとで彼から見せられた動画には、ペットシーツの上で四つん這いにさせられながら、何度も絶頂を宣言させられる私の姿がありました。
「センパイも撮ってくれてたんだね。自分用のがほしかったの?」
私の意識が朦朧としている間に彼が私の荷物を漁ったのか、証拠を抑えるための隠し撮りは露見してしまっていました。
『あああ、ああ……はぁあああっ……!』
『最初が肝心だから、ちゃんとイキ癖をつけよう』
そのあとは、彼と私のカメラでそれぞれ痴態を撮られたようです。
彼が奥を突くたびに、私のお腹と腰があまりにきつい快楽のせいでガクガク折れ曲がり、それが彼の体にのしかかられて押しつぶされます。自分で言うのもおかしいのですが、か弱い女の子の体が藻掻きながら喘ぐ様はとても煽情的です。
『あぅっ、うぐっ、んぅぅぅっ……んひぃっ!? ふひっ、あ゙ぁっ、あ゙っひっ!』
それでも声だけは堪えていると、彼の手が私の下腹部に潜り込んで外からの責めを重ねて、たまらず反応してしまいます。私のあそこから液体が絶え間なく糸を引いてあふれ、抜き差しによって白く泡立っていくようすも収まっています。カメラ2台になって私の壊されていくところがますます克明に記録されてしまいました。
『……んひ、あ、あ、う、ぁ……っ!』
彼が私の腰をつかむ手に力を込め、最奥を抉るように突き上ると、限界を迎えていた下腹部が反応します。
『ひぅ、あッ!? ま、また、でちゃう、のっ、あうぅ!』
映像で見せられて、無意識に封印していた記憶が蒸し返されます。彼に狂わされた肉体が、快楽の波を拒むどころか、勝手に緩んであそこから何かちょろちょろとあふれ出させています。
『ほら、センパイ。突かれるたびに、おしっこ漏らしてるよ』
彼の意地悪な囁きが、今の動画を見せられているだけの私にも響いてしまいます。止めたいのに、お腹に力が入るたびに、温かい液体が私や彼の内腿を伝って、ペットシーツのシミがじわじわと広く濃くなります。
『はぁっ、はあっ、はひゅっ、ひゅーっ、はひっ……』
『しっかり声を出して』
『あ゙っぉおっ!? だ、だめ、な……ひぬ、し、しんじゃ……』
『女はこのぐらいじゃ死なないよ』
『んひぃっ、お゙っ、おッぐ、んんっあ……っ!』
映像に目を向けたまま、動けずにいました。画面の向こうの私が声を上げていきました。あれが自分の声だと気づくまでに、少し時間がかかりました。
あそこが疼いていきました。記憶より先に、感覚だけが体に戻ってきていきました。あそこの奥が、映像を見るたびにじわじわと熱を持っていきました。映像の中で絶頂するたびに、今の体がその収縮を呼び起こしていきました。
映像の中の私が、また悲鳴を上げていました。
『止めてほしい?』
『はぁっ、はぁっ……お、おねが、ぃ……』
『じゃあ……隠し撮りしてごめんなさい、って謝りながら、それにおしっこか何かぶっかけて』
『……そんな……んひぃっ、お゙っ、おっぐ、んんっあ……あ、いぐっ!!』
『早くしないと、ぶっかける水分がなくなっちゃいそうだね』
それから映像は、無理やり立たされ足を開かされた私を煽りで撮るアングルになりました。
『きれいに撮れたら終わりにしてあげる』
無慈悲な条件と、それに唯々諾々と従おうとする映像の私が、尊厳をボロボロと粉砕します――あそこにかけて見せれば、この地獄から解放される。恐怖と快楽の限界に追い詰められた私は、なりふり構わず腰を突き出し、お腹に力を込め、下半身のあらゆる筋肉を収縮させて、必死に液体を絞り出そうとする。けれど、幾度も絶頂を重ねたあそこには、何も残っていなかった――今ここで経験しているかのように体が感じてしまいます。
『あ……っ、で、出な……で、ないの、お……っ!』
『汗やよだれじゃダメだよ。涙は……女優の涙じゃなぁ』
容赦のない突き上げが最奥を捉え、狂った快楽が脳内を白く染め上げる。何も出せない無様な姿を晒したまま、体が内側から爆発するように震える。
尿道が空しくきゅうきゅうと痙攣し、ただ過敏になりきった粘膜だけが引き裂かれるように激しく脈打つ。
『お゙っ、ひ……う、お、お、く……ぁ、あ、い゙っ、イって、ぅ、ぁ、あ゙あ……!』
「で、きょうのセンパイのご用向きは何でしたっけ?」
私はさすがに勝負に敗北したことは覚えていて、でもあれから連絡が途切れた彼に対してもう一度だけ勝負をさせてくれ、と恥を忍んで頼み込んで、彼と再び会っているはずでした。
「ど、動画……」
「でっち上げ、って言い張らなくっていいの?」
でも、彼が私のプリーツスカートをめくってきた瞬間、すべて真っ白になってしまいます。
「っ……っうぅー……ぅ……!」
「これは僕の気を引く演技かな?」
今がいつで、ここがどこで、何のために彼に会っているかも、すべて。
「昔、10秒で泣けるって有名になった子役がいたけど……10秒で濡らせる女優……需要あるのかな?」
彼の隙を引き出す言葉や振る舞いを考えようにも、それより彼からイカされることばかりに意識が向いてしまいます。
「もう動画鑑賞はいいよね」
ブラックアウトしたモニターには、唇を半開きにした私の顔がぼんやり反射していました。
(おしまい)