※この作品はR-18です。

皇帝が変える   作:ボルメテウスさん

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褐色の踊り子

執務室の窓を閉めた。

 

風が強いからではない。

嫌な予感がしたからだ。

 

こういう時の勘は、だいたい当たる。百通りの未来を見るまでもなく、廊下の空気がいつもより軽い。誰かが息を殺している気配ではない。もっと悪い。こちらの反応を待っている気配だ。

 

「……帰れ」

 

まだ姿も見ていない相手に向けて言うと、扉の向こうで小さな笑い声がした。

 

「ひどいなぁ、皇子様。まだ何もしてないのに」

 

「何もしていない奴は、そんな声で扉の前に立たない」

 

「じゃあ、してから入ろうかな」

 

「入るな」

 

返事の代わりに扉が開いた。

 

メズが立っていた。

 

いつもの軽い笑み。

だが、身にまとっているものが違う。薄布を重ねた踊り子の衣装。腕や腰に飾り紐が揺れ、歩くたびに小さな金具が鳴る。派手なのに、動きを邪魔しない。戦うためではない。見せるための服だ。

 

そして、たぶん、困らせるための服でもある。

 

「どう?」

 

メズはその場でくるりと回った。

布がふわりと広がり、香の匂いが部屋に入ってくる。甘い。甘すぎる。薬草と花蜜を混ぜたような匂いで、油断すると呼吸の奥に残る。

 

俺は書類へ視線を落とした。

 

「視線を逸らすの、早くない?」

 

「早くない。むしろ遅かった」

 

「似合ってない?」

 

「似合っているから厄介なんだ」

 

メズの足音が近づく。

机の向こうで止まるかと思ったが、止まらない。横へ回り込み、椅子の背に指をかける。逃げ道を塞ぐような動きではない。逃げたくなる場所を、先に見に来る動きだ。

 

「今日はね、見せに来ただけ」

 

「君の“だけ”は信用できない」

 

「踊るとは言ってないよ?」

 

「踊らないとも言っていない」

 

「ふふ、分かってきたね」

 

分かりたくなかった。

 

百通りの未来を開く。

十六通りで、俺は逃げる。二十八通りで、メズは笑って追ってくる。三十一通りで、廊下に誰かが通りかかり、誤解が増える。残りは、俺がこの場で胃薬を探していた。

 

最悪だ。

どの未来でも、メズだけが少し楽しそうだった。

 

「その服は、何のためだ」

 

「見てほしかったから」

 

「誰に」

 

「皇子様に」

 

即答だった。

 

嘘か本当か分からない。

だが、こちらが迷う顔をした瞬間、メズの目が細くなる。火打石を指先で転がすような、危ない楽しみ方だ。

 

「……俺を困らせたいのか」

 

「うん」

 

「そこは否定しろ」

 

「でも、困ってる顔、好きだよ」

 

声は軽い。

けれど、最後の一音だけ妙に近かった。

 

俺は椅子から立ち上がる。距離を取るためではない。座ったままだと、完全に主導権を渡す気がしたからだ。

 

「メズ」

 

「なあに?」

 

「見せるだけなら、もう見た」

 

「じゃあ、感想は?」

 

「危険だ」

 

「衣装が?」

 

「君が」

 

メズは一瞬だけ目を丸くした。

すぐに笑う。だが、その笑みはいつもより少しだけ薄かった。

 

「それ、褒めてる?」

 

「警告だ」

 

「止めてくれるの?」

 

「必要なら」

 

小さな金具が、ちり、と鳴った。

メズは一歩下がる。珍しく、こちらの線を越えなかった。

 

「じゃあ今日は、ここまでにしてあげる」

 

「恩着せがましいな」

 

「次は踊ってあげる」

 

「次を作るな」

 

「それは無理かな」

 

扉へ向かう背中を見ながら、俺は深く息を吐いた。

香の匂いだけが、まだ部屋に残っている。

 

爆発物が、今日は火花だけ置いて帰った。

 

それでも十分、胃には悪い。

 

メズが調子に乗っている。

 

「ねえ、皇子様ってば」

 

机の上に腰掛けたメズが、俺の顔を覗き込むようにして笑った。踊り子の衣装のまま、細い足をぶらぶらと揺らしている。

 

「さっきから目、書類ばっかりじゃん。つまんないなあ」

 

「仕事だからな」

 

「でもさあ、あたしがわざわざ来てるんだよ?」

 

メズは机から飛び降りると、俺の膝の間にしゃがみ込んだ。金髪のツインテールが揺れ、馬蹄形の髪飾りがちりんと鳴る。

 

「ちょっとくらい、あたしのこと見てくれてもいいんじゃない?」

 

「見てるだろう」

 

「書類越しじゃなくて、ちゃんと」

 

彼女の手が、俺の膝に置かれる。褐色の指先が、ゆっくりと太腿を這い上がってきた。

 

「メズ」

 

「なあに?」

 

「何をする気だ」

 

「さあ?」

 

とぼけた声で言いながら、彼女の手は止まらない。ベルトの金具に指がかかり、慣れた手つきで外されていく。

 

「ちょっと待て」

 

「待たないよ」

 

「まだ何も言ってない」

 

「でも、言いたいことは分かるから」

 

彼女は笑いながら、ズボンの前を寛げた。下着の上からでも分かるほど、俺のモノは硬くなり始めている。

 

「あは、正直だね」

 

「生理現象だ」

 

「そういうことにしといてあげる」

 

メズは下着をずらし、俺の肉棒を露わにした。冷たい空気に触れて、先端がひくつく。

 

「わあ……」

 

彼女は目を輝かせて、まじまじと見つめた。その視線だけで、さらに硬さを増していくのが自分でも分かる。

 

「すごいね、皇子様の。こんなに大きくなるんだ」

 

「感想を述べるな」

 

「だって、見てたら楽しくなってきちゃったんだもん」

 

彼女は顔を近づけ、先端にそっと唇を触れた。

 

ちゅ。

 

軽いキス。それだけで、腰が震える。

 

「ん……しょっぱい」

 

メズは舌で唇を舐めながら、上目遣いで俺を見上げた。緑色の瞳が、獲物を見つけた猫のように細められる。

 

「もっと味見していい?」

 

「断ってもやるんだろう」

 

「正解」

 

彼女は再び顔を近づけ、今度は深く咥え込んだ。

 

ぬるりとした口腔が、亀頭を包み込む。舌が裏筋を這い、歯を立てずに全体を覆っていく。

 

「んぐっ……」

 

彼女は喉の奥まで咥え込むと、そのまま顔を前後に動かし始めた。

 

じゅるっ……じゅぽっ……ちゅぱっ……

 

唾液と先走りが混ざり合い、厭らしい水音が執務室に響く。彼女のツインテールが揺れるたびに、馬蹄形の髪飾りがちりんちりんと鳴った。

 

「はむっ……んちゅっ……れろぉ……」

 

メズは口を離さずに笑ったような気配がした。そして、さらに深く咥え込もうと顔を押し付けてくる。

 

喉の奥が亀頭を締め付け、舌が竿全体を這い回る。

 

「くっ……メズ……!」

 

俺が思わず腰を浮かせると、彼女はさらに激しく顔を動かした。

 

じゅぼっ!じゅぼっ!じゅぼっ!

 

「んぐっ……んぐっ……んぐっ……!」

 

苦しそうな吐息が漏れるが、彼女は決して顔を離さない。むしろ苦しさを楽しむかのように、さらに強く吸引してくる。

 

「イきそうだ……!」

 

俺がそう告げると、メズは一瞬息を詰まらせた。そして次の瞬間、さらに奥まで咥え込み、喉の奥で亀頭を締め付けた。

 

「んんんっ!!」

 

どくっ、どくどくっ!

 

彼女の喉の奥に、熱い精液が迸る。メズは一瞬息を詰まらせたが、すぐに喉を鳴らしてそれを飲み込んだ。

 

ごくん、ごくんと嚥下する音が聞こえる。

 

長い射精が終わると、彼女はようやく口を離した。唾液と精液が混ざった糸が、彼女の唇と俺の先端を繋いでいる。

 

「ぷはっ……」

 

メズは荒い息をつきながら、口元を手の甲で拭った。そして、にやりと笑う。

 

「皇子様の味、結構好きかも」

 

俺はまだ荒い息を整えられずにいた。メズが口元を拭い、立ち上がる。その動きに合わせて、踊り子の衣装がふわりと揺れた。

 

「ねえ、皇子様」

「……なんだ」

「まだ足りない」

 

メズは机の上にあった書類を、無造作に床へと払い落とした。羊皮紙が舞い散る。抗議する間もなく、彼女は俺の首に腕を回し、そのまま唇を重ねてきた。

 

「んむっ……」

 

甘い香が鼻をくすぐる。彼女の舌が歯列を割り、俺の舌を絡め取った。ちゅるっ、ちゅぷっ。唾液が混ざり合い、卑猥な水音が密室に響く。メズの口の中には、まだ俺自身の味が残っていた。

 

「んはぁ……ちゅっ……れろぉ……」

 

彼女は夢中になって舌を這わせる。俺の上唇を舐め、歯莖をなぞり、舌の裏側にまで執拗に絡みつく。褐色の指が俺の髪を掻き乱し、馬蹄形の髪飾りがちりんちりんと耳元で鳴った。

 

「はぁ……メズ……」

「ん……もっと……」

 

ようやく唇が離れた時には、互いの唾液で口元が濡れそぼっていた。メズは荒い息をつきながら、緑の瞳を潤ませて俺を見つめる。

 

「ベッド、行こ?」

 

彼女は俺の手を引いた。拒否権は最初からない。俺は彼女に導かれるまま、執務室の奥にある簡易ベッドへと向かう。

 

ベッドに腰掛けた俺の前に、メズは立ったまま衣装の紐を解き始めた。薄布がはらりと落ち、褐色の肌が露わになる。小さな胸の先端は、すでに硬く尖っていた。

 

「綺麗でしょ?」

「……ああ」

「素直でよろしい」

 

メズは笑いながら、俺の胸を押してベッドに倒した。そして自ら俺の腰を跨ぎ、再び唇を重ねてくる。

 

「んちゅっ……ちゅぱっ……」

 

舌を絡め合いながら、彼女の手が器用に俺の服を脱がせていく。上着が床に落ち、シャツのボタンが外される。互いの肌が触れ合い、汗ばんだ熱が伝わった。

 

「はぁ……はぁ……挿れるよ……?」

 

メズは腰を浮かせると、自らの秘所を俺の肉棒に押し当てた。ぐちゅり。すでに溢れ出した愛液で、そこはぐっしょりと濡れている。

 

「あっ……!」

 

彼女はゆっくりと腰を落としていく。亀頭が肉壁を割り開き、熱く狹い膣内に飲み込まれていく感覚が、じわじわと伝わってきた。

 

「くっ……!」

「ああっ……! 入ってる……! 皇子様のが……あたしの中に……!」

 

メズは歓喜に震える声で叫び、そのまま一気に腰を沈めた。

 

ずぶりっ!!

 

根本まで咥え込まれた肉棒に、彼女の内壁がぎゅうっと吸い付く。きつい。熱い。そして何より、彼女の内部が嬉しそうに蠕動しているのが分かる。

 

「動くね……! 動いちゃうからね……!」

 

メズは腰を振り始めた。上下に、前後に、時には円を描くように。彼女の汗が飛び散り、結合部からはぐちゅぐちゅと厭らしい水音が響く。

 

「あっ! あっ! あっ! いい! これすごくいい!」

「メズ……! 激しすぎる……!」

「だって気持ちいいんだもん! 皇子様も気持ちいいでしょ!?」

 

彼女は笑いながら、さらに腰の動きを加速させた。

 

ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!

 

肉と肉がぶつかる音が部屋中に響き渡る。彼女のツインテールが乱れ、馬蹄形の髪飾りが今にも落ちそうに揺れた。

 

「奥! 奥に当たってる! あたしの一番気持ちいいとこ!」

 

メズは自分の子宮口に亀頭を押し付けるように、深く深く腰を沈める。その度に彼女の内部が歓喜に震え、さらに強く締め付けてきた。

 

「皇子様! 皇子様ってば!」

 

彼女は俺の上に覆い被さり、再び唇を重ねてきた。

 

「んむっ……ちゅぱっ……れろぉ……」

 

舌を絡め合いながら、腰を激しく打ち付けてくる。まるで俺の全てを奪おうとするかのような動きだ。

 

「はぁ……メズ……もう……!」

「イきそうなんでしょ!? 来て! あたしの中に出して! 全部ちょうだい!」

 

メズは俺の腰を掴み、自らも腰を振り続けた。二人の喘ぎ声と肉のぶつかる音が混ざり合い、理性が吹き飛ぶ。

 

「うっ……出る……!」

「来てぇぇぇっ!!」

 

どくっ!! びゅくっ!! びゅるるっ!!

 

熱い奔流が彼女の子宮の奥へと注ぎ込まれる。

 

「ああぁぁぁっ!! 出てる! 出てるよぉぉっ!!」

 

メズは背を弓なりに反らせ、絶頂の波に全身を震わせた。彼女の内部が痙攣し、俺の精液を一滴残らず搾り取ろうと締め付けてくる。

 

長い射精が終わり、彼女は力なく俺の胸に崩れ落ちた。

 

「はぁ……はぁ……皇子様の精子……いっぱい出てた……」

「ああ……」

 

二人の荒い息遣いだけが、静寂の中を満たしていた。

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