第九階層。
メイド部屋が並ぶ廊下の片隅に残された空き部屋。
ベッドと鏡、水差しだけが置かれた――簡素な造りの小部屋だった。
「いやぁ、死にかけたと思ったらとんでもない幸運だぜ……!」
「…………」
静まり返ったその部屋で再び向かい合ったソリュシャンの身体は、つい数時間前には死にかけていたジャックの股間を、一瞬で膨れ上がらせるには十分すぎた。
ドレス姿の時点でも感じていた暴力的かつ肉感的な肢体。
だが今、メイド服を纏ったその姿は、それをさらに露骨に際立たせている。
「盗賊どもと契約した時までは、精液まみれになったまま喰われるもんだと思ってたが! まさか新品のまま味わえるとはなァ!」
ジャックは部屋の中央に立つソリュシャンを、下卑た視線でゆっくりと舐め回した。
ドレスのように胸元の谷間を晒した上着は、彼女の巨大な乳房の大きさを生々しく主張している。
考えてみれば、スライム系異形種に絶対的なサイズなど意味はないのかもしれない。だが、それでもあの形の乳房は実にジャック好みだった。
主観的にも客観的にも淫らな形。
以前のように喰われさえしなければ、一日中揉み続けていたいほどに。
その奥にあるであろう桃色の乳首を、指先で滅茶苦茶に弄ってやりたかった。
そして引き締まった腰と――骨盤。
右側のスリットから覗く張りのある太腿。
さらに、彼の記憶にあるドレスとは比較にならないほど短いスカート。
最後に色気を強調するかのような黒いストッキング。
ストッキングに押されてわずかに盛り上がった太腿の肉感は絶品だった。
あの長いドレスの下に、こんなものを隠していたとは。
すぐにでも捲り上げ、その奥の花園を味わいたかった。
ジャックはさらに視線を下へ向ける。
ぴったりと張り付いたストッキングが描き出す繊細で性的な脚線美。
太腿から脹脛、足首、そしてその下のハイヒールに至るまで――まるで彫刻のような曲線だった。
そんな雌が、今や自分のものになった。
無理矢理犯せるだけでも過ぎた贅沢だというのに――
その上、彼女の“主人”から直々に許可を与えられるという常識外れの状況にまで至った。
実験だろうが何だろうが知ったことではない。
どうせ一度は死にかけた身だ。利用するなら好きにすればいい。
ジャックにとっては、この雌の身に纏う布切れをすべて剥ぎ取り、その柔肌を味わえればそれで十分だった。
「……ふふっ」
そんな視線を向けるジャックを、ソリュシャンは嘲笑した。
ジャックも再び顔を上げ、その表情を見る。
生気のない瞳で見下ろす沈んだ目元。
妖艶で、蠱惑的でありながら、異様なまでの色気を宿した――その青い瞳。
彼女はそんなジャックを笑いながら見ていた。
明らかな嘲りだった。目元には限りない軽蔑が込められている。
「汚らわしい目で見るあたり、実にあなたらしいですね。吐き気がしますわ」
「俺、らしい?」
「あら。この胸へ向けるその下卑た視線、気付かれていないとでも?」
腰をすっと伸ばすと、胸が揺れた。
露わになった谷間の肌が、淡く光を帯びる。
実際、ソリュシャンも薄々どころか最初から分かっていた。
馬車の御者を頼んだ時から。
早朝に出発すると伝えた時から。
いや、そもそも最初に顔を合わせた瞬間から。
あの野蛮な人間の視線が、この乳房へ向けられていることくらい。
だから最初は、“溶解”させてやるつもりだった。
趣味として、生きたまま悲鳴を上げながら呑み込まれていく様を見たかった。
そのためにセバスを通じてシャルティアへ別途頼み込んだほどだ。
「アインズ様の命令さえなければ、今すぐ丁寧に呑み込んで、わたくしの中でゆっくり溶かして差し上げるところですのに」
そもそも突然アインズから命令が飛んでこなければ、あの襲撃の時点で完全に吸収していたはずだった。
「最初から汚らわしい目だったのは当然でしょう?」
だがジャックにはそんな経緯などどうでもよかった。
「……!」
「だって最初からこうしたかったんだからよ!」
むしろずかずかと歩み寄り、胸元の開いた上着の隙間へ手を突っ込む。
当然、挑発に乗って衝動的にやった行為であり、一瞬しまったと思った。
だが今回は、彼が吸収されることはなかった。
「お、おおっ!」
感じるのは間違いなく“女の乳房”の感触だった。
指の間に触れる小さな突起――それは間違いなく彼女の乳首だ。
大きさも程良い。
指先に触れただけでも淫らな形をしていると分かる。
ジャックは笑みを零した。
本当に、本当にこの忌々しい女を犯せるのだ。
それがようやく実感できた。
「ああ、温けぇ! 柔らけぇ雌の身体だ!」
ジャックはソリュシャンの乳房を乱暴に揉みしだいた。
むにゅりと手に馴染む感触。
指の間で勃起した乳首が転がる感覚もまた心地良い。
下から搾り上げるように胸を掴み、親指と人差し指で乳首を捻るように摘まむ。
「……っ」
その刺激に、ソリュシャンも思わず声を漏らした。
性的快感というより、刺激そのものへの驚きだった。
生の胸を揉まれる感覚。
プレアデス同士でふざけて胸を触り合うことはあった。
だが男に――ましてやこんな下等な人間に、裸の胸を好き放題触らせたことなど一度もない。
「なんだ、感じてんのか? あぁ!?」
バッ――!
ジャックはソリュシャンの上着をはだけさせた。
ドレス越しに想像していた、感触だけで思い描いていた淫らな乳房が、照明の下に露わとなる。
服の締め付けも下着の拘束もない、天然そのものの胸。
上着を下ろす動きに合わせ、上下に大きく揺れた。
ジャックはその淫らな動きを見せる乳房を、再び片手で鷲掴みにする。
「取るに足らねぇ男のモンなのに、こんなに勃たせてくれてんじゃねぇか?」
自然と彼女の背後へ回り込み、なおも胸を弄り続けるジャック。
ソリュシャンの臀部の割れ目へ、彼の勃起した男根が触れた。
「ふふっ。まさか。身の程知らずにも程がありますわ」
「お、おおお……!」
ジャックはスカートのスリットから太腿を撫で始めた。
ソリュシャンはむしろ彼を煽るように、腰をわずかに上下させる。
臀部の谷間に挟まれたジャックの男根が、その動きに合わせて上下に擦れた。
「盗賊どもが散々使い捨てた人間の雌ばかり犯してきた下賤なゴミ風情が。この手でわたくしを感じさせるですって?」
ソリュシャンは顔を上げた。
恐怖に震えて死にかけていた男が、今では幸福に満ちた顔をしている。
もはや嫌悪を通り越して呆れ果てていた。
今の笑みも、ただその滑稽さから零れた最低限のものに過ぎない。
「そもそも、アインズ様の命令さえなければ、こうして肉体関係を結ぶことなどあり得ませんでしたし……ナザリック地下大墳墓の客人として扱われることすら――」
「あぁそうだ、そうだ……っ。はぁ、たまんねぇ」
「……っ、ぅ」
ジャックはソリュシャンの言葉を無視し、なおも手を動かした。
ソリュシャンの太腿の内側もまた柔らかく、温かい。
少し指を伸ばせば、薄く湿った下着の表面へ触れる。
指先で撫でれば、滑らかな膨らみが伝わってきた。
ソリュシャンは自分の言葉を遮って愛撫に夢中になるジャックを睨み、深くため息を吐いた。
……ソリュシャンには、こういう男を虐める趣味はある。
だが、こんな無礼な男に好き勝手犯される趣味はない。
ジャックの手は今や乳房と同時に下着の上からも弄っていた。
左乳を搾るように揉み、その先の桃色の乳首を弄ぶ。
下着越しには指を揃え、前後に擦り付けるように刺激していた。
「ふぅ……」
妙に熱を帯びる身体。
この妙な感覚。
気持ち悪い。不快だ。
今仕えているアインズ様ならともかく、あの男のいやらしい顔をこれから先も見続けなければならないなど。
「……自分だけ気持ち良くなればいいと思ってる未開の雄に、女を満足させられるはずなんて――ない、でしょ?」
「ここがクリトリスか?」
「……っ!?」
必死に殺気を抑えていたソリュシャンの身体がびくりと跳ねた。
むしろ、小さく飛び上がったと言った方が近い。
ジャックの指が、パンツ越しの先端――小さな豆のような部分を摘み、擦り始めたからだ。
「……は?」
ソリュシャンは自分の反応に小さく驚いた。
確かに震えた。
先ほど胸を触られた時とは違う。
下腹部から痺れるような感覚が、腰を伝って走っていく。
ソリュシャン・イプシロンが初めて感じる感覚。
彼女が、今感じてはならない感覚だった。
「こう見えても、娼館には何度も通ってたんだよ。くくくっ」
「それが、何を……っ、ぅぐ、ぅっ――?!」
そして続く、クリトリスへの愛撫。
布越しに加えられる刺激が、かえってその摩擦をより鮮烈なものへと変えていく。
ソリュシャンの脚が少しずつ震え始めた。
平然を装おうとしていた吐息さえ、徐々に色香を帯び始める。
「だから雌が興奮してるかどうかくらい、ちゃんと分かるんだよ!」
「――ふぐっ?!」
乱れ始めたソリュシャンの唇へ、ジャックが一瞬で覆い被さった。
「ん、ぅうっ……! ぅ、ん……っ! はぁ、ぅぅっ……♡!」
ジャックの唇は柔らかなソリュシャンの唇を強引にこじ開けた。
閉ざされた歯の隙間へ無理やり舌を差し込み、主導権を奪い取る。
ジャックの舌が入り込んだソリュシャンの口内はぬるく、湿っていた。
絡みつく唾液と、受け入れまいとして動く彼女の舌が、逆にいやらしく絡み合っていく。
「ぷはっ、はぁ……はぁっ! 勝手に、口を……っ、んぅ!」
ジャックは一度唇を離し、糸を引く唾液を垂らした後、再び貪るように口づけた。
下まで捲り下げられたせいで、もはや服として機能していない上着が揺れる。
スカートはすでに、内側を弄るジャックの手によって完全に捲り上げられ、黒い下着を露わにしていた。
――何なの、一体。
ソリュシャンは拳をぎゅっと握り締めた。
くだらなかった。理解不能だった。
たかが人間ごときに。
本来なら、一時の余興として殺して終わるだけだった人間ごときに、どうして……!
「それじゃあ――」
ジャックは乳首を弄り続けながら、下着越しに秘所を刺激し続け、ソリュシャンの体勢を崩していく。
そのままベッドへ押し倒された。
ソリュシャンのハイヒールが脱げ、宙を空回りして床へ転がる。
「くくくっ」
そしてジャックはズボンのバックルを外し、なお勃起したままの男根を露出させてベッドへ上がった。
「……は」
――露わになったジャックの男根は、実に大きかった。
今まで娼婦や捨てられた女を犯す程度にしか使われてこなかったのが惜しいほどの代物。
当然ながら平均以上。雌なら思わず喉を鳴らすような、太く大きな肉棒だった。
ソリュシャンはそんな彼の男根を見て、一瞬だけ固まる。
ズボン越しに感じていたものとはまるで別物だった。
確かに絶対的な大きさはある。
だが、こんな取るに足らない男が持つものなら、どうせ大きいだけなのだろう。
思わず笑いそうになる。
浮き出た血管が脈打っていた。
男根は淫らな形を保ったまま、天を突くようにそそり立っている。
「ようやく喰えるぜ、このクソ怪物メイド」
そして、するり――。
無遠慮にスカートの中へ両手を差し入れたジャックは、そのままソリュシャンの下着を脱がせ、手に取った。
中央が粘つく液体でわずかに濡れた、湿った黒のパンティ。
しかもレース付きという形状が、ジャックの性欲をさらに煽る。
匂いを嗅げば感じるのは、生臭さでも不快な湿気でもなく――甘い香りだった。
「“ご主人様”が用意してくれた飯は、美味しくいただかねぇとな」
ジャックはパンティをベッドの隅へ放り投げ、露わになった秘裂を眺めた。
桃色の女性器。
淫らな液体がねっとりと絡み、艶めいている。
毛一本ないそこは清潔でありながら、妙に扇情的だった。
指で軽く開けば、その穴がひくついているのまで見える。
彼はソリュシャンの太腿を掴み、そのまま自身の男根を近づけた。
「……みすぼらしいですわね」
脚を開かされたソリュシャンは、心底軽蔑した視線を向けてくる。
冷え切ったような瞳。死んだような目。
だが同時に、どこか妖しい艶が宿っていた。
これまで彼女の罵倒をまともに取り合わなかったジャックも、その挑発には顔を歪める。
劣等感どころか、自分の男根の大きさだけは数少ない自慢の一つだった。
男にとって、自分のそれを「みすぼらしい」と言われるのは、逆鱗に触れられるも同然だった。
「……このクソスライム女が」
「ふふっ……一度入れてみればよろしいでしょう、ジャックさん。こちらへ♡」
人間ごとき、挿れた瞬間に脳を溶かして差し上げますわ――。
そう言い切る直前。
一瞬で挿入――。
「――ふごぉおおっ♡♡♡?! ぁ、ふぐ、ぅっ♡♡?!」
……は?
「俺のチンポ、そんなに気持ちいいのかよ! このクソ雌メイドが!!」
「ふぐっ、ぅううっ♡♡ あ、ふが、ぁあああっ♡♡ おほぉおおっ♡♡♡?!」
挿入と同時に飛んでいた意識が戻った時には、すでに身体は激しく揺さぶられていた。
視界は霞み。
耳は痺れ。
身体は汗なのか何なのか分からない体液でぐっしょりと濡れている。
当然、その理由をソリュシャンには理解できなかった。
突然飛んだ意識を取り戻したばかりで、何が起きているのか――そもそも状況自体が把握できない。
「ふ、ぅおっ♡ はぁあん♡ ぅ、ほぉおっ♡♡♡」
だが、誰かが下品に喘いでいるのは聞こえた。
まるで下劣な雌豚のような声。
誰だ?
朦朧としたソリュシャンの意識に浮かぶのはお二方だった。
自慰に耽っておられる時のアルベド様。
あるいは“側室”を抱くか、同じく自慰に耽っておられる時のシャルティア様。
……もし本当にそのどちらかなら、あまりにも無礼極まりない表現だろう。
だが、それでも声が違った。
お二方の嬌声とは異なる。
もっと下品で、淫らに喘いでいた。
ソリュシャンは混乱した頭のまま、自身に与えられた能力を忠実に使用した。
〈ポイズンメーカー〉のクラススキルを利用し、体内で強力な覚醒剤を調合する。
もっとも、あくまで〈ポイズンメーカー〉による生成物である以上限界はあり、多少の毒性は含まれている。
だが彼女にとって問題にはならない。
そもそもナザリックへ連れてきたジャックを目覚めさせる際にも使用したほどで、人間にすら無害な程度のものだった。
彼女は調合した覚醒剤を全身へ巡らせた。
鮮明になる視界。
冴え渡る頭。
「ふぐっ!?」
聞き慣れた声で喘いでいるのは――
「ひぎぃいいっ♡♡♡?!」
「なんだ、起きたのか?!」
他でもない、ソリュシャン自身だった。
:)