いかに戦闘メイド《プレアデス》といえど、ナザリックでの仕事は忙しい。 本来ならセバスと共に王都へ滞在しているはずだったが、一時帰還した途端、下卑た男との妊娠交尾を命じられたソリュシャンも例外ではなかった。
朝の一方的な辱めのようなセックスを終えた後、午後。 場所は相変わらず第九階層の廊下。
自分と同じく一時帰還していたシャルティア様に関する諸々の仕事――そして今回の件についての雑談と愚痴を終え、次の業務のため移動していたソリュシャンは、
「……っ」
廊下でジャックと鉢合わせした瞬間、顔をしかめた。
足を止める。部屋に引きこもっているものだと思っていたのに、どんな自信で出歩いているのか。 いくら何でも、この場所を勝手にうろつくとは思っていなかった。
彼女は視線を下げる。 あの男、今ズボンを脱いでいるのか? そそり立った勃起した肉棒を見た瞬間、ソリュシャンは奥歯を噛み締め、怒りと呆れを押し殺した。
どうせ何か言えば、アインズ様の命令を持ち出すに決まっている。 もし露出癖でもないなら、間違いなく自分をからかうために脱いできたのだろう。 考えれば考えるほど、不遜極まりない行為だった。
「……どいていただけますか、ジャックさん」
「クククッ」
ソリュシャンは平静を装いながら、しかし不快感だけは隠さず冷たく言った。 もちろん彼は答えない。 むしろニヤニヤ笑いながら、彼女の身体を上から下まで舐めるように見回すだけだった。 それが余計に不快だった。
その視線は……本当に、耐えているだけで苛立たしい。 一方的に蹂躙された最初のセックス、そしてプレアデスたちの前で犯された朝の辱め交尾。 あの時の光景が、彼女の脳裏を強く叩いた。
ナーベラルもナーベとして活動している時は、こういう視線をよく向けられると聞いた。 露骨なセクハラまではいかなくとも、口説かれることは多いらしい。
彼女の苦労を軽んじるつもりはない。 だが、これより酷いだろうか。
ソリュシャンの頭は、煮え立つような痛みを訴えていた。
「邪魔です。仕事へ向かう途中なのですが」
「見ての通り、俺も仕事中でね」
「……」
そこでそれ以上言う理由は消えた。 この先の内容など、どれだけ知能の低いトロールですら薄々察せられるだろう。 何より、この手の言葉に関しては、さすがのソリュシャンでも言い返せなかった。
言葉が詰まる。 冷たく睨んでも、むしろその目付きがいやらしいと喜ぶ男だ。 そしてまた乱暴に犯してくる。 ……本当に最悪だった。
「じゃあ、よろしく頼むぜ!」
ソリュシャンが深いため息を吐いた瞬間、大股で近付いてきたジャック。 彼は遠慮なく手を伸ばした。
「!?」
今度は問答無用で上着を引き剥がした。 ぷるん、と。 軽く揺れた後、上着を失った乳房は上下にたゆたう。 薄桃色の乳首が、その揺れに合わせて小さな軌跡を描いた。
「クククッ!」
ジャックはそんな彼女の胸を見てだらしなく笑うと、その肩を掴んで押し込んだ。 廊下の壁へと身体を密着させる。 逃げられないよう脚の間に自分の脚を差し込み、秘所を擦るように刺激まで加えた。
「い、今、ここで……!?」
ソリュシャンは低く呟く。
さっきプレアデス同士でいた時もそうだ。 今もそう。
この男、人間ではなく獣なのか?
「……おい、俺たちの子供ができた時のために練習しとかないとな?」
「……?」
また意味の分からないことを。
「俺たちの本気交尾でお前が妊娠したら、生まれてくる俺たちの子供に乳をやらなきゃならないだろって話だ」
「ま、待――!?」
彼女がようやく彼のしようとしていることを理解した時には、
「――ふぁっ♡♡――んっ♡!」
ジャックは一拍早く、彼女の乳房にむしゃぶりついていた。
「ぁ、ふぅっ、ん♡♡ はぁ、ぁ……♡♡」
ジャックはまず、ソリュシャンの右胸を貪った。 わずかに塩気を帯びた柔らかな乳房。 硬く勃起しながらも、舌の動きに合わせて震える乳首。 彼はソリュシャンの乳輪を舌と唇で愛撫した。 吸盤のように張り付き、ぐいっと引っ張ってから、ぱっ、と離す。
「ふぁぁっ♡♡♡!?」
口を離せば、唾液に汚れたまま揺れる乳房。 ジャックはそれを何度も繰り返し、やがて乳首を前歯で軽く噛んだ。 傷がつくほど強く、こり、と。 だが当然、ソリュシャンの身体に傷はつかない。
「――――♡♡♡!?」
むしろ彼女に快楽を与えるだけ。
ジャックはニヤリと笑い、反対側の乳房も同じように愛撫した。 胸を咥えては離し、乳輪をぐるぐると舌でなぞり、乳首を噛む。
ソリュシャンは口を手で押さえ、喘ぎ声を呑み込んだ。 おかしい。 たかが胸を愛撫されているだけで、自分がこんなにも感じるなんて。 不快だった。 気をしっかり持ち、震え始める脚を無理やり伸ばす。
「はぁ、はぁ……♡!」
口を塞いでいた手すら下ろした。 ただ下唇を噛み締め、黙って耐える。 もちろん簡単ではない。
下半身をじわじわ刺激してくる男の膝。 乳房、その先端へと止まらない刺激。 肌が震える感触。 胸を持ち上げては離し、吸っては噛む。 指が乳房へ食い込み、包み込み、弄ばれていると分かる感覚。
「ぁ、あ……♡」
五分ほど経っただろうか。 その頃になると、ジャックもようやく胸への愛撫を止めた。 唾液まみれになった乳房から口を離し、彼女の有様を上から下まで眺めてククッと笑う。 ソリュシャンは視線を落とした。
……右太腿へ肉棒を擦りつけ、射精していたのだ。
「……よくも……」
「よくも?」
至高の御方が下賜された衣装を汚すなど。
……その怒りのまま本能的に飲み込んでしまおうかとも思ったが、彼女は必死に押し殺すしかなかった。 駄目だ。 それでもアインズ様の命令には逆らえない。
「……いえ」
ソリュシャンはハンカチを取り出した。 胸にべっとり付いた彼の唾液、太腿にかかった精液を拭い取ると、ため息と共に冷たい視線を向けた。 そこには相変わらず、心からの軽蔑が込められていた。
「これで満足ですか?」
「まあ、そこそこだな」
「……チッ」
ソリュシャンは彼を軽く押しのけ、その後も自分を呼び止めるジャックを無視して、本来向かうはずだった道を歩き続けた。 これ以上付き合いたくなかった。 もう一度射精もしたのだから、夕方までは静かにしているだろう。
「……ほぉ?」
だが、彼女の考えとは裏腹に、ジャックはそうしなかった。 去っていくソリュシャンの後ろ姿、太腿を伝う愛液を見たジャックは、再び肉棒を勃起させたままニヤリと笑うだけだった。
いつの間にかジャックは、そんなソリュシャンの後ろへ回り込み、そのまま並んで歩き始めていた。
理由を訊こうにも、大体の予想はつくため不要。
追い払おうにも、聞く耳を持たないのは目に見えているため不可能。
『害』を与えぬ範囲で上下関係を教え込もうかとも思ったが、もしアインズ様の耳に入るようなことでもあれば――そう考えると、それもまた不可能だった。
「――っ♡」
「どうした? ちゃんと歩けよ」
だからこそ、今度こそ完全に無視を決め込もうとしていたソリュシャンだったが、ジャックはそんな彼女の意思を嘲笑うかのように、その尻へと手を伸ばし、揉み始めた。
スカートのスリットから。パンティ越しに。
彼女の臀部を弄び始めたのである。
粗暴な手つき。
強引に食い込んでくる感触。
ジャックは何食わぬ顔でソリュシャンと並んで歩きながら、延々とその尻を愛撫していた。
張りのある、肉感的な尻。
だが決して醜くはない。
ほどよく肉付きした大きな臀部は、こうして触れているだけでも『雄』に快楽を与えるほど。
そして同時に、『雌』にも決して少なくない快楽を与えるほどだった。
「ぅ、ふぅ……っ♡!」
ソリュシャンの肛門が、そして秘裂が、その手の動きに合わせるように開いては閉じ、閉じては開く。
何度も経験した。
慣れている。
それでも、決して慣れきることはできない行為だった。
「ひぐっ♡♡?!」
ぢゅる、と。
いやに生々しい水音まで響く。
先ほどから滲み続けていた愛液はさらに量を増し、床へ小さな跡を残し始めていた。
「あなたという、人間は……!」
ソリュシャンにとって、それはひどく癪だった。
自分でも濡れていることくらい理解している。
だからこそ無視して歩いていたのだ。
見せたくなかった。
あんな下卑た手付きに、自分の身体が昂っているなどと。
「ぴくぴくしてるの、たまんねえな」
「ぅ、ぁ……っ♡?!」
男はなおも興奮していた。
必死に嬌声を堪える姿に。
それでも漏れてしまう甘い声に。
歩くたび強調される尻に。
歩調に合わせ上下へ揺れる乳房に。
「いったい、また何を――?!」
「スカートの中だと手ぇ動かしづらくてな。おお……! やっぱ交尾ん時も思ったが、とんでもねえケツしてやがる!」
スカートを捲り上げ、無理矢理露わにされた彼女の尻。
ジャックは汗と愛液で湿ったその臀部を軽く叩くと、そのままパンティの内側へ――
「――っ?!!」
手を差し込んだ。
触れたのは肛門。
挿入こそしていないものの、その入口を中指でくるくるとなぞり回しながら愛撫している。
「……」
ソリュシャンは努めて無視し、そのまま歩みを進めた。
ジャックは相変わらず横に並び、彼女の尻を好き放題弄ぶ。
肛門も、秘所も。
わずかに折れ込んだ臀肉の裏側までも。
指先で撫で、掬い上げ、擦り下ろし。
好き勝手にその感触を楽しんでいた。
「……っ!」
ソリュシャンですら思わず身を震わせるほど乱暴に握り締め、赤い手形を残したジャック。
ソリュシャンが拳と唇を噛み締め耐えると、今度は太腿へ下り、下着越しに秘所を撫で回してから、再び揉みしだく。
くつくつと笑う様は、人間というより薄気味悪い下級悪魔のようだった。
一瞬脳裏をよぎった『触手の檻』の連中と比べることすら、あちらに失礼だろう。
「ソリュシャン様!」
「あ、あら」
そんな彼女が必死に耐えながら前へ進んでいた時だった。
廊下の先から声が響く。
必死に悟られまいと、涙すら飲み込んでいたソリュシャンの目には、うまく映らなかった。
:)