城下町の朝は、城の中よりずっと生き物の匂いがした。
焼き立てのパン、馬の汗、路地裏に残った酒、露店の油。
帝都の執務室では紙とインクと胃薬の匂いばかりだから、こういう雑多な空気は嫌いじゃない。
問題は、俺が視察という名目で城を抜け出した三分後には、もう見つかっていたことだ。
「よっ。逃亡皇子」
背後から肩を組まれた。
重い。いや、腕そのものより、遠慮のなさが重い。
「逃亡じゃない。視察だ」
「護衛なしで?」
「非公式のな」
「へえ。つまり逃亡じゃん」
レオーネは笑って、俺の肩をぐいと引き寄せた。
金色の髪が朝日に揺れる。城下の人波に紛れているのに、妙に目立つ。本人は気にしていない。むしろ気づかれても困らない顔をしている。
「離せ。歩きにくい」
「やだね。離したら逃げるだろ」
「逃げる理由を作っているのはそっちだ」
「はいはい、屁理屈皇子」
敬意の欠片もない呼び方だった。
だが、そこが楽でもある。城の中では、誰もが俺の肩書きを先に見る。第一皇子。皇帝の兄。大臣を失脚させた男。帝国を立て直すための面倒な駒。
レオーネは違う。
疲れた顔をしていれば笑う。
無茶をしていれば殴る。
逃げようとすれば、先に退路に立っている。
「昨日、男連中と窓から逃げたんだって?」
「誰から聞いた」
「さあね」
「チェルシーか」
「当たり。いや、半分かな。ラバックが酒場で泣いてた」
「血涙の件か」
「そう、それ。『羨ましいのに羨ましくねえ』って、机に突っ伏してた」
思わず額を押さえた。
隠密組織の一員とは思えない情報漏洩だ。
レオーネは肩を揺らして笑う。笑いすぎて、組まれた腕の力が少し強くなった。
「で? 今日はどこに逃げるつもりだったんだ?」
「逃げる前提で話すな」
「違うの?」
「……人が少ない場所で、少し考え事をしたかった」
「それ、逃げるって言うんだよ」
反論しようとして、やめた。
百通りの未来を見るまでもなく負けだった。
市場を抜けると、裏路地へ出た。日陰に入った途端、朝の熱が少しだけ遠のく。レオーネはようやく腕を離し、壁に背を預けた。尻尾を振る獣みたいに余裕がある。
「アンタさ、誰にも見つからない場所に行けば休めると思ってんの?」
「少なくとも、肩を組まれずには済む」
「甘いね」
「砂糖より甘い自覚はある」
「そういうところだよ」
レオーネの声が、少しだけ低くなった。
からかいの色は残っている。けれど、その奥に別のものが混ざっていた。
「アンタ、逃げるくせに置いていかないだろ。面倒だって顔しながら、結局は戻ってくる。だから皆、追うんだよ」
「それは俺の責任か?」
「かなりね」
「理不尽だ」
「世の中、だいたい理不尽だろ」
軽く言って、レオーネは俺の額を指で弾いた。
痛くはない。だが、妙に響く。
「なあ、皇子」
「なんだ」
「無理なら無理って言えよ。倒れる前に」
その一言だけ、笑っていなかった。
路地の奥で猫が鳴く。
遠くの市場から、商人の呼び声が流れてくる。城の中では聞こえない音ばかりだ。
「言ったらどうする」
「飯食わせる。寝かせる。逃げたら捕まえる」
「最悪の三段構えだな」
「最高だろ」
レオーネは歯を見せて笑った。
その顔を見ると、少しだけ息がしやすくなるから困る。
アカメの静かな心配とも違う。
チェルシーの見透かすような優しさとも違う。
レオーネは踏み込んでくる。遠慮なく、雑に、けれど必要なところだけ外さない。
悪友。
その言葉が一番近い。
「で、今日はどうする? 視察続ける? それとも酒場で朝飯?」
「朝から酒場は避けたい」
「じゃあ屋台だな。奢れよ、皇子」
「なぜ俺が」
「逃亡の口止め料」
「脅迫じゃないか」
「友達価格だよ」
「友達はもう少し安くしてくれ」
レオーネは笑いながら、俺の背中を叩いた。
今度は少し強かった。肺の空気が抜ける。
「ほら、行くぞ。考え事は歩きながらでもできる」
「俺の予定は?」
「今、あたしが決めた」
勝手な女だ。
強引で、雑で、距離が近い。
けれど、不思議と腹は立たなかった。
城へ戻る道ではなく、人混みの方へ足が向く。レオーネは隣で、屋台の匂いを追うように鼻を鳴らしていた。
屋台の肉を平らげた後、レオーネはわざとらしく腹をさすった。
「あー、食った食った。王子のおごりはうめえな」
「勘定はちゃんと払う」
「へいへい。で、次はどうする? 戻るか?」
そう言いながら、彼女の目は路地裏の深い影へと向いていた。俺の視線もそこへ吸い寄せられる。
「……もう少し、こっちでいいか」
「だろ?」
レオーネはニカッと笑い、俺の腕を引いた。
路地裏の奥。湿ったレンガの壁に背を預ける。
人通りは完全に途絶えた。遠くの喧騒だけが、壁越しに微かに聞こえる。
「で、本命はこっちだろ?」
レオーネが俺の股間に手を伸ばす。
すでに硬くなっているモノを、ズボンの上からぐっと握りしめた。
「隠せてないっての。朝からずっとこうだもんな」
「……バレてたか」
「バレバレ。あたしの鼻を舐めるなっての」
彼女は楽しそうに笑いながら、ベルトを外し、ズボンと下着を一気に引き下ろした。
弾け飛ぶように屹立したペニスが、朝の冷たい空気に晒される。
「相変わらず、元気なおチンちんだこと」
レオーネは舐めるように俺自身を見つめ、そのまま膝をついた。
「特別サービスだ。王子だけのな」
彼女は胸元の留め具を外した。
大きく開いた服の中から、豊かに育った双丘がこぼれ落ちるように露わになった。
白く、柔らかく、そして重そうな乳房。
揺れるたびに、その質量が空気を震わせるようだ。
「ほら、どうだい? 姉ちゃんのおっぱい」
俺のペニスを両手で包み込むように持ち上げると、そのまま豊かな胸で挟み込んだ。
むっちりとした肉の感触が、ペニスの左右から押し寄せる。
熱い。柔らかい。そして圧倒的な包容力。
「んっ……!」
「へえ、いい反応。敏感だねえ」
レオーネは胸を寄せ合わせ、上下に動かし始めた。
肉と肉の間に埋もれたペニスが、摩擦と圧力で激しく刺激される。
彼女の肌の質感は、シルクよりも滑らかで、羽毛布団よりも温かい。
汗ばんだ谷間が、ほどよい潤滑剤となってペニスを包み込む。
「くっ……すごい……」
「でしょ? これがあたしの特等席だよ」
レオーネは顔を近づけ、胸の谷間から顔を出す亀頭に舌を這わせた。
ちゅぱり、と先端を吸い上げる。
「んちゅっ……れろっ……」
パイズリと同時に与えられる口舌の刺激に、腰が震える。
彼女は上下に揺れる胸の動きに合わせて、巧みに舌先で裏筋や鈴口を攻め立てる。
「あぁっ……レオーネ……!」
「どう? 気持ちいいかい? 王子のおチンちん、ビクビク言ってるよ」
乳房で締め付けながら、舌先で尿道口を抉るような動きを見せる。
絶頂が近づいてくるのが分かった。
「くっ……イきそうだ……!」
「いいよ。たっぷり出しな。あたしのおっぱいにぶっかけておくれよ」
レオーネは胸の動きを加速させた。
プリプリとした肉の波がペニスを襲う。
俺はその波に飲み込まれるように射精した。
「うおぉっ……!」
ドクッドクッ!
勢いよく放たれた精液が、彼女の胸の谷間に降り注ぐ。
白濁した液が、彼女の金色の肌と白い乳房に浊った筋を作って流れ落ちる。
「あははっ! すげえ量だねえ」
レオーネは満足そうに笑い、胸に溜まった精液を指で掬い取った。
そしてそれを、まるで上等な酒のように舐め取った。
「ん〜っ! 王子の味……悪くないね」
指についた精液を丁寧に舐め取り、残りは胸に擦り付けて楽しむように笑う。
その姿は凄惨でありながら、どこか神々しいまでの色気を放っていた。
「あははっ! すげえ量だねえ」
レオーネは満足そうに笑い、胸に溜まった精液を指で掬い取った。
そしてそれを、まるで上等な酒のように舐め取った。
「ん〜っ! 王子の味……悪くないね」→同じ文章が続いています。
指についた精液を丁寧に舐め取り、残りは胸に擦り付けて楽しむように笑う。→同じ文章が続いています。
その姿は凄惨でありながら、どこか神々しいまでの色気を放っていた。→同じ文章が続いています。
だが、彼女の瞳にはまだ飢えの色が残っている。
「……足りねえな」
レオーネは立ち上がり、腰のベルトに手を伸ばした。
「王子、もっと付き合えよ。今度は本気でな」
彼女の腰に巻かれたベルト型帝具――百獣王化・ライオネルが鈍く光る。
次の瞬間、彼女の体が変化した。
金色の髪がさらに伸び、腰まで届くロングヘアへと変わる。
頭頂部からは獣耳が生え、臀部からは太くしなやかな尻尾が飛び出した。
「ふぅ……やっぱこれが落ち着くね」
彼女の声が、わずかに低く掠れる。
獣化によって研ぎ澄まされた五感。全身から溢れ出る野性の匂い。人間の雌ではなく、獣の雌としての本能が剥き出しになっている。
レオーネはゆっくりと四つん這いになった。
濡れた石畳の上に両手をつき、獣のように背を反らせる。
尻尾がゆらりと揺れ、丸みを帯びた臀部が俺の前に差し出された。
「どうだい、王子。姉ちゃんのケツ、いいだろ?」
彼女は振り返り、金色の獣眼で俺を見上げる。
舌なめずりをする仕草さえ、もはや人間のものではない。
「さあ、来な。遠慮はいらねえ。獣相手に遠慮するバカはいねえだろ?」
挑発するように腰を振る。
太股の間からは、先程のパイズリで興奮したのか、すでに蜜が滴り落ちている。
ぽたり、ぽたりと石畳に染みを作る雫が、朝の光を受けて淫靡に輝いた。
俺は言葉を失ったまま、彼女の背後に膝をついた。
「いい子だ」
レオーネは満足げに笑い、さらに腰を高く掲げる。
尻尾が俺の腕に絡みつき、引き寄せるように促した。
俺は彼女の腰を両手で掴んだ。
汗ばんだ肌の感触。引き締まった筋肉と、女としての柔らかさが同居する肢体。
「挿れるぞ」
「待ってた」
屹立したペニスを、彼女の割れ目に押し当てる。
ぐちゅりと濡れた音が路地裏に響いた。
「ああっ……!」
一気に最奥まで突き入れる。
先程とは比べ物にならないほどの熱と締め付け。帝具で強化された彼女の肉体は、人間の女とは次元が違う。
肉壁が蠕動し、ペニス全体を万遍なく締め上げる。
「すげえ……締まるだろ……?」
レオーネは荒い息で笑いながら、自ら腰を前後に動かし始めた。
「あたしの中……どうだい……気持ちいいか……?」
「ああ……最高だ……」
「正直でよろしい……!」
彼女の動きが加速する。
四つん這いの体勢から、まるで獣が獲物に襲いかかるような激しさで腰を打ち付けてくる。
パンッ! パンッ! パンッ!
肉と肉がぶつかる音が路地裏に反響する。
伸びた金髪が乱れ、獣耳がピクピクと痙攣する。
尻尾は俺の腰に絡みついたまま離れない。
「奥っ! 奥に当たってるっ!」
レオーネの声が裏返る。
子宮口を亀頭がノックするたび、彼女の内部が歓喜に震えた。
「もっとだ! もっと突け! 王子っ!」
俺は彼女の腰をさらに強く掴み、体重を乗せて突き上げた。
尻尾が強く締まり、獣耳が頭に張り付くほど伏せられる。
絶頂が近い証拠だ。
「イくぞ……! レオーネ……!」
「来い! 中に出せ! あたしを孕ませろ!」
彼女の叫びが路地裏に響き渡る。
俺は彼女の最奥にペニスを押し付け、思い切り精液を放出した。
ドクッドクッドクッ!
熱い奔流が子宮に注ぎ込まれ、彼女の全身が総毛立つ。
「ああああっ!!」
レオーネは大きく仰け反り、尻尾を真っ直ぐに突き立てて絶頂した。
内壁が痙攣し、最後の一滴まで搾り取ろうと吸い付いてくる。
長い射精が終わり、ゆっくりとペニスを引き抜く。
どろりと溢れた白濁液が、彼女の太股を伝って石畳に落ちた。
レオーネは荒い息をつきながら、ようやく四つん這いから崩れ落ちた。
「はぁっ……はぁっ……最高だぜ……」
彼女は横向きに寝転び、尻尾をだらりと垂らしたまま笑った。
獣耳だけがまだ興奮を示すように小刻みに動いている。
「王子……たまには城抜け出して、こっちで遊べよ。体が鈍るぜ」
俺は乱れた服を整えながら、苦笑いを浮かべた。
「考えておく」
「考えておく、じゃねえよ。絶対だぞ」
レオーネはゆっくりと起き上がり、帝具を解除した。
獣耳と尻尾が消え、伸びた髪も元の長さに戻る。
だがその瞳だけは、まだ獣の熱を宿していた。
路地裏の向こうから、市場の喧騒が聞こえてくる。朝はまだ終わっていなかった。