初めて喰った人間の味は今でもよく覚えている。
今までに食べていた弱い動物などとは格段に違う極上の味。
そんな極上の味をまた味わいたいと思い、罠の張り方を覚え、捕らえた人間を喰う度にぼんやりとしていた意識が次第にはっきりとし、
【な、なんで!なんでゴブリンが罠なんて張れるんだ!?なんで、なんで!】
そして人間の話す言語が理解出来るようになり、この時俺は初めて自分が最下層の種族【ゴブリン】なのだと理解した。
自分が最下層のゴブリンなのだと理解してからも人間達を罠に嵌め、喰い続ける生活を繰り返しているといつもとは違う人間に出会った。
【いやっ!いやぁぁ!来ないで、来ないでぇぇ!!】
それは冒険者の男達に付いて来た女の冒険者であり、そんな男とは違う女から漂う牝の匂いに自らの生物としてのゴブリンとしての本能が掻き立てられ、
【いやぁぁぁぁぁ!!!!】
俺は初めて女を犯した。
その時に感じた滾るような獣欲と快感は人間を食べるのにも勝るとも劣らないものであり、俺は飽きるまで女を犯し、女を犯す悦びを覚えた。
そして人間の雄を喰うことの喜びを、人間の牝を喰うことの悦びを知った俺はそれを他のゴブリンたちにも味わわせたいと考え、自らが罠を張って捕らえた人間の雄を喰わせ、人間の牝を犯させた。
そしてそんな日々を繰り返す中で俺は思った。
【もっとこの極上の味を味わいたい。もっとこの快感を味わいたい】と。
そう思った俺の脳裏にふとあることが思い浮かび、俺はニヤリと笑う。
【なら今度は蹂躙される側だった俺達ゴブリンが全種族を蹂躙し、支配すれば良いのだ】
そうして俺はゴブリンの王オルガと自らを名乗り、全種族を支配しようとそう決めた。
『お願いします!国王陛下。どうか、どうか王都の守備について今一度ご再考を!!』
そう王の前に平伏し、王に向かって進言する一人の女性が居た。
彼女の名はアリア。
人間族の王に仕える文官の一人であり、幼少期から聡明であり将来は女性で初めての文官の長たる宰相になるのでは?と噂されるほどの才女であった。
そんなアリアが王に対して強く進言する内容、それは国境の警備についてだった。
『何故です!?近年初心者冒険による失踪が後を絶たぬ状況だというのに何故王都の警備を強化などをされないのですか!?』
そう、近年初心者の冒険者を中心に行方不明となる者が多く居り、そんな状況にアリアは何か嫌な予感を覚え、民を守るためにも国境の警備の強化やかつて同盟を結んだエルフ族への協力要請を王に対して幾度も進言しているのだが、
『……アリアよ、其方もくどい女じゃのう。この辺に出没する魔物の多くはこの大陸でもっとも最弱と言われる種族ゴブリンだけじゃ、
そのようなゴブリンに対して王都の守備を強化し、エルフ族に協力を求めたなどと他種族の者達に知られてみろ。このアルヴァレスト大陸に住む全ての種族に 臆病者よばわりされてしまうではないか』
そう人間族の王はアリアの進言を聞き入れようとせず、それどころか逆に…
【ふん、全く、これだから女は困るのだ。弱く心配症で周りの不安を煽り、自らの意見を押し通そうとする。だから儂は女を朝議の席に同席させたくなかったのだ】
とそうアリアの提案を鼻で笑いアウラを嘲笑う。
【っ、失礼、しました。出過ぎたことを言いました】
そんな王の心無い言葉にアリアは悔しそうに唇を噛むと、そう王に頭を下げる。
【もう良い、分かったら下がれ】
【…はっ】
そんなアリアに向かって王はそう言うのにアリアはそれ以上何も言えず、悔しさを滲ませながら
そう言うと朝議の場を去って行った。
だが、このアリアの助言を聴かなかったことによって数か月後、人族の国はゴブリンによって
蹂躙され、滅亡することになった。
ハーメルンで初めて投稿させていただきます。
あまり文才は無いですが少しでも読んでいただけるような作品を作れればなと考えております。