執務室の扉を開けた瞬間、俺は一度だけ足を止めた。
机の横に、見慣れない侍女が立っている。黒と白のメイド服。髪はきっちりまとめられ、手には銀盆。姿勢も礼も、声を出す前の呼吸まで完璧だった。
だが、目だけが違う。
「お帰りなさいませ、皇子様」
甘い声。
わざとらしいほど整った礼。
俺は扉を閉めずに、その場で額を押さえた。
「チェルシー。何をしている」
侍女はにこりと笑った。次の瞬間、変装の気配がほどける。メイド服だけはそのままに、見慣れた顔が銀盆の向こうから覗いた。
「何って、潜入の練習よ」
「俺の執務室でやるな」
「気づいたなら合格。気づかなかったら、あなたの警備体制は落第」
「俺を試験用の教材にするな」
チェルシーは銀盆を机に置き、少し身を乗り出した。飴の棒が唇の端で揺れる。
「それとも、似合ってない?」
挑発するような目だった。
こちらが慌てるのを待っている。視線を逸らせば笑う。真正面から見れば、もっと笑う。
俺は百通りの未来を見るまでもなく、敗北を悟った。
「……似合っているから困っている」
「ふうん」
チェルシーの口元が、ほんの少しだけ勝ち誇った。
「ふうん」
チェルシーの口元が、ほんの少しだけ勝ち誇った。
その笑みを見た瞬間、俺の頭の中で警鐘が鳴る。
メイド服のチェルシーは、ゆっくりと一歩近づいた。銀盆は机の上に置き去りだ。手に持っているのは、もはや何もない。
「ねえ、皇子様」
「なんだ」
「私、潛入の練習って言ったけど」
彼女の指先が、自分のメイド服の襟元にかかる。
「もっと実践的な訓練も必要だと思うのよね」
「……どういう意味だ」
「こういう意味」
チェルシーはメイド服の前を、はらりと開いた。
その下に現れたのは、黒いレースの下着。
通常のものではない。胸元は完全にカットアウトされ、乳首が丸出しになっている。ピンク色の突起が、冷たい空気に触れて硬く尖っていた。
「なっ……」
「似合ってるでしょ? こういうの、潛入任務で使うこともあるから」
嘘だ。完全に嘘だ。
だが、俺の目は彼女の乳房から離れられない。
白い肌に黒いレースが食い込み、露出した乳首が誘うように揺れる。
「皇子様、顔が赤いわよ」
チェルシーは笑いながら、さらに近づいた。
彼女の手が俺の胸に触れ、そのまま背中へと回される。
「いつも書類ばかりで、体が凝ってるんじゃない?」
「チェルシー……」
「大丈夫。私がほぐしてあげる」
彼女は俺の体を執務机の方へと押しやった。
抵抗はできなかった。する気もなかった。
机の前に立たされた俺のベルトに、彼女の細い指がかかる。
「こういうのも、暗殺者の技術の一環なのよ」
バックルが外され、ズボンが引き下ろされる。
すでに硬くなり始めていた肉棒が、下着の上からでもはっきりと分かるほど隆起していた。
「あら、元気ね」
チェルシーは下着をずらし、俺のモノを露わにした。
彼女の冷たい指先が、熱くなった竿に触れる。
「んっ……」
「敏感ね。いい反応」
彼女は俺を机に寄りかからせると、自分の体も横に滑り込ませた。
側位。二人が同じ方向を向き、彼女の背中が俺の胸に密着する体勢だ。
「この体勢、好きなのよね」
チェルシーは自分のスカートを捲り上げた。
黒い下着は、やはり淫猥なデザインだった。クロッチ部分は紐のように細く、すでに湿り気を帯びている。
「挿れるわよ」
彼女は片足を持ち上げ、俺の肉棒を自らの入り口に導いた。
ぐちゅり。
濡れた音と共に、亀頭が彼女の体内に飲み込まれていく。
「あぁっ……!」
「くっ……!」
互いの声が重なった。
きつい。熱い。そして深い。
側位の体勢は、普段よりさらに奥まで届く。
「動くわ……んっ……」
チェルシーは自ら腰を動かし始めた。
横たわったまま、小刻みに、しかし確実に快楽のポイントを攻めてくる。
彼女の背中が俺の胸に擦れ、露出した乳首が俺の腕に触れる。
「はぁっ……はぁっ……いい……これ……」
「チェルシー……!」
俺も腰を動かし、彼女の動きに合わせた。
じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ。
結合部から厭らしい水音が響く。
「あっ……あっ……皇子様……もっと……」
チェルシーの声が甘く溶けていく。
普段のからかうような口調は消え、純粋な快楽に溺れる女の声になっていた。
「私……もう……!」
彼女の内部が痙攣し始める。
俺も限界が近かった。
「中に……出すぞ……!」
「ええ……出して……全部……!」
どくっ、どくどくっ!
彼女の最奥に、熱い精液が迸る。
「ああぁっ!!」
チェルシーは大きく背を反らせ、絶頂した。
彼女の内壁が痙攣し、俺の精液を一滴残らず搾り取っていく。
しばらくして、彼女は荒い息をつきながら体を離した。
ずるりと抜けた肉棒から、白濁した液が滴り落ちる。
「はぁ……気持ちよかった……」
チェルシーは乱れたメイド服を直しながら、満足げに笑った。